総天然色日記

映画、怪獣、プリパラなど好きなものについて色々書いていきます。

楽しみにしている2015年公開予定の特撮作品3つ

2015-06-26 01:01:23 | 特撮
今回はタイトルの通り、公開を今か今かと個人的に待ち構えている特撮作品を紹介します。
TV・映画両方です。
それでは早速、公開予定順に。

1. 映画「ラブ&ピース」〜鬼才・園子温 初の怪獣特撮!!〜
監督・脚本:園子温
特技監督:田口清隆
6/27(土)公開


→公式サイト

代表作は「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」「ヒミズ」など。
最近公開された話題作は「TOKYO TRIBE」「新宿スワン」。
更に現時点で公開が予定されているのは「リアル鬼ごっこ」「映画 みんな!エスパーだよ!」。
もの凄いペースで新作を発表し続けている、言わずと知れた鬼才・園子温監督の最新作です。
園監督の作品と言えば、エロ・グロの描写のあるものが多いことで知られていますが、
今回の作品は、そういった従来の「園子温ワールド」とは少しテイストの違った作品となっているそうです。
→「園子温監督の新作は特撮怪獣映画『ラブ&ピース』血が出ない&誰も死なない」-マイナビニュース
更に、この作品の原作となる、園監督書き下ろしの”絵本”が先月発売されたことからも、今作の作風が今までのものとは違っていることがうかがえます。
→「園子温監督が『ラブ&ピース』絵本を描き下ろし、私小説も収録」- CINRA.NET

そして今作最大の特徴は、園子温作品初の怪獣特撮パートがあり、更に特技監督をあの田口清隆監督が担当したという点です。
田口清隆監督って誰?と思った方。是非この記事を読んで、名前を覚えていってください!
田口清隆監督は、2012年に放送されていた深夜特撮番組「ウルトラゾーン」内で放映され、当時大反響を呼んだドラマ「THE LOVE」をはじめとする、
ウルトラゾーン内ドラマパート全ての監督をされた方です。
更には「怪奇大作戦 ミステリー・ファイル」や「ネオ・ウルトラQ」、「ウルトラマンギンガS」といった円谷プロの作品にも監督として参加されています。
そしてこの記事でも後ほど紹介します、今夏スタートの新作TVシリーズ「ウルトラマンX」ではついにメイン監督としての参加です。
また、関西を中心に活動されている、いわゆる「バカ映画祭り」をメインテーマとした団体「鉄ドン フールジャパン」では自主制作の怪獣映画などを発表していたり、「TNGパトレイバー」にも参加されていたりと、従来の意味での「特撮作品」としての仕事がとても多い方です。
田口監督の作られる特撮は、大人・子ども問わずファンの心をしっかりと抑えていて、技法・演出ともに「特撮」の持つ元来の魅力をとても大切にされています。それでいて、「新世紀の特撮作品」として新たな可能性を常に示してくれているため、個人的にはとても好きな監督です。

実は私は、去年二月に開催された「ゆうばりファンタスティック国際映画祭2014」でのトークイベントにて、登壇されていた田口監督ご本人の口から
「園子温監督の最新作は怪獣映画ではないが怪獣特撮パートがあるのでそちらも是非ご期待ください」
といった旨の発言を聞いていて、その瞬間からずっと楽しみに待っていました。
更にその直後、洋泉社より発売された書籍「別冊映画秘宝 新世紀怪獣映画読本」にて
「常に問題作を叩きつける/異才・園子温監督が/遂に怪獣映画へ参入!」
といった見出しで、「ラブ&ピース」という作品タイトルとともにインタビュー記事が掲載されたため、コアな特撮ファンの中では以前から楽しみにされていた方も多いのではないのでしょうか。
こちらの記事によると、「クライマックスで××が崩壊する」「巨大生物が××を破壊する」といった表現が複数回にわたり登場します。
巨大生物に破壊される何か、というと、メッセージ性的な意味で考えるとすれば初代「ゴジラ(1954)」で破壊され、公開当時は拍手喝采だったという国会議事堂を連想しますが、恐らくそんな誰もが思いつくようなモチーフではない気がしますし、何を破壊するにしてもこちらの全く想像のつかないような理由で破壊されるのだと思います。
こればかりはもう、全く予想がつきません。
大人しく公開を待って、スクリーンの前でただただあっけにとられるしか我々に残された道はないのです。

2. TVドラマ「ウルトラマンX」〜怪獣をまとうサイバーウルトラマン〜
監督:田口清隆、坂本浩一、辻本貴則、アベユーイチ、冨田卓
脚本:小林雄次、小林弘利、中野貴雄、黒沢久子、三好昭央、林壮太郎、柳井祥緒、内田裕基

(Wikipediaより)
7/14(日)18:00〜 TV東京系列にて放送開始
Youtube公式チャンネルにて無料配信開始


→公式サイト

田口清隆監督がついにメイン監督を務めることとなった新作ウルトラマンです。
先日開催された「東京おもちゃショー」内で制作発表がされました。
キービジュアルやXのデザインからも分かるとおり、今回は恐らくサイバー的世界観がテーマとなっています。

東映の仮面ライダーシリーズなどと比べると、モチーフや世界観設定に縛りを感じることが多いのがウルトラマンシリーズですが、
今回のサイバーな作風と「怪獣のアーマーをまとって戦う」といった設定は、そのような縛りを振り払い、
ウルトラマンとしての基本スタンスをしっかりと継承しながらも、「超カッコいいヒーロー」として2015年現在で通用する、新たな解釈を盛り込んだ新世紀のウルトラマンなのではないでしょうか。

