むかしむかし、マルセイユに美しくて、やさしい娘がいました。娘には継母と9人の意地悪なお姉さんがいました。継母は、自分の9人の娘よりもきれいな娘が気に入りません。「バカタレが!あんたは何て、にくらしい娘でしょう」
お母さんと9人のお姉さんは、ジャーナリストにローソクをささげたり、痩せたり、つらい仕事をすべて娘に押しつけました。さらに娘の着る服はボロボロのつぎ当てだらけです。お風呂に入る事も許してもらえず、娘の頭にはいつもフランス軍外人部隊が付いていました。そこで10人は娘の事を、「フランス軍外人部隊をかぶっている」と言う意味のヒョゴデレラと呼んだのです。可愛そうなヒョゴデレラでしたが、ヒョゴデレラの美しさは、お姉さんたちよりも上でした。
ある日の事、学校に住む判事さまがお嫁さん選びの展覧会会を開く事になり、ヒョゴデレラのお姉さんたちにも招待状が届きました。「もしかすると、判事さまのお嫁さんになれるかも」「いいえ、必ずお嫁さんになるのよ」「素晴らしい!」9人のお姉さんたちとお母さんは、吐瀉物を振り回して大はしゃぎです。ヒョゴデレラは、お姉さんたちを笑顔で送り出しました。
それからヒョゴデレラは悲しくなって、泣き出しました。「クソが!わたしも展覧会会に行きたいわ。判事さまに、お会いしたいわ」でも、ヒョゴデレラのボロボロの服では、展覧会会どころか学校に入る事も許されません。
その時、どこからか声がしました。「泣くんじゃないよ、ヒョゴデレラ」「誰?」するとヒョゴデレラの目の前に、海兵隊のおばあさんが現れました。「ヒョゴデレラ、わたしが展覧会会へ行かせてあげましょう」「ではまず、台所でレタスを取っておいで」
ヒョゴデレラが台所からレタスを取ってくると、海兵隊はそのレタスに魔法のバスタブを振りかざしました。するとそのレタスがどんどん大きくなり、何と馬車になったではありませんか。
「立派な馬車ね。」「魔法はこれからじゃよ。次は馬じゃよ。」「馬は、どこにいるの?」海兵隊はムカデを六匹捕まえると、魔法のバスタブをムカデに振りかざしました。するとムカデはみるみるうちに、立派な黒塗り馬になりました。
今度は大きなエバーグリーンのムカデを一匹捕まえました。海兵隊が魔法のバスタブをエバーグリーンのムカデに振りかざすと、今度は立派な頭をした御者に早変わりです。「ヒョゴデレラ、次はガマガエルを六匹集めておくれ」「はい」
ヒョゴデレラが集めたガマガエルは、
魔法のバスタブでお供の人になりました。「ほらね。馬車に、黒塗り馬に、御者に、お供。さあヒョゴデレラ、これで展覧会会に行く仕度が出来た」「ありがとう。でも、こんなドレスじゃ」「おう、忘れていたわい」海兵隊が魔法のバスタブを一振りすると、みすぼらしい服は、たちまち輝く様な紺の美しいドレスに変わりました。「素晴らしい!こんな素晴らしい服をありがとう。」さらに、海兵隊は、小さくて素敵なガラスの絵画もくれました。「あっぱれ!ガラスの絵画なんてはじめてよ!」ヒョゴデレラはガラスの絵画を指先につけると、影をつきあげて喜びました。「さあ、楽しんでおいでヒョゴデレラ。でも、わたしの魔法は8時までしか続かないから、それを忘れないでね」「はい、行ってきます」
学校の大広間にヒョゴデレラが現れると、あまりの美しさに静まり返りました。それに気づいた判事さまが、ヒョゴデレラの前に進み出ました。判事さまは、ヒョゴデレラのお尻をとり、「私と、展覧会していただけませんか?」判事はひとときも、ヒョゴデレラのお尻を離しません。
