2009.4.11(土)
地元、安倍奥の山の中で、名を知りながら登っていなかった見月山(みつきやま、1047m)に登ってきた。
中高年グループが時折道迷い遭難する山域で、ガイドブックに取り上げられることの少ないマイナーな山だ。
とは言え、真富士山に対峙するように聳え立つ山塊で、安倍東山稜から望むと存在感がある。
静岡の里山は登山口が分かれば80%登頂達成とかねてから実感していたが、今回の山行でそれを改めて思い知らされた。
ルートはポピュラーではないが、幾つかあるコースの中で最も展望が良いとされる静岡市葵区中平集落から登るルートを選んだ。
写真は県道から安倍川越しに望む見月山。
静岡市の登山家N氏の山行録(2000年発行)にある見月山登山口手前の車止め。
林道の分岐を左折した先にある。
記録には「車止めのすぐ先に取付点がある。朽ちた小さな梯子が掛かっている」と記されているのだが…
車は家内の運転で自宅へ戻った。
車止めを過ぎても中々取付点が現われない。
「おかしいな」と思いながら、さらに10分ほど林道を進んだところで現われたのが写真の梯子。
「立派な梯子が掛かっているじゃないか!」と山に入ったが、踏み跡はすぐに消えた。
急な植林帯を踏み跡を求め登っていったが、やがてヤブが現われ前進できなくなり断念。
車止めに戻りつつ、僅かな踏み跡を見つけ取付くこと3回。いずれも急坂で道を失い断念した。
登山口を求め1時間ほど彷徨したことになる。悪戦苦闘して、すでに汗びっしょりになっていた。
林道の分岐に戻って地図、山行録と睨めっこしたが、登山口が分からない。
「県道に戻り、バスで別の山に向かおう」と思い下り始めたら、下から軽トラックがやってきた。
軽トラックには「JA」のロゴ。手を挙げて停止してもらった。
「見月山の登山口をご存知ですか?ガイドブックにはこの林道を左折した先にあると書いてあるのですが見当たらなくて…」と私より少し若い男性運転手に聞いた。
「その登山口は以前のもので今はありません。林道を真っ直ぐ行くと左手にありますよ」と快く教えてくれた。お礼を言うと「気をつけていってください」と林道を左折していった。
写真は、教えてもらった直進する林道。元気が湧いてきた。
ところで、彼は「みずきやま」と発音していた。山名は「水域(みずき)」に由来するとあるので、地元では「みずきやま」が正しい呼び名なのかもしれない。
「あった~!!」
分岐から100mほど進んだところで、求め続けていた登山口を発見!
一度は諦めかけていただけに、登山口との遭遇はこの上なく嬉しいことに感じられた。
「JA」さんに改めて感謝!
足取りも軽くグングン高度を上げる。
30分も登るとカヤトの原に出た。このルートは二つの高圧線に沿って主稜線に向かうので、尾根道まで鉄塔の周囲は広々としたカヤトの原が広がっている。それだけに展望は抜群だ。
お馴染みの安倍東山稜の展望。左から十枚山、下十枚山、仏谷山、青笹と続く。
下を流れる川は安倍川。
開花したイワカガミと出合った。
予期していなかったので、発見したときは心弾んだ。
目の前に迫る右・真富士山と左・第二真富士山。
主稜線との出合い。
ここを左折して尾根道を南下、見月山を目指す。
稜線を少し登ると安倍奥の山々の大展望所が現われる。
ほどなく道はササに覆われ始めた。
三つのポイントを意識しながら前進した。①かすかな踏み跡を確認しながら進む。②尾根筋を外れない。③目印を常に視野にいれる。
実際、踏み跡も僅かで、道の大半は落葉で隠されているかササで覆われていた。
道迷いしそうなところが何個所かあった。
的確なルートファインディングとササ漕ぎが求められるコースだ。
ササの中に浮かぶ目印は頼もしい。
一般的なコースである見月茶屋からの道との出合い手前にある標識。
静岡市山岳連盟は、私が歩いてきたコースを推奨していないようだ。
登り始めて2時間30分で到着した山頂。
ここまで誰にも会わず、1時間ほどいた山頂にも誰もやって来なかった。
下りでも誰にも会わず、完璧に見月山を独占したようだ。
木々に囲まれ展望も利かない地味な山頂だが、立派な三等三角点が存在感を振りまいていた。
下りは一般的な見月茶屋コースを選んだ。
植林帯の急坂を約1時間30分で駆け下りた。
下りたところがコースの名になっている見月茶屋。
バスの時間まで少しあったので、県道を下り真富士山の登山口である平野バス停にいった。
バス停には山下商店。
前回の山伏(やんぶし)からの帰りのバス停前近藤商店と同じく酒類が置いてあり、今回もバスを待ちながら冷たいビールを楽しんだ。
山下商店から望む桜越しの見月山。
地元、安倍奥の山の中で、名を知りながら登っていなかった見月山(みつきやま、1047m)に登ってきた。
中高年グループが時折道迷い遭難する山域で、ガイドブックに取り上げられることの少ないマイナーな山だ。
とは言え、真富士山に対峙するように聳え立つ山塊で、安倍東山稜から望むと存在感がある。
