しろみけちびまいにち

生活全般について呟きます。最近は、双極性障害二型について書いていることが多いです。

昭和史発掘・1

2014-07-07 20:55:31 | 本と雑誌

松本清張「昭和史発掘・1」やーっと読み終わった。
清張先生大好きなんで楽勝つるつるよめるはず、と思たのが間違い。
これは彼の小説じゃないんだった。
大正4年ぐらいから昭和2年にかけての昭和の歴史を解説、といっても池上彰さんみたいに親切ではなく、書いたご本人も故人なくらいだから、たぶんその当時は「当然知ってるよね~」みたいなことでも今読むと「?」ってこともしばしば。(私が無知なだけかな)

いやでも中身の濃ーい、読み応えのある一冊でした。
積読本全部読み切るキャンペーン中のワタクシ、この発掘シリーズはあと何冊あるんだっけ・・?(苦笑)いや、でも面白いんです。難しいだけで。

なにしろ最初のお題が「陸軍機密費問題」。なんだかすごく最近きいたような気が・・・・内容も殆ど例の機密費問題に近くて、歴史は繰り返すっていうか、繰り返すなよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
と憤ってしまう内容です。

あと、同和問題の松本治一郎が出てくる。まさかその息子(孫だっけ)が震災後の福島であんな非常識なことを言う大臣になるとは、さすがの清張さんも思わなかったろうなあ。


それから前後するけど、芥川龍之介の自殺についても一章を設けています(昭和2年自殺)
苦労に苦労を重ねた清張さんからは、子供のころから秀才でとおり、若い頃から文壇の星であった彼の脆弱さに容赦なく突っ込みながらも、養父、叔母、妻子を養わなければならなかった芥川の懊悩、それを書けばいいのに書けない苦悩を解説しておられました。
それにしても、いかにも推理作家という感じの恐ろしい一言。
「養父道章は、芥川の第一回河童忌(略)の翌朝、庭を掃除しているうちに気分がわるくなり、床についた二日後に死んだ。こんなことを書くのはどうかと思われるが、もし(略)養父の死が一年早かったなら、芥川の自殺は無かったかもしれないと思われる。孝養を尽くした芥川ではあるが、養父の死によって、彼の上にのしかかっていた重苦しいものが除れ、頭上の一角に窓が開いたような「自由な」空気が吸えたのではないか。(後略)」

怖い仮説ですねえ。こう書きながら次の物語の構想が浮かんでいる(かもしれない)清張先生が見えるようです(いえ、みえませんけど)。


芥川については、「ぼんやりした不安」という自殺の原因が、だいぶ有名ですが、この一章を読んで私はなるほどねー、そうかもねー、と腹にストンとおちたのは事実です。
まあ、勿論、真実は本人しか知らないことではありますが。


ところで無知な私も、今日その夥しい量の芥川を語っている本の、夥しい量のことを、「汗牛充棟もただならぬ」と言うってことを覚えました。(知らなかったのはワタシだけかな?ははは!)
蔵書が極めて多いことの形容だそうです。(本が非常に多くて、牛車に積んで運ぶと牛も汗をかき、家の中に積み上げれば棟木にまで届いてしまうところから)
・・・誰かの家を思い出すな・・・

さて、次は何を読もうかな~。
次も「昭和史発掘2」はちょっとつらいから別の本にしよう(^_^;)


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