厚生労働省と文部科学省は12日、今春卒業予定の大学生の就職内定率(2月1日現在)が、前年同期比6・3ポイント減の80・0%にとどまり、調査を始めた2000年以降で過去最低となったと発表した。
「就職氷河期」(00年前後)よりも厳しい状況になっているが、求人がないわけではなく、学生に安定志向が強まり、中小企業を敬遠する傾向がみられるという。
調査は全国の国公立と私立の62大学を抽出して実施。男女別では、男子が前年同期比6・4ポイント減の80・1%、女子が同6・3ポイント減の79・9%だった。また国公立大が同3・3ポイント減の86・9%だったのに対し、私立大は同7・5ポイント減の77・6%で苦戦が目立つ。地区別では中部(前年同期比10・7ポイント減)、九州(同8・1ポイント減)などで激しく落ち込んだ。
一方、高校生の就職内定率(1月末現在)は同6・4ポイント減の81・1%。この10年で5番目の低さだが、下げ幅は過去最大となった。
デフレ不況の影響を受けた就職氷河期の00年は81・6%。この結果について、厚労省は「ここまで落ち込むとは予想外だった」としている。
同省などによると、08年秋以降の不況の影響で大手企業が新卒の採用を手控える一方で、学生側に大手志向が強まったためという。求人が少ないわけではなく、中小企業では採用枠が埋まらない企業が続出。学生の安定志向が強まったのは、近年続いた派遣切りやリストラに恐怖を抱いているためとみられる。
就職情報会社「ディスコ」が全国の企業1075社の回答をまとめたところ、2月現在で採用活動を継続中とした会社が17・2%あった。従業員299人以下の中小企業に限ると20・8%に上り、1000人以上の大企業でも13・2%を占めた。
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「就職氷河期」(00年前後)よりも厳しい状況になっているが、求人がないわけではなく、学生に安定志向が強まり、中小企業を敬遠する傾向がみられるという。
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