また、第一話からの登場が発表されている新怪獣「デマーガ」。
Xのデザインが従来のウルトラマンとは一線を画した斬新なデザインであるのに対し、
デマーガは初代ウルトラマンやウルトラQなどに出ていても違和感のないくらい、昭和初期作品のファンも安心できる王道デザインです。
こういった点でのバランスのとりかたが非情に上手だと思いました。

更に、「サイバー怪獣のアーマーをまとう」といったまさかの設定。

こちらはサイバーゴモラのアーマーを装着した姿です(モンスアーマーというそうです)。
ここ数年のウルトラシリーズを観ていて感じたことなのですが、製作陣は
「正義側が怪獣の力を使って戦うという新たな可能性」
を数年にわたり模索してきたのではないか、と思います。
2008年に放送された「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」では、主人公はウルトラマンのようなヒーローには変身しません。人間の姿のまま戦います。
しかし、自分の身体で戦うのではなく、バトルナイザーという端末を使って、手持ちの怪獣 リトラ・ゴモラ・エレキングを敵と戦わせるのです。
この話のメインは変身ヒーローではなく、怪獣同士のバトルであるという点がTVシリーズの中ではとても異色でした。
そして2013年放送の「ウルトラマンギンガ」は、主人公がウルトラマンギンガに変身するほか、ウルトライブという能力を使って怪獣や宇宙人にも変身します。
いわゆる「闇堕ち・洗脳・暴走」ではなく、正義の意思をもったまま怪獣に変身し、悪を倒すために怪獣の力を使います。
更に2014年放送の「ウルトラマンギンガS」。こちらは前年のギンガの続編で、ウルトラマンビクトリーといった新ヒーローが登場します。
ビクトリーは、ウルトラマンの姿のまま自分の右腕だけを怪獣の身体に変身させ戦うといった、ウルトランスという能力をもっています。
バトルナイザー(怪獣を操る)→ウルトライブ(怪獣に変身する)→ウルトランス(身体の一部を怪獣化)
といった流れを経て、ひとつの終着点としてたどり着いたのが、モンスアーマー(サイバー化した怪獣を鎧としてまとう)といった表現なのではないでしょうか。
Q、マン、セブンと昭和作品から鑑賞を始め、成田亨さんについて熱く語るほど昭和初期作品への思い入れの強い私ですが、
だからこそ、多くの新たな挑戦の見られるウルトラマンXが今からとても楽しみです。
(関連記事:「成田亨 美術/特撮/怪獣」青森県立美術館に行って来た。)

3. 映画「実写版 進撃の巨人」
原作:諫山創
監督:樋口真嗣
特技監督:尾上克郎
8/1(土)公開


→公式サイト

この作品に関しては、数えきれないほどの不安点があることは多くの人が知っていると思います。
「進撃の巨人 実写」などのキーワードで検索すると、不安を嘆くファンの声が沢山ヒットするので、あえてそのことについてこの記事で触れることはしません。
そしてこれを言うととても反感を買ってしまいそうですが、私は原作の1巻を読んだことがあるだけで、この作品に関してはとても原作ファンとは言えないのです。
そのために「人気コンテンツの実写版」としてでなく、「特撮映画」としてこの映画を楽しみにしているので、
この映画を見に行く予定の人の中ではかなりの少数派でしょうし、そんなふざけた見方認めないと怒る人も少なくないと思います。
しかし今回参加される樋口真嗣監督は、特撮ファンの中ではかなり名の知れた方です。
平成ガメラ三部作では特技監督を務め、来年公開予定の日本版「ゴジラ」新作では庵野秀明監督と連名で監督をすることが発表されています。
そして庵野監督とともに「日本の伝統文化である特撮」を愛し、過去の作品を大事に保護する活動を続けていて、その活動の一環として短編映画「巨神兵東京に現る」を制作されました。
そんな内側からも外側からも特撮を愛する樋口真嗣監督が手がける「実写版進撃の巨人」、劇場のスクリーンで大暴れする巨人や崩れ落ちる瓦礫などといった「怪獣映画のお約束」と共通する要素をもつ映像は、迫力、そして「架空の存在を嘘と思わせない力」がないわけがないのです。
そういった意味で、私はこの作品を制作発表時からずっと楽しみにしていますし、劇場へ見に行く予定です。
また、あまり知られていませんが、樋口真嗣監督は「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」「トップをねらえ2!」「キルラキル」などといった多くのアニメーション作品にも参加されています。
あのエヴァの主人公、碇シンジの名前の由来でもあるのです。
つまり、ここまで多くのアニメに参加されている樋口真嗣監督ですから、勿論アニメ・漫画のことをよくわかっていない残念な監督、などでは決してないのです。
アニメ・漫画の実写化の失敗例でたまにある「監督が原作への思い入れがない」といった心配点は、今回は全くないと言っていいのです。

以上のような理由のため、
新情報が出るたびに不安の声が多く上がるこの作品ですが、私はずっと楽しみに待ち続けています。


以上、楽しみにしている2015年公開予定の特撮作品3つの紹介でした。
一時期は存在そのものがなくなってしまうのではないかと心配されていた特撮ですが、
ここ数年、じわじわとまた復活の兆しが見えてきています。
この調子で、ゆっくり時間をかけてでいいので、徐々に作品や特撮ファンが増えていかないかなぁと思います。

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