民事裁判の記録(国賠)・自衛隊車とバイクの交通事故の民事裁判

1・訟務検事の証拠資料のねつ造など不法な弁論。
2・玖珠署の違法な交通犯罪の捜査,虚偽の実況見分調書の作成

22:原告・準備書面(6)・p7-p11

2006-06-01 04:32:23 |  第3訴訟 第1審 被告国(訟務検事)
  ーしたのだなといった。急ブレーキによるタイヤ痕の写真(甲67⑦)でいう
  と,白い線で囲まれた部分で60センチオーバーしているというふうに言って
  いた。」と証言している。
 2 浅香らは,別件訴訟準備書面(1)(甲21の5~6頁)で,「自衛隊車と原告
  車の衝突場所は,自衛隊車の走行車線において,センターラインから約40セ
  ンチメートルの位置に約40センチメートルの急ブレーキによるタイヤ痕が認
  められたことから,自衛隊車走行車線内であると認められる。急ブレーキによ
  るタイヤ痕の写真(甲67⑦)は本件事故発生直後に撮影された。原告車の右
  前ブレーキが本件トレーラ(炊事車)の右タイヤフェンダーに接触したため,
  原告車の前輪に急ブレーキがかかり,スリップし,タイヤ痕が残ったものと考
  えられる。」と主張した。
 3 堀部警部補は,実況見分調書(甲42の19頁)6事故の模様(1)現場の痕跡
  等に,「自衛隊車の進路上中央線付近に,新しいタイヤ痕1条,a,同タイヤ痕
  の反対側車線上つまり原告車の進路上,新しい擦過痕2条,c・d,が印象さ
  れていた。別添交通事故見取図第3図(甲42の23頁・甲38)写真⑫~⑯
  (甲32⑫~⑯)」と記載している。
   堀部警部補は,「原告車の右前ブレーキレバーが曲がり,炊事車の右タイヤ
  フェンダーには,ブレーキレバーと同じくらいの高さの部分に接触痕が認められ
  たこと,自衛隊車の進路上中央線から約43センチメートル入った所に約35
  センチメートルの真新しいタイヤ痕が印象されていたこと,同地点から原告車
  の進路上に向けて擦過痕が印象されていたこと,自衛隊車の進路上には,上記
  のタイヤ痕以外には痕跡がなかったこと」が判明したという。
 4 原告作成の事故現場見取図(甲40・本図では,甲6を甲23,甲7を甲3
  8と読み替える。)で検証すると,甲23及び甲38の衝突位置Ⓧは中央線に平
  行に約4.6m前後に位置する。
 5 甲23及び甲38の衝突位置は共にタイヤ痕の位置を基準に決定されている
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  から,甲38のタイヤ痕の南方約4.6mに甲23のタイヤ痕が存在すること
  になる。
 6 別件訴訟で国(自衛隊)は,本件事故発生直後に撮影されたとして,40cm
  の長さの「急ブレーキによるタイヤ痕」の写真(甲67⑦)を提出した。自衛
  隊犯罪捜査服務規則第118条は,「警務官等は,現場において撮影をするとき
  は,物の長短,大小などを明らかにするため,巻尺,方眼紙などを添え,でき
  る限り紙片に年月日,場所を記載し,これに立会人又は第三者の署名を求め,
  これとともに撮影するようにしなければならない。」と定められているが全く守
  られてない。同写真(甲67⑦)は,測定基準が写されていないので位置が特
  定できず,道路面だけでしか写されていないので付近の草木の状況もわからず
  撮影の時期も推定できない。そもそも,真新しく残っていたと国が主張してい
  る,40cmの急ブレーキによるタイヤ痕も写っていないのである。
 7 堀部警部補は,自衛隊車の進路上中央線から約43センチメートル入った所
  に約35センチメートルの真新しいタイヤ痕が印象されていたとして実況見分
  時撮影した写真(甲32⑬)を実況見分調書に添付した。この写真も上記自
  衛隊写真(甲67⑦)と同様の代物でタイヤ痕も写っていない。交通事故処理
  車で出動した交通課係長の警部補が撮影した写真とは到底思えない。テレビド
  ラマに出てくる新人の警察官でも,現場写真を撮影する時には,巻尺,方眼紙
  等がなくても,紙幣の一枚,タバコの一箱など添えて撮影する。
 8 擦過痕については,別件訴訟で国はその存在を主張していない。堀部警部補
  は実況見分調書添付の写真(甲32)で,写真⑫⑮⑯は擦過痕を撮影したもの
  と説明しているが,擦過痕は写っておらず,写っていたとしてもその位置は特
  定できない。
 9 タイヤ痕(スリップ痕,制動痕,タイヤマーク)は,さまざまなタイヤのす
  べり現象によって生じ,印象するスリップ痕の模様もそれぞれ異なる。「新しい
  タイヤ痕」の写真には,タイヤ痕の,模様,長さ,方向,幅,濃淡などが写さ
  れていなければならない。
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 10 タイヤ痕が印象された原因について,(1) 前輪の制動痕説,(2) 衝突時の
  衝撃による前輪の押し戻し痕説,(3) 後輪の制動痕説が主張された。小野寺及
  び堀部警部補は(1)説である。
  (1) 前輪の制動痕説
    小野寺は,別件訴訟で,写真(甲67⑦)に写されているタイヤ痕につい
   て,バイクの前輪ブレーキレバーとトレーラの右側タイヤ枠が衝突したため,
   急ブレーキがかかり印されたと現場検証した警察官は考えたのだと思うと供
   述している。証言調書速記録(甲22の10頁)。(擦過痕についてのその存
   在の言及すら無い。)
    片岡の別件訴訟での陳述書(甲25)に,「(本件事故後)バイクを移動し
