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「岩瀬式! 加速勉強法」に見る秀才の努力

 ライフネット生命保険の副社長、岩瀬大輔氏の「岩瀬式! 加速勉強法」(大和書房)を読んだ。岩瀬氏は、東大在学中に司法試験に合格、ハーバードのMBAで20数年ぶりに上位5%の成績を取った日本人にして、現在ネット生保の起業を成功させつつある有名な秀才だ(ライフネット生命の業績は順調に伸びているように見える。詳しくは→ http://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/LIFENET_disclosure_zine_2009.pdf)。勉強法流行の昨今、彼を著者にしてタイトルに「勉強法」と付く本を出せた時点で、出版企画的に、先ずは成功だ。
 私は、若くて頭のいい人物が理屈抜きに好きだし、ご本人にも何度か会ったことがある。以下の文章は書評としては、少し甘いかも知れないとあらかじめお断りしておく。付け加えると、岩瀬氏の格好のいいところは、優秀な能力を有利で安全な立場を手に入れるために使うのではなく、「いざというときは何とかなるでしょう」という程度の保険程度に扱っているところだ。お酒も飲むし、よく遊ぶ。朝から晩まで自己啓発に励み続けるような暑苦しい人物ではない。
 この本も、自信と客観性がバランスしているから、自慢にも走らないし、逆に過剰に謙遜する鬱陶しさもない。

 秀才の書いた勉強法は参考になるか。多くの読者にとって真似は出来ないが、参考になる、といえるだろう。たとえば、はっきり言って東大にはいるのに苦労する程度の頭の人が岩瀬式を真似ても、仕事や勉強に於いて岩瀬氏のような達成度を得ることはできないだろう。だが、勉強にあって、秀才でも苦労したり工夫したりするポイントがどこなのかを知ることは参考になるし、面白い。
 秀才、あるいは一般に頭が良いと言われる人には三通りのタイプがある。
 (1)「勉強が続く人」、(2)「勘のいい人」、(3)「要領のいい人」だ。
 一番多いのは、(1)で勉強的体力が強い人だ。継続は力であり、安定的に力を発揮する。
 (2)は答えから先に分かるような物事の構造を見渡すのが上手い人で、これは確かにいるけれども、何かとムラが大きい。
 (3)は切り替えが上手で必要なときに必要なことに自然に集中できる人だ。遙か昔、私が田舎から東京に出てきて東京の秀才達を見たときに、ああ秀才とはこういうことができる人たちなのか、と思った記憶がある。
 岩瀬氏は、(1)、(2)でも高いレベルをお持ちだが(特に、人一倍負けず嫌いだから、(1)のパワーも大きい)、(3)の系統に属する秀才だろうと思う。つまり、勉強法のノウハウを聞いてみたい人物だ。

 本の内容は大まかに二つに分かれているように感じた。
 前半は岩瀬式!加速勉強法のコアになる手順の説明で、後半は彼の知的処世術だ。尚、彼は勉強と仕事について敢えて区別をしていない。知的努力の必要な仕事に対しては勉強と同様に取り組んでいるようで、彼の勉強術は同時に仕事術でもある。

