京急線「YRP野比駅」から海に向かって5分ほど歩くと、
海岸線と並行して走る気持ちの良い道に出ます。
昨日の台風から一転、今日は波も鎮まっていますね。
向こうに千葉の山並みがくっきり見えています。
ここは、映画などのロケにも使われることがあるそうですよ。
右手に海を見ながら歩いていくと
左手の人家の中に石の鳥居がありました。
行ってみましょうか。 振り返ると、海です。
突き当たりのこんもりした森に包まれるように
「白髭神社」
ご祭神は猿田彦命ほか。 猿田彦命は天孫降臨の際に
天津日高日子番能邇邇藝命(あまつひだかひこほのににぎのみこと)を
先導された方であるところから、道案内・道中安全の神様だそうです。
創建年代は不詳。 古くから浦賀に入る船がこの先の海でしばしば
遭難したので、海上安全を願って土地の人達が近江・白髭神社を勧請し
山頂に祀ったのを、江戸時代に現在の場所に移したと伝えられます。
風格のある狛犬さんは「安政丙辰年」の銘があります。
立派な石鉢(手水鉢?)には天保十四年と。
社殿背後の緑豊かな社叢林は、強い海風に晒されるために
10m前後という比較的低いものですが、学術面で、また
貴重な郷土の森として県の天然記念物に指定されています。
境内からも海が見えます。
錆びた錨が安置されています。
なんでも戦前、アワビ漁に出た潜水夫が暗礁で見つけたのだとか。
難破船の錨だったのでしょうか。 航行の難所だった証か・・
境内に稲荷神社が祀られてありました。
おや、お稲荷さんに狐ではなく狛犬さんが・・?
珍しいですよね~! 狭くてちょっと窮屈そうですが・・
樹齢どのくらいでしょうか、注連縄のついた公孫樹の大木が3本。
沖の船からの良い目印になっていたのでしょう。
30分ほどの間に、私のほかにも地元の方でしょうか 3組も
参拝に見えました。地域にしっかり根ざした鎮守様のようです。
狛犬さんたちの姿や、境内の木々などからも歴史が感じられるようです。
地元の漁師さんなどは年に何度もお参りしてこられたのでしょうから、みなさん健脚なんでしょうね。
きっと夜猫子さんにもご利益がありますよ。
営みに深く根ざしている・・そう思うと何だか親しみを感じてしまいます。
信仰心とはちょっと違うのですけど、寺社があると立ち寄ってみるようになりました。
夜猫子さんのように親しみを感じるのではなく、最近仏像や石仏などが持ち去られることが多いとか…ひどいですね。
植物のほうでも同じようなことがあるようで、この間緑地のそばを歩いていたら、「ニリンソウを持ち帰った人、毒がありますよ」というようなことを書いた札を見かけました。
‘天知る 地知る’なんて言葉は通じない人たちなんでしょうかねぇ・・
花でも、農作物でも、ガソリンでも、欲しいものは何でも持っていって
しまうなんて、いつからこんな国になったのでしょう?