マスメディアは圧力によって萎縮しているということを盛んに宣伝する人々がいる。この人々はある種の「ありもしないメカニズム」をあたかも存在することとして定説化させようとしているだけだ。その「ありもしないメカニズム」とは、「反権力には自由がない」、「反権力はいつも虐げられている被害者だ」というもので、その被害者根性は、日本政府にたかる南朝鮮のそれとよく似ている。しかし、そのようなメカニズムは実際には存在せず、存在するものとして宣伝されているだけだ。
萎縮などというものが宣伝に過ぎず、テレビ番組を制作するテレビ局側が、自由な報道を全身で謳歌している実態は、例えばこういうところに現れる。
TBSの「あさチャン」という情報番組で、2012年から2015年までの本屋大賞受賞作を紹介していた中、2013年度だけ意図的に外されていた。言うまでもなく、2013年の大賞受賞作は「海賊と呼ばれた男」。作者は百田尚樹氏である。
当然ながら、百田尚樹氏は権力を持たない一人の作家である。だから、このケースを以って権力とメディアの萎縮を語ることはできないが、少なくとも、テレビ局側が恣意的な編集を施して、「伝えたくないことを伝えない自由」を実践していることは確かだ。この場合、2013年だけを外すのはあまりにも不自然であり、意図があったとしか思えないのだ。ちなみに、海賊と呼ばれた男の発行部数は、上下巻累計で364万部を突破していると言われ、TBSが報じた3作と比べて桁違いに多い。
しかし、メディアの問題点は「報道しない自由」だけではない。中には「報道テロ」と呼ぶに相応しいものもある。今週月曜日の25日、同じくTBSの番組「ひるおび」で、菅官房長官が衆院北海道補選で自民党公認の和田義明氏が初当選したことについて発言している記者会見の映像を流した際、北朝鮮国営放送の「南朝鮮のかいらいらとアメリカの後頭部をいつでも攻撃できる刀を刺せるようになった」というテロップを流した。
このテロップが果たして故意に挿入されたものだったか、或いは過失によるものなのかは、メディア当事者のみが知る。しかし、この事件の主役がTBSであるが故に、「故意ではないのか」と思う人が少なくないのには理由がある。TBSには数多の前科があるのだ。似通ったものが、石原都知事の失脚を狙った捏造テロップ事件だ。Wkipediaから引用しよう。
2003年10月28日、石原は「救う会東京」の集会で基調講演を行った際、「私は日韓併合を100%正当化するつもりはない。彼らの感情からすれば、そりゃやっぱり忌々しいし、屈辱でもありましょう」と発言した。
この発言をサンデーモーニングは「石原都知事の問題発言」として放送し、石原発言の音声編集の際に「私は日韓併合を100%正当化するつもりぁ・・・」と最後の部分を聞き取りづらくし、その上で「私は日韓併合を100%正当化するつもりだ」と全く正反対のテロップを付け、朝鮮総聯からの抗議を伝えた後VTRが終了。司会者の関口宏から話をふられたコメンテーターも、このテロップに沿って石原を批判した。
11月5日、TBSは別の番組で「テロップミス」があったことを認め、謝罪した。
2004年(平成16年)2月9日、石原は「悪質な捏造の意図を感じざるを得ない」とし、名誉毀損で刑事告訴した。同年12月14日、同番組プロデューサー4人が東京地方検察庁に書類送検された(その後、不起訴処分となった)。
本屋大賞の歴代受賞作から百田氏のベストセラー作品を消したのも、菅官房長官の発言に平壌の主張をかぶせたのも、「意図をもって」と解釈されるのには、こういったTBSの「前科」が影響している。そして、その前科をまるで反省していないことは、サンモニの偏向報道や一方的主張の垂れ流しで明らかだ。だからTBSは信用されないのである。
どうしてこうもすぐバレるような浅はかな恣意的報道を繰り返すのか。理由は、TBSは「まだ視聴者は騙せる」と思っているからだろう。「ネットで批判する奴は全体から見ればごく一部。その他大勢の愚民はいまだに放送局が流す情報を鵜呑みにする」という昔ながらのロジックから、TBS自身が脱皮できていないのだと思われる。