 加速勉強法の手順は、私流にまとめ直すと、(1)問題の構造を見極めることに時間を使う、(2)できるだけ「生」に近い情報を労力を惜しまずにインプットする、(3)しばし対象と距離を取る、(4)やがて突破口が見つかるのでそこで勢いをつけて一気にレベルを高める、というものだ。
 読みながら、この構造はどこかで見覚えがある、と思った。
 読者はアマゾンで岩瀬氏の本を発注するついでに、ジェームス・W・ヤングの「アイデアの作り方」(今井茂雄訳、TBSブリタニカ)を一緒に買うといいだろう(合計1500円を超えるので、送料がタダになる)。
 ヤングの方法は、(A)テーマに関連する物事について調べるだけ調べて、(B)しばらく問題から離れて時間を取って、(C)無意識が問題を整理して解決の糸口やアイデアを与えてくれるのを待つ、という一種の脳の使い方のノウハウだ。
 これに対して「岩瀬式!加速勉強法」では、(A)のプロセスで何が必要なのかについて意図的・戦略的に取り組み、(C)のプロセスで得られる達成の喜びを勉強の馬力に替えて集中力を発揮するというような仕掛けになっている。根性論は嫌いだ、しかしやる気は是非必要だし、目的は達成したい、となると、これは上手いやり方だ。
 高度な達成のためには、集中力の発揮と継続が必要になるが、これを意図的に作る岩瀬式の手順が確立している。(4)以降の効果に自信と期待があるので、(1)と(2)を実行することができる訳だが、岩瀬氏の場合、大小何度も成功体験を持っているので、これが不安なく十分に実行できるのが、凡人に対する能力以外のもう一つのアドバンテージだ。

 思うに、勉強法を含めて、広義の自己啓発本の概念的な構造は、少数のパターンで殆ど説明し尽くすことが出来る。私も自己啓発本「的」な本を書かないとは言い切れないし、自己啓発本マニアではないから種明かしはしないが、基本のパターンは4つ、それが書かれた本で言えば3冊だ。
 世にある自己啓発本(の中でまともなもの)は、これらのパターンの1つないし複数を種に使って、事例を変え、レトリックを変えて世に問うたものだ。前にも書いたことがあるが、商品としてよくできた上手い自己啓発本は、読書中に能力の一時的高揚感のようなものが得られる。読者をその気にさせるわけだ。だが、内容的には、実質的に新しいことが書かれていることはまずない。
 ヤングの前掲書はその中の1パターンを簡潔に記した基本書の1冊である。岩瀬本は、内容的には、この系統の本ではないかと思う。もっとも、私は秀才ではないから、こうした理解で本当にいいのかどうかは自信がない。
 読者をその気にさせるテクニックが十分発揮されているとは言い難いので、大ベストセラーにはならないような気がするが、マジメで正直に書かれているので、勉強法の構造をやさしく苦労なく理解できるという意味では実用書として良心的だ。若い読者にお勧めしたい。

 後半の岩瀬式処世術もそれなりに面白い。岩瀬さん流の効果的な自己表現の方法やプレゼンテーションの心得、それに他人の力の借り方などが語られているわけだが、天下の秀才でも普通のビジネスパーソンと同じ苦労をしながら、成長していることが分かる。人によっては、少し安心するだろう。
 もっとも、他人から協力を得るためには、敢えてツッコミ所を残しておくことが大事だ(「つっこまびりてぃ」が大事なんだとさ・・・)、などということも書かれている。喜んでツッコンだら、岩瀬さんの予定通りだった、などということがあるかも知れないから、秀才には油断しない方がいい。
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コメント
 
 
 
Unknown (Unknown)
2009-08-28 17:37:59
業績が順調だったら、代理店と提携なんかしないで済む。
彼は「勉強ができる≠生保が売れる」を証明する典型的モデル。
机の上の勉強でどうにかなるほど、保険業界は甘くない。
 
 
 
Unknown (山崎ファン)
2009-08-28 21:07:04
秀才が秀才の勉強本を書評するというのが面白いですね。
山崎さんの勉強本が出たら絶対買います。是非出して欲しいです。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2009-08-29 10:20:03
>机の上の勉強でどうにかなるほど、保険業界は甘くない。

「自分は頭がいい」と思ってる二等兵の言い分ですね。
あるいは挙績(笑)の低い拠点長(笑)とか。

こんな愚痴が出てくるということは、生保業界がまだまだ甘い証拠。
ライフネット生命は成功しますね。
 
 
 
試験秀才の限界 (かくせいⅢ)
2009-08-29 12:28:57
以前からの秀才信仰なんだけれど、陸大・海大出の人達がやった愚行や、バブル前後からの秀才の集まりである官僚達のやっている破廉恥を見るにつけ、試験と言う記憶力で人間を測ることの愚かしさを痛感します。

