医者の妄言

臨床医の戯れ言です。興味があればコメントよろしく。

小児科勤務医は不足しているか?

2006-09-27 15:25:43 | 医療
小児科、産科はどちらも医師不足が喧伝されている診療科ですが、私は問題の所在が基本的に異なるのではないかと思っています。

産科においては産科医療の需要、供給のバランスが明らかに崩れている。これはその通りだと思います。これに対しては産科勤務医の労働条件を改善することが唯一の解決策だろうと思います。

一方小児科はどうか。少なくとも勤務医として私が見てきた印象では、「入院小児科医療」については充足している。病棟が小児科の患者であふれている病院というのを私は知りません(私の単なる認識不足ということであれば小児科の先生御指摘をお願いいたします)。小児の数は減少している、入院を必要とするような傷病の発生頻度はそれほど変わらないことから、入院患児の数が減るのは当然のことでしょう。

したがって現在の小児科医療問題の本質は「夜間、休日における外来小児科診療」問題に過ぎないのではないかということです。これは純粋な需給の問題ではなく、システムの問題ではないかと思うのです。

夜間、休日受診の大部分を占める外来レベルで対応可能な患児を診る一次救急診療所を設置し、そこで勤務医、開業医あわせて月1回程度の日当直で体制が組めるような地域レベルのシステムの構築は不可能なのでしょうか。これが円滑に運用されれば小児科の問題はほぼ解決するのではないかと私は思うのですが、如何でしょうか。