静岡の里山は登山口が分かれば80%登頂達成とかねてから実感していたが、今回の山行でそれを改めて思い知らされた。
ルートはポピュラーではないが、幾つかあるコースの中で最も展望が良いとされる静岡市葵区中平集落から登るルートを選んだ。
写真は県道から安倍川越しに望む見月山。
静岡市の登山家N氏の山行録(2000年発行)にある見月山登山口手前の車止め。
林道の分岐を左折した先にある。
記録には「車止めのすぐ先に取付点がある。朽ちた小さな梯子が掛かっている」と記されているのだが…
車は家内の運転で自宅へ戻った。
車止めを過ぎても中々取付点が現われない。
「おかしいな」と思いながら、さらに10分ほど林道を進んだところで現われたのが写真の梯子。
「立派な梯子が掛かっているじゃないか!」と山に入ったが、踏み跡はすぐに消えた。
急な植林帯を踏み跡を求め登っていったが、やがてヤブが現われ前進できなくなり断念。
車止めに戻りつつ、僅かな踏み跡を見つけ取付くこと3回。いずれも急坂で道を失い断念した。
登山口を求め1時間ほど彷徨したことになる。悪戦苦闘して、すでに汗びっしょりになっていた。
林道の分岐に戻って地図、山行録と睨めっこしたが、登山口が分からない。
「県道に戻り、バスで別の山に向かおう」と思い下り始めたら、下から軽トラックがやってきた。
軽トラックには「JA」のロゴ。手を挙げて停止してもらった。
「見月山の登山口をご存知ですか?ガイドブックにはこの林道を左折した先にあると書いてあるのですが見当たらなくて…」と私より少し若い男性運転手に聞いた。
「その登山口は以前のもので今はありません。林道を真っ直ぐ行くと左手にありますよ」と快く教えてくれた。お礼を言うと「気をつけていってください」と林道を左折していった。
写真は、教えてもらった直進する林道。元気が湧いてきた。
ところで、彼は「みずきやま」と発音していた。山名は「水域(みずき)」に由来するとあるので、地元では「みずきやま」が正しい呼び名なのかもしれない。
「あった~!!」
分岐から100mほど進んだところで、求め続けていた登山口を発見!
一度は諦めかけていただけに、登山口との遭遇はこの上なく嬉しいことに感じられた。
「JA」さんに改めて感謝!
足取りも軽くグングン高度を上げる。
30分も登るとカヤトの原に出た。このルートは二つの高圧線に沿って主稜線に向かうので、尾根道まで鉄塔の周囲は広々としたカヤトの原が広がっている。それだけに展望は抜群だ。
お馴染みの安倍東山稜の展望。左から十枚山、下十枚山、仏谷山、青笹と続く。
下を流れる川は安倍川。
開花したイワカガミと出合った。
予期していなかったので、発見したときは心弾んだ。
目の前に迫る右・真富士山と左・第二真富士山。
主稜線との出合い。
ここを左折して尾根道を南下、見月山を目指す。
稜線を少し登ると安倍奥の山々の大展望所が現われる。
ほどなく道はササに覆われ始めた。
三つのポイントを意識しながら前進した。①かすかな踏み跡を確認しながら進む。②尾根筋を外れない。③目印を常に視野にいれる。
実際、踏み跡も僅かで、道の大半は落葉で隠されているかササで覆われていた。
道迷いしそうなところが何個所かあった。
的確なルートファインディングとササ漕ぎが求められるコースだ。
ササの中に浮かぶ目印は頼もしい。
一般的なコースである見月茶屋からの道との出合い手前にある標識。
静岡市山岳連盟は、私が歩いてきたコースを推奨していないようだ。
登り始めて2時間30分で到着した山頂。
ここまで誰にも会わず、1時間ほどいた山頂にも誰もやって来なかった。
下りでも誰にも会わず、完璧に見月山を独占したようだ。
木々に囲まれ展望も利かない地味な山頂だが、立派な三等三角点が存在感を振りまいていた。
下りは一般的な見月茶屋コースを選んだ。
植林帯の急坂を約1時間30分で駆け下りた。
下りたところがコースの名になっている見月茶屋。
バスの時間まで少しあったので、県道を下り真富士山の登山口である平野バス停にいった。
バス停には山下商店。
前回の山伏(やんぶし)からの帰りのバス停前近藤商店と同じく酒類が置いてあり、今回もバスを待ちながら冷たいビールを楽しんだ。
山下商店から望む桜越しの見月山。
先日はコメントありがとうございました。
なんだか忙しい毎日で レスもままならず
こちらにも来るのが遅くなってしまいました。
山伏・・・本当にたくさんの雪でしたね。
日光でのあのドキドキした気持ちが
またよみがえってきました。
やっぱり山では絶対に無理は禁物ですね。
これからも 謙虚な気持ちを忘れず
向き合っていかなければ、と思いました。
見月山・・・きれいな名前のお山ですね。
でも登山口もなかなか見つからないような
これまたちょっと違う意味でドキドキしちゃうようなお山で・・・
JAの方に会って本当に良かったです。
GWが近づいてきましたが
計画は進んでいますか?