せめて、鉄鋼王カーネギーが墓碑銘に刻ませたと言う

「ここに、自分より賢い人々を、周囲に集める術を知っていた1人の人間が横たわる」

ぐらいの説教は垂れられないもののでしょうか。

本当に頭の良い人は、木村秋則氏ではないかなと思ったりする。「リンゴが教えてくれたこと」を読むと試験秀才の限界を感じる。所詮は、「解」のある世界で生きているだけなんだ。
 
 
 
無知の知? (朝風夕波)
2009-08-29 14:08:26
日米開戦の頃ですが、鶴見俊輔氏も、ハーバード大哲学科で上位5%の成績をとった人として知られています。彼は、日本では「不良少年」で、正式には高等小学校しか卒業していないようですが、現地の語学学校に通い、ハーバード大を3年足らずで卒業してしまったようです。もっとも、彼は日米開戦で逮捕され、彼を評価してくれた担任教授の推薦で、留置所の便器を机に卒論を書いて提出したため、卒業時の5%には入らなかったようです。
彼自身は当時を、勉強、勉強の「一番病だった」とあまり評価しておりませんが、担任教授、その師匠格のバートランド・ラッセルやホワイトヘッドなどの交流を興味深げに観察しています。その頃高齢のホワイトヘッドの講演の最後の言葉は、なんと、“Exactness is a fake”。世界の一流知性は奥深い!
その鶴見氏自身、今は85歳位のご高齢ですが、日清戦争以前の日本人を、世界に十分伍していける資質のあった人間として高く評価する一方、それ以降の指導者を「一番病」に取りつかれた創造性のない人間と酷評しています。(彼の父親祐輔氏が東大金バッチの「一番病」患者さん!)
山崎さんは、「少し甘いかも知れない」とお断りの書評であり、私は「勉強法」に関心のある身分でもありませんが、何となく、「秀才」が書く「加速式」という書名に、危うさを感じます。やはり、加速はボルト選手に任せた方がよろしいようで・・・。
 
 
 
試験も、出来ないよりも、出来る方がいい (山崎元)
2009-08-29 17:00:33
試験の出来不出来にはどうしても嫉妬が絡むので、仕方がない面もありますが、私の知る岩瀬氏は、確かに試験も出来る人なのでしょうが、「試験だけができる人」だという訳ではありません。

岩瀬氏=試験秀才、という前提ではなく、岩瀬氏=試験秀才+α、かつαの方がかなり大きい、と考えていいと思います。私の印象に過ぎませんが、ブログで取り上げた責任上、補足しておきます。

一般に、試験が出来る人は、物事全般に達成意欲の高い人であることが多く(あくまでも傾向ですが)、試験が出来ること自体は悪いことではありません。

また、試験というものを行うと、同じ程度の努力でも、出来る人と出来ない人とがいるわけで、これは仕方がありません。岩瀬氏も、彼だけ一日に24時間を超えて持ち時間があった、というわけではありません。

世の中には、試験が出来て、しかし人物的に困った人も多数いるのですが、ごく一般的な傾向をいえば、頭のいい人は試験が出来ることが多いし、頭のいい人と話すと気持ちがいい、というのが私の感想です。

もちろん、秀才を「信仰」するというのは、全くバカげています。秀才に任せておけば、良きに計らってくれるだろうというのは、全財産をヘッジファンドに投資するくらい愚かな行為です。

秀才は、ただちょっと感じがいいだけです。敢えて言えば、魅力の一種ですが、魅力としては割合地味なものの一つでしょう。
 
 
 