   ようとしましたが,ブレーキが壊れていてブレーキがかかったままの状態で,
   前に進ませることができませんでした。」との記載がある。原告車の前輪ブレ
   ーキは油圧式のディスクブレーキで右のレバーで操作するが,レバーが壊れ
   ても,構造的にブレーキがかかったままの状態にはならない。(甲69)
  (2) 衝突時の衝撃による前輪の押し戻し痕説
   間ノ瀬巡査部長は,「対向車と衝突した時,衝突した衝撃で,押し戻されタイ
   ヤが道路に印をつける。急ブレーキもかけていないのにタイヤ痕があるのは
   衝突の衝撃で押し戻されて印されたからである。だから私はタイヤ痕という,
   ブレーキ痕とはいわない。」と述べた。(甲5の24頁)
  (3) 後輪の制動痕説
    原告は,上記(1),(2)では長さ40センチメートルの制動痕は印象されない
   と主張する。衝突時,原告の右足(傷の部分)がバイクのギヤケース(クラ
   ンクケース)に激しく衝突し,写真に写されているケース表面の擦過痕を残
   した(甲69⑬⑭)。このとき原告の右足には足の傷の部分を支点にする力が
   生じ,ステップバーを押し曲げ,後輪ブレーキが破損するまで強くかかった
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   と推断される(甲69⑤⑥)。ステップバー及び後輪ブレーキペタルに道路面
   と接触した傷はない。接触したとされる右レバー先の損傷も擦過程度で(甲
   69③),右手指の負傷が軽微であることなどから,前輪ブレーキはかかって
   おらず,ブレーキ痕が存在したら後輪ブレーキによるものであると主張する。
第5 本件事故による自衛隊車の制動痕
 1 小野寺は,実況見分調書によると,自衛隊車(炊事車を牽引している大型ト
  ラック)を運転し,時速40キロメートルで,本件道路のヘヤピンカーブに進
  入し,対向車線に原告車を30.1mの位置(㋐~①)で初認した直後,19.
  3mに接近したところ(㋑~②)で相手がセンターラインを割るかもしれない
  として,瞬間的に急ブレーキをかけ,20.2mの距離(㋑~㋓)で停止した
  のである。小野寺が危険を感じ・ブレーキをかけた地点は㋑,衝突した時の自
  衛隊車は㋒,自衛隊車が停止した地点は㋓である。㋑~㋒の距離は10.9メ
  ートル,㋒~㋓の距離は9.3メートルである(甲42の23頁・甲38)。
 2 小野寺は,別件訴訟で,「危険を感じるまでアクセルを踏んでいたことになり
  ますね。(はい。)危険を感じた後,ブレーキペダルに足を乗せただけでブレー
  キは踏まなかった,さっきの話でね。(はい。)危険を感じてから実際にブレー
  キを踏んでブレーキが効き始めるまで何秒ぐらいかかりましたか。(先ほど言
  いましたように,アクセルから足を離しブレーキペダルに足を乗せた瞬間には
  横を通り過ぎておりましたので,ブレーキを踏む時間はありません。衝突音が
  してからブレーキを踏みましたので。)」と証言している。(甲22の21頁)
 3 小野寺は,衝突音がしてから(衝突してから),ブレーキを踏み込み,㋒~㋓
  の距離9.3メートルで停止した。制動距離は9.3メートルである。
 4 アスファルト道路における制動距離と制動時間は,交通事故損害賠償必携(新
  日本法規)の資料5-40(甲第83号証)に記載されている。時速40キロ
  メートルの場合,実制動距離は8.82メートルで,ブレーキを踏み込んでブ
  レーキが効き始めるまでの時間を0.1秒とすると空走距離は1.11メート
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  ルであるから,制動距離は9.93メートルである。
 5 一般に,時速40キロで急ブレーキをかけた時の停止距離は22メートルに
  なるといわれている(甲第84号証)。小野寺が,㋑の地点で危険を感じて急ブ
  レーキが必要と判断した時点から自衛隊車が停止した地点を㋓までの距離は,
  20.2mである。(甲42の23頁)。
 6 以上から,小野寺が急ブレーキをかけたことは疑いがない。急ブレーキをか
  けると制動痕が印象される。浅香らは写真に写ってもいない原告車のタイヤ痕
  の存在を主張しながら,自衛隊車の制動痕の存在を一切認めない。自衛隊車の
  印象した制動痕が存在しなかったという浅香らの主張は事実及び経験則に反し
  信用できない。
 7 スリップ痕(制動痕)は衝突前,衝突後の自動車の運動を示す記録であるか
  ら,事故再現にとって数少ない物的証拠のひとつである。とくに衝突における
  最初の接触点を見出す場合には,スリップ痕が唯一の決め手となることが多い。
 8 浅香らは,重要な証拠を隠滅している。
第6 終わりに
 1 被告が本件の事実関係を明らかにし,原告の主張に対して認否・具体的な反
  論を行ない,必要な書証の写しを添付し,甲24号証で提出されている事故現
  場写真及び甲27号証で提出されている事故状況再現写真については新たに現
  像して書証として提出することを求める。
 2 被告が準備書面を,原告が応答するための準備をなすに必要な期間を置いて,
  原告に直送することを求める。
 3 被告が否認した事実については,被告の具体的主張・証拠の提出を待って反
  論・主張をおこなう。
          附 属 書 類
 証拠説明書(7)平成18年5月31日 (甲第80~84号証) 各1通
                                  以上