金・隗よりはじめよ  

金を中心とした金融マーケットの動向を、毎日の市況から、筆者の個人的な相場観をもとに解説していきます。

◎ 市況ニュース 米雇用統計待ちで様子見姿勢が強まる。

2015-01-09 16:56:14 | お金


9日の東京市場は、日経平均株価が前日比30円63銭高の1万7197円73銭と小幅続伸して終了。

前日のNYダウの大幅高や原油相場の下落一服を受けて、主力株を中心に買いが広がり、大幅続伸して始まった。

ただ、東京市場開始後、為替がじりじりと円高に傾いた事で、買い一巡後は利益確定の売りに押される展開となった。

午後に入ってからは、東京市場が3連休を控えている事もあって売りが強まり、一時マイナス圏に沈む場面もあったが、下値では押し目買いに下げ渋り、小幅ながらプラス圏を回復したまま終了となった。

アジア株式市場は、中国など一部市場を除き概ね堅調に推移。

中国株は続落。

上海総合指数は、前日比0.24%安で終了。

続落して取引を開始した後値を戻し、追加緩和観測を背景に午後には一時3%超の上昇となり、一時09年8月以来の高値を付けていたが、引けにかけて利食い売りが膨らみ急落し、マイナス圏で終了となった。

本日午前中に発表された14年12月消費者物価指数は、前年比1.5%上昇。

上昇率は前月から0.1%上昇し、市場予想通りの内容となったが、5年ぶりの低水準に止まった。

ドル円は軟調。

前日の海外市場では、アジア時間帯で堅調に推移した流れや、NYダウの大幅上昇を受けて、119円台半ばから後半でしっかりとした動きになっていた。

東京市場も119円台後半で小確りと始まったが、日経平均が伸び悩んだ事や、今夜の米雇用統計の発表を控えた利益確定やポジション調整の売りに押され、午後にかけてじりじりと水準を切り下げる展開となった。

欧州勢参入後は、様子見ムードが強まり、119円台前半で小動きになっている。

ユーロドルは、前日の欧州時間帯では、ECBによる追加金融緩和観測やギリシャの政局不安を背景に1.18ドル台を割り込み、一時1.1754ドル程度まで下落。

約9年ぶりの安値を付けた。

この日発表された独11月製造業受注指数や、ユーロ圏11月生産者物価指数が低調だったこともユーロ売り要因となった。

ただ、ユーロ売り一巡後は、買い戻しに反発する動きとなったが、上値は重く、買い一巡後は下値でもみ合いとなっていた。

東京市場開始後は、前日9年ぶりの安値を付けた反動で、ユーロの買い戻しに底堅い動きになっている。

ユーロ円は、ドル円の動きにつれ軟調。

東京市場入り後は、日経平均株価の伸び悩みや、上海株の神経質な動きが嫌気され、下値追いの展開になっている。

17:30現在、ドル円は119.30円近辺での出合い。

ユーロは、対円で140.85円近辺、対ドルで1.1805ドル近辺での出合いとなっている。

この後の欧州時間帯では、英11月鉱工業生産指数、製造業生産指数の発表が予定されている。

米国市場では、22:30に12月米雇用統計の発表が予定されている。

市場予想では、失業率は5.7%(前回5.8%)、非農業部門就業者数変化は24.0万人(前回32.1万人)となっている。

前日公表されたFOMC議事録要旨でも、早期利上げに慎重な姿勢が示されており、今回の雇用統計が大幅にサプライズの内容にならなければ、やや市場への影響は限定的になる可能性があると見ている。(了)