Unknown (朝風夕波)
2009-08-29 20:37:02
山崎さんの剛直球、真正面で受けとめました。
もともと、山崎さんにも岩瀬氏にも批判の意図はなかったのですが、いつの間にか、タコつぼから毒気を吹き出していました。ご容赦ください。
多くの若い逸材が、海外へでもどこへでも出かけて鍛えられるいい時代です。また、岩瀬氏のような方が新しいコンセプトの商品でチャレンジして頂けるのはわれわれも明るくします。山崎さんのライフワークの観点からも、岩瀬氏は逸材との感触をお持ちでした。
これからも、若い人へのエールをお願いします。
 
 
 
テーマ違いとなりますが (びっくり)
2009-08-31 10:24:09
テーマ違いにて失礼いたします。
ダイヤモンドオンラインの『運用会社は宗教のビジネスモデル』を拝見しました。
ひとつだけ感想を。
歴史的に見ると、資本主義こそ宗教のビジネスモデルそのものじゃないんでしょうか?
どういう姿になるかさっぱりわかりませんが、経済成長の無い経済制度が近い未来に必要と思われますが、やがて来るそれはもう資本主義とは言えないような・・・。
 
 
 
Unknown (通りすがり)
2009-08-31 23:42:53
>  思うに、勉強法を含めて、広義の自己啓発本の概念的な構造は、少
> 数のパターンで殆ど説明し尽くすことが出来る。私も自己啓発本「
> 的」な本を書かないとは言い切れないし、自己啓発本マニアではない
> から種明かしはしないが、基本のパターンは4つ、それが書かれた本
> で言えば3冊だ

これはまた思わせぶりな・・・。商売上手さに本が出たら買ってしまい
そうです。
本が当分なさそうなら、ぜひヒントだけでも。
 
 
 
持久走が苦手 (Blessings)
2009-09-01 00:58:09
山崎様、久しぶりにお邪魔しました。アップデートの頻度が以前より少ないようで、以前にましてご多忙とお見受けしました。

学生の時は、(1)の人に相当コンプレックスがありました。
小学校の担任が黒板に大きく書いた「努力に勝る天才なし」という言葉が重く劣等感を刺激しました。継続は力なり、とわかってはいるけれど、どうもスタミナが...。あれくらい(時間、量)勉強したら今頃は...と思う私は、やはり(2)も(3)も足りなかったいわゆる凡人ですね。もちろん勉学限定の話であって、社会生活で才能が花開く人々が圧倒的に多いんじゃないかと思われますが。
 
 
 
天才と秀才 (ktkr)
2009-09-01 17:30:56
山崎さんの秀才論、楽しく読ませて頂きました。

ところで「天才」と「秀才」の違いについて、山崎さんはどのようにお考えでしょうか。エントリを拝見しますと、意図的にでしょうか、「天才」という言葉を避けておられるようにも思えます。

しかし、世に天才と呼ばれる人も山崎さんのあげた特徴を持っている場合が多いと思います。例えば天才といえばアインシュタインですが、彼も「勉強の体力」を持っていたことは疑いないでしょう。

そういう意味で天才と秀才の違いについて、もしお考えがあれば、おしえてください。
 
 
 
しばし ()
2009-09-01 19:28:23
>(3)しばし対象と距離を取る

というところが一つのミソのようですが、

凡人の場合は、距離を取っているうちに、戻ってこれなくなりそうなのですが。

「しばし」とは、どれくらいの時間なのでしょうか?
 
 
 
「しばし」の期間 (山崎元)
2009-09-01 23:11:00
の様

経済学で短期と長期がそれぞれどんな期間なのかが問題であるように、確かに「しばし」の具体的な期間は問題ですね。

私の思うに、一晩から数日くらいの時間であることが多いのではないでしょうか。

これくらいの時間があると、表面的には気分を変えていても、脳ミソのバック・グラウンドでは問題の構造整理が進んでいることがあって、思いの外物事が進んでいると思えるような、小さいけれども心地よい驚きがあります。

