評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」
山崎元が原稿やTVでは伝えきれないホンネをタイムリーに書く、「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶ穴のようなストレス解消ブログ。
中小年金基金、連合会で共同運用との厚労省方針に違和感
中小の厚生年金基金の資産運用を企業年金連合会で「共同運用」できるようにするとの厚労省の方針(5月12日土曜日の日経1面の記事)には、馬鹿馬鹿しさに目が回りそうになります。
厚生年金基金という不細工な制度を作り、運用体制が整っていないことなど、昔から分かっていたのに、基金の財政がここまで悪化するところまで運用を続けさせてきた、即ち厚生年金基金問題(=企業年金行政の失敗)の主犯と言うべき厚労省と共犯者の連合会が今更何を言うのか、というのが率直な感想ですが、たぶん、彼らなりの善意のアイデアなのでしょう。
間接的にですが、これまでのやり方の拙さを認めることになるのですから、まあ、よく考えたと褒めるべきなのかも知れません。
しかし、たとえば代行割れになっているような厚生年金基金に対して必要なのは、先ずリスクを取った運用を中止させることであり、次いで、基金の修復・再建(現実的な予定利率で)ないし、解散を指導すべきでしょう。
借金にまみれた貧乏ギャンブラーに対する本当の親切は、「博打の負けは博打で取り返すなんて頑張らずに、荷物をまとめてお家に帰りなさい」と声を掛けることであって、「私が代打ちしてあげるから、もうしばらく残りなさい」と彼を引きとめることではないはずです。
厚生年金基金という不細工な制度を作り、運用体制が整っていないことなど、昔から分かっていたのに、基金の財政がここまで悪化するところまで運用を続けさせてきた、即ち厚生年金基金問題(=企業年金行政の失敗)の主犯と言うべき厚労省と共犯者の連合会が今更何を言うのか、というのが率直な感想ですが、たぶん、彼らなりの善意のアイデアなのでしょう。
間接的にですが、これまでのやり方の拙さを認めることになるのですから、まあ、よく考えたと褒めるべきなのかも知れません。
しかし、たとえば代行割れになっているような厚生年金基金に対して必要なのは、先ずリスクを取った運用を中止させることであり、次いで、基金の修復・再建(現実的な予定利率で)ないし、解散を指導すべきでしょう。
借金にまみれた貧乏ギャンブラーに対する本当の親切は、「博打の負けは博打で取り返すなんて頑張らずに、荷物をまとめてお家に帰りなさい」と声を掛けることであって、「私が代打ちしてあげるから、もうしばらく残りなさい」と彼を引きとめることではないはずです。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
« テレビの取材... | 東電とNHKの兼... » |
いゃー、たまたまBS171にチャンネル変えたところ店主様の
お姿有り。PM7:00から8:00まででした。
年金問題でのお話でしたが、最初のお話で増税なし無し賛成
のご意見有り。となりの方は、某経済誌の方でしたが増税
賛成派のお方でしたか。(笑)
ということで、作業員様、別項にアップしましたがお許し
下さいませませですよ。(笑)
いつもアルゼンチンより山崎様の担当されている
タイヤモンドオンラインのマルチスコープを拝読
させていただいております。
消費税を今、上げることに反対、正に同感であります。私はアルゼンチンに4年になりますので、そろそろ日本へ帰る準備をしております。日本の政治、税、環境、雇用とあらゆる点で気になることばかりの中、
山崎様が執筆される税やお金に関すること、また
国債、日本の公的債務等々、個人から国家まで幅広いところの説明はいつも分かりやすく、必ず拝読させていただいております。
アルゼンチン在住者として、今、インフレが大変
であります。中国に次ぎ昨年は成長率は二番目と
好景気を謳歌したアルゼンチンですが、ガソリンは同じ距離を走るのに、一年前と比べれば、7倍の上昇、肉についても3倍ほど、家賃にいたっては、一部屋と台所をつけたぐらいのところが、アルゼンチンの平均月給の8割に相当する状態にまでなりました。そこかしこで家賃が払えないなどの声をしょっちゅう聞きます。大豆の輸出のみで国家を賄っている国ですが、3月ごろは北部で大干ばつとなり、影響も出始め、
繁栄を謳歌(あまり実感はなく、ただただモノ、サービスの値段が上がったことだけです。他所では給料は上がっていることは聞きますが)したツケが回ってくるころに差し掛かっていると思います。機会がありましたらぜひ、日本、中国、アルゼンチンの経済なども含めて解説をしていただけるとうれしく思います(マイナーなアルゼンチンではやはりだめですね)。これからも拝読させていただきたく思いますのでお願い申し上げます。ありがとうございました。
予て私が注目している金融マン安東泰志さんのブログhttp://p.tl/ggx4「WBSインタビュー:国営ファンドの功罪」をご紹介致します。
此方は年金基金、彼地は国営ファンド(SWF)と土俵は違いますが、重複する部分があると思います
此方も彼地も資金の運用主体が、「借金にまみれた貧乏ギャンブラー」であること。
同時に、此方も彼地も資金の運用主体が、「悪賢いモグラ」であること。「悪賢いモグラ」は予て永く「人のカネ」を使うことにだけに興味がありその運用センスの無さたるや極まりなく、また国家債務を1千兆円まで積み上げても未だに「カネに稼がせる効率」(最近の流行り言葉で云えば“(投資)資金乗数”)には全く興味も無く経験も無い。
此方も彼地も、彼らモグラにとって「人のカネ」を喪うことは一切の痛痒を感じないに違いない。
此方も彼地も、今のまま彼らの策略を放置すれば大失敗に終わるに違いない。国家財政のフローに旨味がなくなると、国民のなけなし資産に薄汚い触手を延ばし国家財政のストックからの「挙がり」に舌舐めずりしている!?
草々
東洋経済読んだら、厚生年金基金より国民年金基金の方が、
もっとひどいっていう話じゃないですか。
彼らのアイデアは主に三つ
1)先送り
2)too big to fail
3)最後は税金だのみ
問題を大きくして最後は公的資金だのみってことでしょう。
そういう意味では東電処理の経産省は見本的ってことですよ。