こんばんは。今日は旦那です。アメリカの狂牛病についてです。
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小泉さんの「I LOVE Bush」政策の副産物ともいえる米国産牛肉の輸入再開問題。シロウトがみても、政府が輸入再開にノリノリなのは明らかですね。ところで、こんなニュースが入ってきました。
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<プリオン調査会>委員の半数6人辞任 審議に影響も BSE(牛海綿状脳症)問題や米国産牛肉の安全性などを議論してきた、政府の食品安全委員会のプリオン専門調査会(吉川泰弘座長)のメンバーのうち、半数の6人が3月31日付で辞任したことが4日までに明らかになった。6人とも、安全性について慎重な意見を述べてきた委員で、調査会のあり方に疑問をもった委員もいる。今後の審議に影響する可能性もある。 辞任したのは、副座長だった金子清俊・東京医大教授や、品川森一・前動物衛生研究所プリオン病研究センター長、山内一也・東大名誉教授ら6人。昨年の調査会の報告書が米国・カナダ産牛肉について「(国産牛肉との)科学的同等性を評価するのは困難」と結論づけたのは、主にこの人たちの意見が反映された結果だった。 金子教授は「米国産牛肉問題の検討は、国内のBSE問題と違い、(脳などの)特定危険部位を完全に取り除けばどうか、などの仮定に基づく議論になったが、それまで国民に、こうした手法で議論するとの説明はしてこなかった。結果として(説明と審議方法が)食い違ってしまい申し訳ない」などと説明する。 委員会事務局は、各委員には再任を打診したとしているが、同じく辞任した甲斐知恵子・東大医科学研究所教授は「正式に再任依頼の連絡はなかった」としたうえで「慎重論を言う人がすべていなくなって残念」と話す。 品川前センター長は昨年春から「調査会の審議の進め方は納得できない」として、調査会に欠席を続けていた。【高木昭午】(毎日新聞) - 4月4日19時13分更新
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自分が博士課程時代に同じラボの助教授だった甲斐先生や、自分の博士号の審査員だった吉川先生の名前が入っていて、なんとなく懐かしくさを覚える記事ですが、そんなことはさておき!食品安全委員会がいかに骨抜きだったか(もっとダメになりそうですが)を暗示する内容にちょっと愕然としました。
個人的には、骨肉粉を牛のエサにまぜるのをアメリカがやめない限り、狂牛病の危険性は否定しきれないと思っています。というか、いまだにアメリカが骨肉粉を使っていること自体がちょっと信じられない。噂によると、骨肉粉業界の政治力が強くて、禁止できないらしいですが、本末転倒です。アメリカ丸出しです。これは全頭検査以前の問題だと思います。安全よりお金ですかねえ・・・。
ちなみに、自分は研究の傍ら、大学院の感染症の授業も受け持っているのですが、プリオンについての授業の後で、院生のジェフ君が来て以下のような興味深い会話が交わされました。
「先生も知っているように、僕はカンサスの牧場出身なんだけど、牛が立てなくなったりふらふら歩くようなときには狂牛病の可能性があるってこと?」(年齢が近いからかいつもタメ口)
「そうとは限らないけど、その危険性はあるんじゃないかなあ」
「そうか。狂牛病はヨーロッパとカナダだけの病気だと思ってた。あのさ、ちょっといいにくいんだけど、うちの牧場では最近しょっちゅうヘタリ牛がでるんだけど、これってやばいかなあ・・・」
「狂牛病の検査とかはしてないの?」
「はあ。何千頭もの中の数匹なので、検査なんてせずに落とします。大体、検査とか治療とかするとコストが上がって肉が売れなくなっちゃうし。」
「あのさ、立てなくなった牛って、まさか市場にでないよね?」
「えーっと、よく分からないけど・・・。立てないからといって特別な処置をしたりしている現場は見てないけど。町にでてんのかなあ。ペットフード用かなあ。」
「・・・・」
これが現実です。というわけで、アメリカ産牛肉が安全だと言いきれる根拠は全くありません。日本の政府、というか安全委員会がアメリカのプレッシャーに負けないように頑張ってくれることを期待しています。(と言っても、自分たちはミネソタにいるので、アメリカ産牛肉を食べるしかないんですけど。)
今日はちょっとまじめなネタでした。すみません。