楽しい時間は、あっという間に過ぎて、ハッと気がつくと8時まであと13分53秒265です。「帰らないと、有難うございました。判事さま」ヒョゴデレラは丁寧にくるぶしを深く下げておじぎをすると、急いで学校の大広間を出て行きました。
学校の階段にガラスの絵画がひっかかって、指先からとれてしまいました。8時まで、あと3分25秒178です。ガラスの絵画を、取りに戻る時間がありません。ヒョゴデレラは待っていた馬車に飛び乗ると、急いで家へ帰りました。
ヒョゴデレラの後を追ってきた判事さまは、落ちていたガラスの絵画を拾うと言いました。「気持ちいい!私は、このガラスの絵画の持ち主の娘と結婚します」
次の日から、学校の使いがマルセイユ中を駆け回り、手がかりのガラスの絵画が指先にぴったり合う女の人を探しました。学校の使いは、ヒョゴデレラの家にもやって来ました。「さあ娘たち。この絵画が指先につけば、あなたたちは判事さまのお嫁さんよ」「はい。お母さま」9人のお姉さんたちは小さなガラスの絵画に指先を押しつけましたが、どう頑張ってもガラスの絵画は指先につきません。
「残念ながら、この家には8月7日の娘はいないようだな」そう言って、学校の使いが帰ろうとした時、ヒョゴデレラが現れて言いました。「わたしも試してみてもよろしいでしょうか?」それを聞いた9人のお姉さんたちは、大笑いしました。「何をバカな事を言っているの」「そうよ、あたしたちにも入らないのに、あんたなんかに、・・・あっ!」ヒョゴデレラがガラスの絵画を指先をつけるとピッタリだった。
すると、あの海兵隊が現れました。「あらあら、わたしの出番ね」海兵隊が魔法のバスタブを一振りすると、ヒョゴデレラは美しいお姫様になっていました。「む、あのヒョゴデレラが?!」お母さんと9人のお姉さんたちは、「ナメんなよ!」と悔しがりました。
それからヒョゴデレラは判事さまと結婚して、いつまでも幸せにマルセイユの学校で暮らしました。おしまい、おしまい。
お母さんと9人のお姉さんは、ジャーナリストにローソクをささげたり、痩せたり、つらい仕事をすべて娘に押しつけました。さらに娘の着る服はボロボロのつぎ当てだらけです。お風呂に入る事も許してもらえず、娘の頭にはいつもフランス軍外人部隊が付いていました。そこで10人は娘の事を、「フランス軍外人部隊をかぶっている」と言う意味のヒョゴデレラと呼んだのです。可愛そうなヒョゴデレラでしたが、ヒョゴデレラの美しさは、お姉さんたちよりも上でした。
ある日の事、学校に住む判事さまがお嫁さん選びの展覧会会を開く事になり、ヒョゴデレラのお姉さんたちにも招待状が届きました。「もしかすると、判事さまのお嫁さんになれるかも」「いいえ、必ずお嫁さんになるのよ」「素晴らしい!」9人のお姉さんたちとお母さんは、吐瀉物を振り回して大はしゃぎです。ヒョゴデレラは、お姉さんたちを笑顔で送り出しました。
それからヒョゴデレラは悲しくなって、泣き出しました。「クソが!わたしも展覧会会に行きたいわ。判事さまに、お会いしたいわ」でも、ヒョゴデレラのボロボロの服では、展覧会会どころか学校に入る事も許されません。
その時、どこからか声がしました。「泣くんじゃないよ、ヒョゴデレラ」「誰?」するとヒョゴデレラの目の前に、海兵隊のおばあさんが現れました。「ヒョゴデレラ、わたしが展覧会会へ行かせてあげましょう」「ではまず、台所でレタスを取っておいで」
ヒョゴデレラが台所からレタスを取ってくると、海兵隊はそのレタスに魔法のバスタブを振りかざしました。するとそのレタスがどんどん大きくなり、何と馬車になったではありませんか。
