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【ダイヤモンドオンライン】個人投資家は「為替リスク」をどう扱うべきか

 現在発売中の『週刊ダイヤモンド』(9月20日号)に、「ドル円相場の大転換点はいつか?」と題し、外国為替の世界では名前の通った一流の専門家2名の対談記事が載っています。
 お2人の見通し及びその詳しい理由については、対談記事を読んで頂くとして、今週のダイヤモンド・オンライン「山崎元のマルチスコープ」では、「 個人投資家は「為替リスク」をどう扱うべきか 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 為替に関する認識で、個人投資家を中心に案外理解されていないのは、
1.金利と為替レートはセットで取引されている
2.為替リスクはゼロサム・ゲーム的なリスクであり、原則としてリスクを補うリターンが期待出来ない
の2点です。

 この原則が、投資家になかなか広く浸透しないのは、高金利通貨での運用が円ベースでも高利回りを持つと投資家を錯覚させておく方が、金融ビジネス側にとって好都合であるせいでしょう。

 それでは、個人投資家は、お金の運用にあって為替リスクとどう付き合ったらよいのでしょうか。さし当たって考慮に入れておきたいポイントを、以下、4点にまとめました。

1.為替レート(と金利の組み合わせの収益率)は予想が難しいが、株価指数の半分くらいのリスク(年率標準偏差で10%くらい)がある。
2.外債・買い株だけでなく、国内株式を持っていても、円安時にリターンが高く、円高時にリターンが(しばしばマイナスに迄)低下しやすい、「実質的な為替リスク」がある。
3.円高で損をする為替リスクを大きく集中させると、円高に転じた時に大きく損をする可能性がある。
4.当面、日本円建ての金利物(預金、債券)の収益率は、実質ベースで(インフレ率差し引きベースで)、マイナスになる公算が大きい。

 まず、ポイント4.の環境においては、ある程度のリスクを取った運用が妥当である可能性が大きく、その場合、国内の株式でリターンを稼ごうと考えても、実質的には、円安で儲かり・円高で損をする為替リスクを取ることになります。

 また、株式運用のリスクを考えると、外国株式への分散投資は是非行いたいものです。異なる会社やビジネスへの分散投資のみならず、自然災害や地政学的リスクなども合わせて考えるなら、リターンの源泉を分けておくことには意味があります。
 その一方で、株式で円安に賭ける方向のリスクを取る以上、外国債券・外貨預金などで、さらに同方向の為替リスクを追加することは避けたほうがよいでしょう。

 そこで、金利物に関しては、デフレ脱却が本格的に達成されて、長期国債利回りが2%を超えるような水準まで上昇した場合に、運用全般の見直しと共に再検討するといいでしょう。それまでは、リスクを取りたくない資金を、銀行預金、個人向け国債(10年満期変動利付き)、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)などに置いておきます。

 一方、株式については、外国為替のリスクを低減させながらであれば、株式内での国内株式の比率を1~3割に下げて、よりグローバルな株式ポートフォリオを持つ選択肢が考えられるでしょう。
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