金・隗よりはじめよ  

金を中心とした金融マーケットの動向を、毎日の市況から、筆者の個人的な相場観をもとに解説していきます。

◎ NY原油・軟調地合い継続。100ドル割れも視野に!?

2014-07-10 15:05:26 | お金





NY原油の天井感が強まっている。

WTIは、5月末から6月初にかけて一旦調整局面となり、一時101ドル台半ばまで下落していた。

しかし、ウクライナ情勢やイラク情勢の悪化を背景に反発に転じると、6/12には長らく厚い壁と意識されていた、105ドル付近の上値抵抗線を突破すると、6/20には107.73ドルまで駆け上がり、騰勢を強めた。

しかし、イラクの原油供給に今の所支障がない事が伝わり、供給不安が後退した為、一気に反落に転じた。

また、反政府勢力の抗議行動で封鎖されていた、リビアの油田の操業が再開された事も供給懸念を後退させ、下げ足を早める要因となっている。
 
この後のNY原油だが、下落基調はもう暫く続くと予想する。

現在、NY原油は、やや売られ過ぎの状態に近づいており、短期的には内部要因的に反発局面を迎える可能性がある。

しかし、1/9の安値と5/1安値をつないだ、トレンドラインを明確に割り込んでいる事から、短期的には同ラインの位置する103.5ドル付近が、上値抵抗線として意識されそうだ。
 
筆者は、現在のイラク情勢などに極端な変化がなければ、短期的な戻りをこなしながら、一旦100ドルを割り込む可能性が高いと予想している。


ただ、潜在的な地政学リスクに対する警戒感が下支え要因となる他、現在、ガソリンの需要期入りとなっている事や、米景気回復傾向が続いている事が支援材料となり、下値は97ドル程度でサポートされるのではないかと見ている。

短期的には、100ドルを一旦割り込んだ後、90ドル台後半で値固めとなり、その後、反騰の機会を伺う展開を予想する。(了)