この本、改めて読み返してみても、やっぱりスゴイです!!!!
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『一年一組せんせいあのね』 鹿島和夫・灰谷健次郎 フォア文庫
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私が小学生の頃、学級文庫にあって、友達と爆笑しながら何度も繰り返し読んでいた思い出があります。
この間、たまたま訪れた酒田中央図書館で偶然見つけたこの本を、借りて読んでみたら、やっぱり面白い。
一年生の文章ってわかっていても、本気で笑えるし、本気で泣ける。
この本の詩は全て、神戸市立志里池小学校一年生鹿島学級の日記ノート《あのね帳》から生まれたもの。
この本の詩を書いた子供たちは、昭和53年~54年入学の一年生です。
あまりにすごい作品ばかりなので、紹介せずにいられません。
「けっこん」 さこだ しげあき
ぼくはけっこんしたら
2かいめをしません
したらまた
ダイアモンドを
あげないといけないから
ぼくは1かいめのおよめさんを
だいじにします
「男と女」 おかの まり
せんせい
男と女とけっこんしたとき
あいしあっとうけど
1しゅうかん2しゅうかん
たっていったら
なかがわるくなるな
どうしてやろ
にんげんがぼろになってくるからかな
「ぼくだけ ほっとかれたんや」 あおやま たかし
がっこうからうちへかえったら
だれもおらへんねん
あたらしいおとうちゃんも
ぼくのおかあちゃんもにいちゃんも
それにあかちゃんも
みんなでていってしもうたんや
あかちゃんのおしめやら
おかあちゃんのふくやら
うちのにもつがなんにもあらへん
ぼくだけほってひっこししてしもうたんや
ぼくだけほっとかれたんや
ばんにおばあちゃんがかえってきた
おじいちゃんもかえってきた
おかあちゃんが
「たかしだけおいとく」
とおばあちゃんにいうてでていったんやって
おかあちゃんがふくしからでたおかね
みんなもっていってしもうた
そやからぼくのきゅうしょくのおかね
はらわれんゆうて
おばあちゃんないとった
おじいちゃんもおこっとった
あたらしいおとうちゃん
ぼくきらいやねん
いっこもかわいがってくれへん
おにいちゃんだけケンタッキーへ
つれていって
フライドチキンたべさせるねん
ぼく つれていってくれへん
ぼく あかちゃんようあそんだったんやで
だっこもしたった
おんぶもしたったや
ぼくのかおみたら
じっきにわらうねんで
よみせでこうたカウンタックのおもちゃ
みせたらくれいうねん
てにもたしたらくちにいれるねん
あかんいうてとりあげたら
わあーんいうてなくねんで
きのうな
ひるごはんのひゃくえんもうたやつもって
こうべデパートへあるいていったんや
パンかわんと
こうてつジーグのもけいこうてん
おなかすいたけどな
こんどあかちゃんかえってきたら
おもちゃもたしたんねん
てにもってあるかしたろかおもとんねん
はよかえってけえへんかな
かえってきたらええのにな
「やきもち」 さこだ しげあき
やきもちいうたら
おとことおんなが
あいしあうことや
「おとうさん」 よしはら きよみ
おとうさんがさんぱつをしてきたから
おかあさんが
「おとこまえになって」といったら
おとうさんはかがみをみていました
わたしは
「かおとちがうで あたまやで」
と いいました
「じしん」 すみたに なみ
さんかんびのひ
がっこうからかえったら
おかあさんに
「こたえがわかったときは じしんをもって
しっかりてをあげなさい」
といわれました
これからは
じしんをもってこたえようとおもいました
せんせい じしんてなんですか
「やすいけしょうひん」 よしむら せいてつ
おかあさんが
「きょうやすいけしょうひんこうてきてん」
ゆうたらおとうさんが
「なんぼええけしょうひんつこうても
むだやゆうことがやっとわかってんな」
とわらいながらゆうた
やすいけしょうひんは
おとうさんのへやーとにっくやった
「かい」 よしむら せいてつ
耳にかいをあてるとうみの音がきこえた
かいにはうみがはいっとんかな
うみにずっとすんどったから
うみの音がしみこんでいる
