空色だより

 ~天気の解説、季節の話題などを随時更新します(NPO法人気象キャスターネットワーク)~

3月の記録的高温と、北海道の残雪

2013-04-02 12:50:10 | 天気

きのう気象庁から、3月の天候のまとめが発表されました。

気象庁ホームページより)

 

まず目立つのは、関東甲信地方を中心とした、記録的な高温

甲府や宇都宮など全国26地点で、

3月の平均気温の高い方からの一位を更新しました(タイ記録を含む)

とくに甲府は、平年より3.2度も高い11.2度!

これは4月上旬の気温に相当し、3月から春本番がやってきたことがデータからもわかります

 

ちなみに東京は平年より2.7度高い12.1度、2002年(12.2度)に次ぐ高い記録でした。

3月最後の週末30日(土)、31日(日)のきびしい寒の戻りがなければ、

2002年の記録を更新していた可能性も十分にありました

 

2002年といえば、各地でこれまでもっとも桜の開花が早かった年でもあります。

今年の桜が記録的に早かったのも、3月の記録的高温が大きく影響したことがわかります。

 

 

ところで北に目を向けると、北日本の日本海側は、実は3月も平年よりも寒くなりました

3月はじめに暴風雪に見舞われるなど、関東甲信などの記録的高温とは対照的。

きょう4月2日の午前9時の積雪は、札幌で70センチ(平年は約20センチ)。

北海道では、まだ2メートル以上の雪が残るところもあります

札幌管区気象台ホームページより)

 

 

新年度早々の東京の葉桜、そして対照的な例年以上に多く残る北海道の雪は、

初夏と真冬の空気が入り乱れた3月の名残の景色といえそうです。

(花散らしの雨の、東京都内)

 


東京、さくら満開!

2013-03-22 14:55:25 | 季節の便り

きょう3月22日、東京でさくらが満開を迎えました

東京のさくらの満開は平年に比べて12日も早く、

統計を取り始めた1953年以降で、2番目に早い満開となりました 


◆WCN事務局近くにある谷中霊園の桜並木 (東京都台東区)



さくらのトンネルを多くの人たちが散策しています





青空に映えるさくら



谷中霊園のさくらもほぼ満開です



きょうは高知、熊本でもさくらが満開を迎えました。

今後の開花予想は、気象キャスターネットワークの「桜の開花予想2013」をご覧ください

http://www.weathercaster.jp/web/sakura2013/


11年ぶりの早い「流氷接岸初日」

2013-01-17 22:03:14 | 季節の便り

きょう17日、網走で流氷接岸初日となりました

http://www.jma-net.go.jp/abashiri/kaihyou/kaihyou_2013-2.pdf 

(網走・紋別地方海氷情報 第2号)

 

平年より16日も早く、2002年(1月17日)以来の早い記録でした

http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/db/seaice/hokkaido/data/statistical/abashiri.txt

(網走地方気象台)

 

きょうの気象衛星ひまわりの画像(可視画像)をみると…

北海道のオホーツク海沿岸に広がる、

白っぽい、パーマがかかったように見える部分は、雲ではなく流氷です

(わかりにくいかもしれませんが。。。)

(気象庁ホームページより)

 

こちらの方が、さらにわかりやすいかもしれません

http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou//////db/seaice/satellite/daily/image/N2013011711-H.gif

 

この冬は例年以上に冬型の気圧配置の日が多く、北西の季節風が続いたため、

1月に入り流氷は一気に南下したと考えられます。

 

この週末からは、流氷観光船の運行もはじまるようで、

オホーツク海沿岸では、早くも本格的な流氷の季節を迎えました~

 


路面凍結の注意ポイント(写真で)

2013-01-15 22:34:26 | 季節の便り

16日朝は、きびしい冷え込みで各地で路面凍結が予想されています

とくに凍結が心配されるポイントを、写真でご紹介しましょう

 

1)橋の上

   地中からの暖かさの補給がなく、吹きっさらしで冷えやすい。

   しかも歩道など、雪かきをしてくれる人もいない。。。

 

2)住宅街、抜け道の日陰

   住宅街の日陰などは、なかなか雪がとけません。

   とくに車の通りが多い抜け道は、雪が踏み固められてすでにカチコチ

   スコップで砕こうとしても、なかなか削れません。。。

   しかもこんな道が通学路になっていることも多く、お子さんにとっても要注意です

 

   また轍(わだち)の間にとけた水がたまり、夜にはそれが凍ると・・・

   一見とけた部分のように見えても、じつは氷が張りツルりん。。。

 

東京などで大雪があると、その後3日間くらいは転倒事故が相次ぐと言われています。

 

東京都心では7年ぶり(最大8センチ)、横浜は12年ぶり(最大13センチ)の大雪のあと、

今週はとくに時間と心に余裕をもって、お出かけくださいませ。

 


7年ぶりの大雪と熱帯低気圧

2013-01-14 22:39:59 | 天気

前回の新年最初の記事に続き、7年ぶりの話題

 

きょう14日は関東甲信や東北南部などで大雪となり、各地の積雪は

仙台20センチ(震災以来もっとも多い)

横浜13センチ(12年ぶりの多さ)

そして東京都心は、7年ぶりの8センチを記録しました~

(上野公園の桜並木)

 

(寛永寺)

 

(上野桜木の交差点)

 

今回の大雪の特徴は、急速に発達した低気圧により、

当初の予想以上に寒気が南に引きづり込まれ、大雪となったとみられること

 

 

そして興味深いのは、2日前からの天気図をみると。。。

熱帯低気圧が取り込まれるようにして、低気圧が急速に発達していること

(36時間で、46hPa下がっています

 

もし熱帯低気圧がなければ、低気圧がここまで発達せず、

大雪になるような寒気も引きづりこまれなかった???

  

(気象庁ホームページの図を利用)