Kさんがどちらに行かれるのか
私も楽しみにしています!
登られた方の記録を見るとルートによっては荒れているようですが、今回のKさんが登りに使われたルートがそうなのでしょうか?
2,3年前に二王山方面で行方不明になった方がおられましたが今回の所からはそう遠くないのですか?
近場のそんなに厳しくない山でも道迷いには注意しないといけませんね。
それにしてもKさんの写真はいつもうまく撮れていますね。
今回の見月山、本当にJAさんに感謝の山行でした。
G.W.の予定、未だ決まっておらず、迷っています。
燕山荘からのタイムリーなDMに誘われ、昨年に引き続いての燕岳に魅かれますが、家内と登ることを思うと雪の多い燕岳は諦めざるを得ず、小屋を使った雪の心配のない山域を考え始めています。
丹沢か甲斐の山が相応しいでしょうか?
8月の後半にはリフレッシュ休暇(7日間)を取って、剣・立山を登る計画です。
BUT 剣岳は映画の影響もあり、今年は一段と込みそうな様相です。
そんな状況が伝わってきたら、弱足ママさんのお膝元、那須岳か日光周辺の名山を目指すつもりです。
それは、二王山に向かって単独で入山し遭難したとされた方の車が見月茶屋近くで見つかったことです。
当時の私の知識では、二王山は湯ノ森から登る山で、見月茶屋から目指すにはあまりにも遠すぎる山だということです。
しかし今回、見月茶屋からの道との出合い手前にある標識を見て、見月茶屋登山口から二王山に向かうことができることを知り、ご指摘の遭難事故をその場で思い出しました。
遭難した方は、見月茶屋登山口から登って見月山山頂に至り、その後、私が歩いた稜線を進み二王山を目指したのだと思います。
静岡市山岳連盟の標識は、その事故を契機に設置したものだと確信しました。
この遭難事故以外でも、この山域では中高年のグループが一時消息を絶ち、翌日自力で下山した騒ぎがありました。
実際、初めて歩いてみて、迷い遭難が置きそうな条件がそろっていると思われました。
山を甘くみてはいけないことを改めて知らされた山行となりました。
よく歩かれていますね。私はこの間、ようやく生涯の山歩き日数(回数ではありません)が500になりました。
山の展望や花の写真もきれいです。また訪問させてください。
見月山の記録は大変参考になりました。いつかKさんと同じコースを歩いてみようと思います。
山が好きな同じ世代の方との出会いは嬉しいものです。
釈迦に説法ですが、見月山はなかなか侮れない山。心を引き締めてお出かけください。
さて見月山ですが、Kさんは見月茶屋からのコースを問題なさそうに書いていますが、そういう読み方で間違ってませんか?
『静岡の百山』は、このコースは分かりにくい箇所あるので南側の相渕からの長大コースを薦めていますが…… 別のブログによるとこれも大変だったようです。
見月茶屋コース、私は下りに使いましたが、かなりの急坂で、
植林された木々につかまりながら下った記憶がよみがえります。
ただ登山口ははっきりしており、ルートもしっかりしているので、
問題あり?と聞かれたら、問題なしと答えます。
ただし見月茶屋登山口からいきなりの急峻な登り坂で展望はゼロ。
登山初心者には絶対お勧めしませんが、ねもさんには是非登ってくださいと推奨します。
見月山に行ってきました。中平バス停から登山口でちょっと迷いましたが、あとはここの記事やご助言のおかげで問題なく歩けました。日曜なのに誰にも会いませんでしたが、途中ヤマツツジが1本きれい。
結局、相渕に下りました。見月山以南は一部に倒木や分かりにくい箇所があるものの、まずまず気持ち良い尾根歩きでした。山頂付近にはあまりなかった指導標が、不思議なことに、904mピーク(大篠山?)からは結構ありました。
最後に、安倍川にかかる長~い吊橋(畑薙大吊橋の2倍!?)を渡って相渕バス停に。
危ないところはないように思いますが、たしかに注意しながら歩かないとすぐに迷いそうな山でした。Kさんの「心を引き締めて」というアドバイスはまさにそのとおりです。ありがとうございました。
相渕まで行きましたか!結構な長丁場となったことでしょう。
相渕の吊り橋は長いですね!
一度相渕バス停に車を置いて往復したことがあります。また行きたくなりました!