うみはかいにいのちをあげたんかな
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『一年一組せんせいあのね』 鹿島和夫・灰谷健次郎 フォア文庫
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私が小学生の頃、学級文庫にあって、友達と爆笑しながら何度も繰り返し読んでいた思い出があります。
この間、たまたま訪れた酒田中央図書館で偶然見つけたこの本を、借りて読んでみたら、やっぱり面白い。
一年生の文章ってわかっていても、本気で笑えるし、本気で泣ける。
この本の詩は全て、神戸市立志里池小学校一年生鹿島学級の日記ノート《あのね帳》から生まれたもの。
この本の詩を書いた子供たちは、昭和53年~54年入学の一年生です。
あまりにすごい作品ばかりなので、紹介せずにいられません。
「けっこん」 さこだ しげあき
ぼくはけっこんしたら
2かいめをしません
したらまた
ダイアモンドを
あげないといけないから
ぼくは1かいめのおよめさんを
だいじにします
「男と女」 おかの まり
せんせい
男と女とけっこんしたとき
あいしあっとうけど
1しゅうかん2しゅうかん
たっていったら
なかがわるくなるな
どうしてやろ
にんげんがぼろになってくるからかな
「ぼくだけ ほっとかれたんや」 あおやま たかし
がっこうからうちへかえったら
だれもおらへんねん
あたらしいおとうちゃんも
ぼくのおかあちゃんもにいちゃんも
それにあかちゃんも
みんなでていってしもうたんや
あかちゃんのおしめやら
おかあちゃんのふくやら
うちのにもつがなんにもあらへん
ぼくだけほってひっこししてしもうたんや
ぼくだけほっとかれたんや
ばんにおばあちゃんがかえってきた
おじいちゃんもかえってきた
おかあちゃんが
「たかしだけおいとく」
とおばあちゃんにいうてでていったんやって
おかあちゃんがふくしからでたおかね
みんなもっていってしもうた
そやからぼくのきゅうしょくのおかね
はらわれんゆうて
おばあちゃんないとった
おじいちゃんもおこっとった
あたらしいおとうちゃん
ぼくきらいやねん
いっこもかわいがってくれへん
おにいちゃんだけケンタッキーへ
つれていって
フライドチキンたべさせるねん
ぼく つれていってくれへん
ぼく あかちゃんようあそんだったんやで
だっこもしたった
おんぶもしたったや
ぼくのかおみたら
じっきにわらうねんで
よみせでこうたカウンタックのおもちゃ
みせたらくれいうねん
てにもたしたらくちにいれるねん
あかんいうてとりあげたら
わあーんいうてなくねんで
きのうな
ひるごはんのひゃくえんもうたやつもって
こうべデパートへあるいていったんや
パンかわんと
こうてつジーグのもけいこうてん
おなかすいたけどな
こんどあかちゃんかえってきたら
おもちゃもたしたんねん
てにもってあるかしたろかおもとんねん
はよかえってけえへんかな
かえってきたらええのにな
「やきもち」 さこだ しげあき
やきもちいうたら
おとことおんなが
あいしあうことや
「おとうさん」 よしはら きよみ
おとうさんがさんぱつをしてきたから
おかあさんが
「おとこまえになって」といったら
おとうさんはかがみをみていました
わたしは
「かおとちがうで あたまやで」
と いいました
「じしん」 すみたに なみ
さんかんびのひ
がっこうからかえったら
おかあさんに
「こたえがわかったときは じしんをもって
しっかりてをあげなさい」
といわれました
これからは
じしんをもってこたえようとおもいました
せんせい じしんてなんですか
「やすいけしょうひん」 よしむら せいてつ
おかあさんが
「きょうやすいけしょうひんこうてきてん」
ゆうたらおとうさんが
「なんぼええけしょうひんつこうても
むだやゆうことがやっとわかってんな」
とわらいながらゆうた
やすいけしょうひんは
おとうさんのへやーとにっくやった
「かい」 よしむら せいてつ
耳にかいをあてるとうみの音がきこえた
かいにはうみがはいっとんかな
うみにずっとすんどったから
うみの音がしみこんでいる
うみはかいにいのちをあげたんかな