“自らのルール”による自由な報道を謳歌するTBSは、萎縮知らずのメディアの恰好の見本である。
「私的憂国の書」より
萎縮などというものが宣伝に過ぎず、テレビ番組を制作するテレビ局側が、自由な報道を全身で謳歌している実態は、例えばこういうところに現れる。
TBSの「あさチャン」という情報番組で、2012年から2015年までの本屋大賞受賞作を紹介していた中、2013年度だけ意図的に外されていた。言うまでもなく、2013年の大賞受賞作は「海賊と呼ばれた男」。作者は百田尚樹氏である。
当然ながら、百田尚樹氏は権力を持たない一人の作家である。だから、このケースを以って権力とメディアの萎縮を語ることはできないが、少なくとも、テレビ局側が恣意的な編集を施して、「伝えたくないことを伝えない自由」を実践していることは確かだ。この場合、2013年だけを外すのはあまりにも不自然であり、意図があったとしか思えないのだ。ちなみに、海賊と呼ばれた男の発行部数は、上下巻累計で364万部を突破していると言われ、TBSが報じた3作と比べて桁違いに多い。
しかし、メディアの問題点は「報道しない自由」だけではない。中には「報道テロ」と呼ぶに相応しいものもある。今週月曜日の25日、同じくTBSの番組「ひるおび」で、菅官房長官が衆院北海道補選で自民党公認の和田義明氏が初当選したことについて発言している記者会見の映像を流した際、北朝鮮国営放送の「南朝鮮のかいらいらとアメリカの後頭部をいつでも攻撃できる刀を刺せるようになった」というテロップを流した。
このテロップが果たして故意に挿入されたものだったか、或いは過失によるものなのかは、メディア当事者のみが知る。しかし、この事件の主役がTBSであるが故に、「故意ではないのか」と思う人が少なくないのには理由がある。TBSには数多の前科があるのだ。似通ったものが、石原都知事の失脚を狙った捏造テロップ事件だ。Wkipediaから引用しよう。
2003年10月28日、石原は「救う会東京」の集会で基調講演を行った際、「私は日韓併合を100%正当化するつもりはない。彼らの感情からすれば、そりゃやっぱり忌々しいし、屈辱でもありましょう」と発言した。
この発言をサンデーモーニングは「石原都知事の問題発言」として放送し、石原発言の音声編集の際に「私は日韓併合を100%正当化するつもりぁ・・・」と最後の部分を聞き取りづらくし、その上で「私は日韓併合を100%正当化するつもりだ」と全く正反対のテロップを付け、朝鮮総聯からの抗議を伝えた後VTRが終了。司会者の関口宏から話をふられたコメンテーターも、このテロップに沿って石原を批判した。
11月5日、TBSは別の番組で「テロップミス」があったことを認め、謝罪した。
2004年(平成16年)2月9日、石原は「悪質な捏造の意図を感じざるを得ない」とし、名誉毀損で刑事告訴した。同年12月14日、同番組プロデューサー4人が東京地方検察庁に書類送検された(その後、不起訴処分となった)。
本屋大賞の歴代受賞作から百田氏のベストセラー作品を消したのも、菅官房長官の発言に平壌の主張をかぶせたのも、「意図をもって」と解釈されるのには、こういったTBSの「前科」が影響している。そして、その前科をまるで反省していないことは、サンモニの偏向報道や一方的主張の垂れ流しで明らかだ。だからTBSは信用されないのである。
どうしてこうもすぐバレるような浅はかな恣意的報道を繰り返すのか。理由は、TBSは「まだ視聴者は騙せる」と思っているからだろう。「ネットで批判する奴は全体から見ればごく一部。その他大勢の愚民はいまだに放送局が流す情報を鵜呑みにする」という昔ながらのロジックから、TBS自身が脱皮できていないのだと思われる。
“自らのルール”による自由な報道を謳歌するTBSは、萎縮知らずのメディアの恰好の見本である。
「私的憂国の書」より