岩瀬式はこのポジティブなサプライズをヤル気に変えてディープ・インパクトのように追い込むのでしょう。

対象の大きさや問題の絞り込み具合にもよると思いますが、岩瀬式では、やらなければならない仕事や試験勉強なので、せいぜい長くても数日くらいの場合が多いのではないでしょうか。(氏は気が長いとはいえないので、そんなに長い期間をおかないような気がしますが、どうでしょうか)

ヤングの本では、何日なのかはっきっりしないし、予定も立たないけれども、アイデアが突然訪れるような形でアイデアが生産されるのではなかったかと思います。具体的なアイデアを解として出さなければならない場合、どのくらいの時間が掛かるかは、やってみなければ分からないというのが実情ではないでしょうか。

無意識の中の作業が進みやすいように脳に十分インプットを与えてその後に整理の時間を与え、後は、これをいつ取り出すか、どう利用するか、ということになります。

ごく卑近な凡才の例で言うと、私は、連載原稿が上手くまとまらない場合、テーマを決めて資料をざっと読んで、一眠りして、翌朝に原稿を書くことにしており、困ったときも大体これで何とかなってきました。〆切が月30本、即ち1日1本程度までなら、結構有効な方法です。複数集中すると困ることがありますが・・・・。
 
 
 
自民党政権はなぜ倒れたか (RealWave)
2009-09-02 19:48:38
このコメントは「岩瀬式!加速勉強法」とは全然関係ありません。山崎さんのダイヤモンドオンラインの記事「民主党政権に望みたい 小さな政府、大きな福祉」
http://diamond.jp/series/yamazaki/10095/へのコメントです。他の読者の方々、申し訳ありません。

自民党政権が倒れたことのメディアの分析は、山崎さんが記事の中でおっしゃる通り、全く的外れだと思います。メディアの多くは、自民党の政策運営の失敗を自民党の敗北の理由だとしています。しかし、自民党の政策運営が悪いのが、政権交代が起きた原因だとしたら、なぜ50年以上、例外的な一時期を除いて政権交代が起きなかったのでしょうか。

自民党の敗因分析が多少なりとも「科学的」であるためには、過去の事象と矛盾がないものでなくてはいけません。過去にも自民党には金権腐敗政治、大不況など、幾度も政権を投げ出さざる得ないような、失態、苦境がありましたが、常に多数派を維持してきました。政策の失敗はあったかもしれませんが、それは今ここに来て政権交代が起きた主因ではあり得ません。

自民党が多数派でなくなったのは、一重に民主党が自民党の代替になりえると国民が判断したからに他なりません。小沢、鳩山、岡田と並べると、麻生、安倍、福田より格別劣っているとはあまり思えません。民主党は自民党と違っているから選ばれたのではなく、自民党と同じようなものだと思われたから選ばれたのです。

政策の違いに関しては、多くの人は「よくわからない」と感じているというのが現実でしょう。「高速道路が無料になる」「子供1人に月26,000円もらえる」と聞いても「それで大丈夫?」と不安になるはずです。「でも民主党にやらせれば、自民党と同じ程度のことはできるだろう」と考えたので、選挙もせず政権をたらい回しにした自民党にお灸をすえることにしたのでしょう。

政党は勝てば「国民が政策を理解してくれたから」と言いますし、負ければ「国民に十分わかってもらえなかった」と言います。それはそれで良いのですが、当たり前の現実に目をつぶって、朝日新聞のように「少子高齢化が象徴する日本社会の構造変化、グローバル化の中での地域経済の疲弊。そうした激しい変化に対応できなかった自民党への不信だ」などともっともらしい理屈を言うのはどうかと思います。
 
 
 
なし (千春)
2009-09-12 18:54:49
その通りだと思いました。頭の良い人の1、2、3。
視覚を捉える力と聴覚が優れているか。
壁を作ってしまわないか。
ロマンを持てるか。
だと思いますね。
 
 
 
Unknown (通行人)
2009-09-20 21:56:40
質問ですが、勉強法の話では荘司雅彦さんの勉強法についてはどうなのでしょうか?(荘司さんのブログで山崎さんとはお知り合いのようなことが書いたあったので気になりました)
 
