多摩街歩き

GPSの付いたカメラを持って多摩の街を歩いています。

立川崖線(西立川~柴崎体育館)

2012年07月15日 | 立川崖線/青柳崖線

またまた女房と二人連れで立川崖線を歩いてきた。前回歩いた青柳崖線から西に延びている部分だ。青柳崖線は多摩川の沖積低地(ちゅうせきていち)と「青柳面」という段丘面の間にある崖線だが、今回歩いた部分では青柳面はほとんど姿を消してしまい、一部を除いて多摩川の沖積低地はこのあたりの主要な段丘面である「立川面」に直接に面している。

今回の地図はこちら。(新しいウインドウが開きます)
(kmlファイルはこちら。ダウンロードしてGoogle Earthで開いてください)
青の線が立川崖線だ。いつものとおり、黄色のマーカの足元がカメラの位置を、赤の扇形がカメラの向きを示している。

青梅線の西立川駅から、昔からある道のように見える細い道を歩き始めた。 

写真1

細い道だ。東京の庶民の暮らしを支えていたのはこんな道なのだろう。1947年の空中写真を調べてみると、期待通りこの部分はちゃんと写っていた。 

写真2

下り坂がある。段丘崖(崖線)に近づいたらしい。左のブロック塀の奥は墓地のようだ。この道も昔からのものらしい。この道が市の境界になっていて、左(南東)側が立川市、右(北西)側が昭島市だ。

写真3

道はまだ下っていく。この付近で崖線を横切っているはずなのだが、宅地化が進んでいて地形は明瞭ではない。先の分かれ道を左に折れて、ハケ下(崖線の下)を立川方面に戻ることにした。

写真4

資料館があった。立川市歴史民俗資料館という。短時間だけ展示を見せてもらったのだが、面白いものを見つけた。次の写真だ。

写真5

「立川の地層」という展示パネルなのだが、この付近の二つの段丘面(立川面と青柳面)の関係が描いてあった。青柳面は谷保天満宮付近から立川駅の南にかけて存在していることは調べがついていたのだが、青柳面と立川面の境がどのあたりにあるのかが疑問だったのだ。この写真は大きなヒントになりそうだ。

資料館を出て、崖線に沿って進んで行く。

写真6

林が近づいてきた。道は緩やかに上っていく。右奥は低地になっていて、東京都農林総合研究センターの敷地になっている。段丘崖を目指して正面の道を進んで行く。

写真7

正面の家の奥が段丘崖らしい。密な林になっているようだ。

写真8

広場があり、段丘崖が目の前にある。ハケ下の特徴である湧き水もある。このあたりは東京都や立川市が崖線の緑地を保存している場所らしい。(立川市富士見緑地とのこと)
この付近での段丘崖の比高(上位の面と下位の面の標高の差)は13メートル前後らしい。 

写真9

道が崖線を斜めに登って行き、スイッチバック になっている。

このころから、困ったことになってしまった。写真9の上部が白くカブっているのだが、これはカメラのレンズ(正確にはレンズの前にある保護用の平面ガラス)の内側にクモリが生じてしまったのだ。このクモリは強くなったり弱くなったりしたが、結局崖線を離れるまで続いてしまった。

帰宅してからカメラのマニュアルを見ると、ちゃんと書いてあった。
 ・故障ではない
 ・電池とSDカードを外し、蓋を開けたままにしてしばらく放置すれば消える
とのこと。知らなかった… このカメラ(ニコンAW100)は防水なので、こんなトラブルになるとは予想していなかった。

写真10

ハケ上に出て少し歩くと、今回のお目当ての一つがあった。残堀川(ざんぼりがわ)だ。この川はほとんどの部分が人工的に作られた川なのだが、この場所で段丘崖を落ちる人工の滝になっているのだ。この日は水は流れていなかった。

写真11

ハケ下が広場になっている。下りてみることにした。

写真12

下から見た崖線。川は残堀川。人工の滝には水がなかったが、この部分はそれなりの水量があり、水もきれいだ。どうやら、ハケ下の湧き水をあつめた水路がこの水の源らしい。

写真13

ハケ上の道を進む。右がハケで、林や竹林になっている。

写真14

ハケ上に向かう道と、ハケ下に向かう道がある。ハケの付近ではよくある風景だ。ハケ上の道はハケ(段丘崖)から離れるようなので、ハケ下に出て残堀川の岸を進むことにした。

写真15

ハケ下の道。ハケはまばらな林になっている。

写真16

残堀川の岸に遊歩道がある。この崖はどうみても人工的なものだ。段丘崖を削って残堀川とこの遊歩道を通したのではないか。

この付近から、レンズのクモリが酷くなってしまった。立川崖線は多摩モノレールの柴崎体育館駅までたどることができたので、地図にマーカを付けておく。この部分の写真はまた撮ってくることにする。

マーカ1
崖線はこの付近で残堀川を離れて東に向かう。写真5に従えば、この近辺から東の崖線は青柳面と沖積低地の間にある段丘崖だ。したがって、正確さを求めるならば立川崖線ではなく青柳崖線と呼ぶべきだろう。この場所での崖線の比高(崖上の面と崖下の面の標高差)は3メートルほどに見える。これは目分量なので不正確だが、写真8の場所の比高(約13メートル)に比べるとずいぶん小さいのは確かだ。

マーカ2
この道路の南側が崖線らしく、密度の高い林が続いている。

マーカ3
この付近で道路が南に向かって下っている。崖線を横切っているのだろう。

マーカ4、マーカ5
この道路の南側が崖線らしい。急な崖になっていて、密な林になっている。

マーカ6
この場所では崖線を横から見ることができる。崖線はどうやら柴崎体育館駅のホームの北の端あたりを通っているらしい。

写真17

ハケ上の道路のそばの段丘崖の林の縁にこんなものが座っていた。カルガモだ。なぜか逃げる気配がない。ハケの林を家にしているのだろうか。

今回はここまで。

 

 



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