評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」
山崎元が原稿やTVでは伝えきれないホンネをタイムリーに書く、「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶ穴のようなストレス解消ブログ。
株価のボラティリティー拡大と「魔の30分」
ここしばらく、株価の動きが上下共に激しい。これは何故だろうか。
明らかになりつつあるのは、大証とサイメックスの日経平均先物は動いているが、現物の株式の売買が止まっている12:30~13:00の「魔の30分」の影響が大きいということだ。
典型的な流れは以下のようなものだ。
① 機関投資家のまとまった売り買いは前場の終値をベースに昼休みに取引されることが多い。証券会社は、「前場終値マイナス何ベーシスで売り(或いは、プラス何ベーシスで買い)」というような注文を受け、場外取引が成立する。
② たとえば「売り決め」を受けた証券会社は、株価が下がるとまずいので、12:30から開いている主に大証で日経平均先物を売って、リスクをヘッジする。
③ 東証の昼休み中に先物価格が動いているので、13:00に東証が開くと、先物と現物の株価の乖離が拡がっており、裁定取引のオーダーが入る(たとえば先物買い戻しの、現物売りの裁定)。
④ 裁定取引の現物注文が入り、現物ベースの日経平均が大きく動くと、これをトレンドと見た投資家の追随的な注文が出て、変動が拡大する。
⑤ こんなメカニズムで、株価の動きは、昼休みの機関投資家の売買注文に大きく影響を受ける。
こういったパターンで株価変動が拡大するので、アウトライトの売買でこれを利用するトレーダーや、裁定取引を仕掛けるトレーダーも、大いに儲かっているにちがいない。
全て「東証が悪い」とまではいえないかも知れないが、先物と現物でオープンしている時間にズレがあれば、裁定取引が大規模に入るのは、殆ど自明であって、容易に想像できることだ。絶対とまではいえないまでも、株価の変動を後押しするような裁定取引が入りやすい市場運営になっている。
これは、少なくとも、株式市場の運営としてはかなりまずい状態だし、東証はここでも投資家に大きな迷惑を掛けているといえるだろう。西室泰三社長は、「法律違反があれば取りしまる」というような、あまりに当たり前の、寝ぼけたことを言っているが、こうした裁定取引が誘発されて、株価変動が加速することは、当然想像できることだ。何とも粗末な市場運営といっていいだろう。
明らかになりつつあるのは、大証とサイメックスの日経平均先物は動いているが、現物の株式の売買が止まっている12:30~13:00の「魔の30分」の影響が大きいということだ。
典型的な流れは以下のようなものだ。
① 機関投資家のまとまった売り買いは前場の終値をベースに昼休みに取引されることが多い。証券会社は、「前場終値マイナス何ベーシスで売り(或いは、プラス何ベーシスで買い)」というような注文を受け、場外取引が成立する。
② たとえば「売り決め」を受けた証券会社は、株価が下がるとまずいので、12:30から開いている主に大証で日経平均先物を売って、リスクをヘッジする。
③ 東証の昼休み中に先物価格が動いているので、13:00に東証が開くと、先物と現物の株価の乖離が拡がっており、裁定取引のオーダーが入る(たとえば先物買い戻しの、現物売りの裁定)。
④ 裁定取引の現物注文が入り、現物ベースの日経平均が大きく動くと、これをトレンドと見た投資家の追随的な注文が出て、変動が拡大する。
⑤ こんなメカニズムで、株価の動きは、昼休みの機関投資家の売買注文に大きく影響を受ける。
こういったパターンで株価変動が拡大するので、アウトライトの売買でこれを利用するトレーダーや、裁定取引を仕掛けるトレーダーも、大いに儲かっているにちがいない。
全て「東証が悪い」とまではいえないかも知れないが、先物と現物でオープンしている時間にズレがあれば、裁定取引が大規模に入るのは、殆ど自明であって、容易に想像できることだ。絶対とまではいえないまでも、株価の変動を後押しするような裁定取引が入りやすい市場運営になっている。
これは、少なくとも、株式市場の運営としてはかなりまずい状態だし、東証はここでも投資家に大きな迷惑を掛けているといえるだろう。西室泰三社長は、「法律違反があれば取りしまる」というような、あまりに当たり前の、寝ぼけたことを言っているが、こうした裁定取引が誘発されて、株価変動が加速することは、当然想像できることだ。何とも粗末な市場運営といっていいだろう。
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