 
 
荘司雅彦氏の勉強法 (山崎元)
2009-09-20 23:28:41
通行人さま

いらっしゃいませ。

荘司雅彦氏は筆者の大学の1、2年の頃のクラスメートで、私が、たぶん生涯を通じて一番たくさんお酒を飲んだ相手でしょう。ただし、彼は法学部で私は経済学部だったので、彼が法学部に行ってからの勉強振りは詳しく知りません。

サラリーマンを辞めて勉強しだして2年で司法試験(かつての司法試験です)に受かっている訳ですから、彼が勉強家であることも勉強が上手い人物であることも間違いないのですが、私は彼の勉強法の本を近年になって見て、「おお、実は、彼はこんなに勤勉な勉強家だったのか」と驚いた次第です。

彼の勉強法(本)の特大の長所は、乱暴に言うことを許して貰うと「バカにでも役に立つ勉強法」です。彼は、頭のいい人にも悪い人にも分かるように物事を説明することができて(丁寧で且つ飽きさせません)、ノウハウも含めて物事に対しては、それが役に立つか立たないかに対して損得を厳しく吟味するリアリストなので、実用的には彼の本から得るものは多いと思います。

岩瀬さんの本は、「岩瀬式勉強法」というよりも「岩瀬式発想」で、読み物として面白いのですが、彼の本を「実用的」に読むためには、読み手の側でも一種のセンスとある程度以上の能力が必要です。

一方、荘司さんの本は、大小の具体的なノウハウに満ちていて、誰でも本当に使うことができる知識が盛り込まれています。

彼は娘さんの受験の指導体験をもとに中学受験の本を書いていますが、彼の娘と同年代だった私の娘も彼の家に遊びに行って勉強を教えて貰ったことがあり、帰宅して述べた感想は「荘司パパは、勉強を教えるのが上手い」です。

これに対して自分のパパは「あれは、非常用だ」と敬遠されており、私が勉強を教えたことはありません。確かどこぞの中学の算数の入試問題で難しい図形の問題があって、「これ、分かる?」と試されたことが一度あるだけです。

「勉強法」は、現在ニーズがありますし、本を作る上ではなかなか魅力的な分野ですが、荘司さんの勉強法の本を読むと、私は手持ちの材料が不足しているし(私は彼ほどの勉強家ではないので)、また、彼ほど親切に書けないし、この分野は彼に任せようという気になっています。
 
 
 
Unknown (通行人)
2009-09-22 23:38:21
ご返事ありがとうございます。

荘司さんの本は自分でも読んでいても明日からでもできそうなわかりやすい印象がありました。

ただ資格試験でなく、普通のビジネスパーソンがアウトプットを出す上の勉強の部分ではまだその手のモノがあまりないようにも思います。

是非次の著書にしてはどうでしょうか?

期待しています。


 
 
 
Unknown (ヒミツ)
2009-09-29 02:36:12
岩瀬君は公文式の優秀児だったようですよ
 
 
 
ネットライフと岩瀬氏の頭脳は関係ないよ (たあちゃん)
2009-10-01 15:22:08
念のため。とりあえずネットライフの成功・失敗と岩瀬氏の頭脳のよしあしはあんまり関係ないよ。ネットライフはマージンを安くした、また設計を単純化した生命保険のネット販売という発想だし、確かもともとの発想は出口氏じゃないかな。ま、既存の生保をある程度以上知れば多くの人が抱くであろう発想。ポイントはむしろそれを実行したことですね。

ということなんで、ネットライフがうまくいこうがうまくいくまいが岩瀬氏のホントの秀才度には関係なし。ただ、そんなに頭がよいならネットライフみたいな比較的単純な仕事をするんじゃなくてもっとやりがいのある(頭の使い甲斐のある)仕事があろうに、とは思わぬでもなし。ま、そのうちするのかもね。
 
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