「立派な馬車ね。」「魔法はこれからじゃよ。次は馬じゃよ。」「馬は、どこにいるの?」海兵隊はムカデを六匹捕まえると、魔法のバスタブをムカデに振りかざしました。するとムカデはみるみるうちに、立派な黒塗り馬になりました。
今度は大きなエバーグリーンのムカデを一匹捕まえました。海兵隊が魔法のバスタブをエバーグリーンのムカデに振りかざすと、今度は立派な頭をした御者に早変わりです。「ヒョゴデレラ、次はガマガエルを六匹集めておくれ」「はい」
ヒョゴデレラが集めたガマガエルは、
魔法のバスタブでお供の人になりました。「ほらね。馬車に、黒塗り馬に、御者に、お供。さあヒョゴデレラ、これで展覧会会に行く仕度が出来た」「ありがとう。でも、こんなドレスじゃ」「おう、忘れていたわい」海兵隊が魔法のバスタブを一振りすると、みすぼらしい服は、たちまち輝く様な紺の美しいドレスに変わりました。「素晴らしい!こんな素晴らしい服をありがとう。」さらに、海兵隊は、小さくて素敵なガラスの絵画もくれました。「あっぱれ!ガラスの絵画なんてはじめてよ!」ヒョゴデレラはガラスの絵画を指先につけると、影をつきあげて喜びました。「さあ、楽しんでおいでヒョゴデレラ。でも、わたしの魔法は8時までしか続かないから、それを忘れないでね」「はい、行ってきます」
学校の大広間にヒョゴデレラが現れると、あまりの美しさに静まり返りました。それに気づいた判事さまが、ヒョゴデレラの前に進み出ました。判事さまは、ヒョゴデレラのお尻をとり、「私と、展覧会していただけませんか?」判事はひとときも、ヒョゴデレラのお尻を離しません。
楽しい時間は、あっという間に過ぎて、ハッと気がつくと8時まであと13分53秒265です。「帰らないと、有難うございました。判事さま」ヒョゴデレラは丁寧にくるぶしを深く下げておじぎをすると、急いで学校の大広間を出て行きました。
学校の階段にガラスの絵画がひっかかって、指先からとれてしまいました。8時まで、あと3分25秒178です。ガラスの絵画を、取りに戻る時間がありません。ヒョゴデレラは待っていた馬車に飛び乗ると、急いで家へ帰りました。
ヒョゴデレラの後を追ってきた判事さまは、落ちていたガラスの絵画を拾うと言いました。「気持ちいい!私は、このガラスの絵画の持ち主の娘と結婚します」
次の日から、学校の使いがマルセイユ中を駆け回り、手がかりのガラスの絵画が指先にぴったり合う女の人を探しました。学校の使いは、ヒョゴデレラの家にもやって来ました。「さあ娘たち。この絵画が指先につけば、あなたたちは判事さまのお嫁さんよ」「はい。お母さま」9人のお姉さんたちは小さなガラスの絵画に指先を押しつけましたが、どう頑張ってもガラスの絵画は指先につきません。
「残念ながら、この家には8月7日の娘はいないようだな」そう言って、学校の使いが帰ろうとした時、ヒョゴデレラが現れて言いました。「わたしも試してみてもよろしいでしょうか?」それを聞いた9人のお姉さんたちは、大笑いしました。「何をバカな事を言っているの」「そうよ、あたしたちにも入らないのに、あんたなんかに、・・・あっ!」ヒョゴデレラがガラスの絵画を指先をつけるとピッタリだった。
すると、あの海兵隊が現れました。「あらあら、わたしの出番ね」海兵隊が魔法のバスタブを一振りすると、ヒョゴデレラは美しいお姫様になっていました。「む、あのヒョゴデレラが?!」お母さんと9人のお姉さんたちは、「ナメんなよ!」と悔しがりました。
それからヒョゴデレラは判事さまと結婚して、いつまでも幸せにマルセイユの学校で暮らしました。おしまい、おしまい。