環境ホルモン2
2016年の6月25日付け日経新聞では、環境省が環境ホルモンの確認試験と規制を検討していることを報じました。
1 対象の化学物質
・ビスフェノールA ・ノニルフェノールエストロン ・オクチルフェノール
・ヒドロキシ安息香酸メチル ・ペンチルフェノール
2 内容
メダカを使った試験で次世代に影響が及ぶかを調べ、低い濃度でも異常がみられれば、環境基準の設定などを検討するという。
フランスは先行してビスフェノールAの使用を禁止している。
3 ビスフェノールAについて
厚生労働省のQ&A に詳細な説明が記載されています。
一応簡単に説明しておきましょう。プラスチックの原料として使われている化学物質で、女性ホルモンに似た化学式を持ち、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)として早くからその存在と影響が疑わていた代表的なものです。私的には、疑いのレベルをはるかに超えている物質です。
ビスフェノールAは、主にポリカーボネート、エポキシ樹脂と呼ばれるプラスチックの原料として使用される、下図のような構造の化学物質です。
★ ポリカーボネートについて
透明性・耐衝撃性・耐熱・難燃性・寸安定性などにおいて優れている。また、耐衝撃性は一般的なガラスの250倍以上といわれているようだ。詳しくは
当ブログのこちら で掲載してます。哺乳瓶や食器にも使われ、非常に多くの物に使われています。
4 ノニルフェノールエストロンについて
プロピレンの3重合体(ノネン)とフェノールの反応により工業的に合成されるもので、エチレンオキシドと反応させて、ノニルフェノールエトキシレートができる。
ノニルフェノールエトキシレートは非イオン系界面活性剤であり、工業用の洗浄剤、分散剤、ゴム用老化防止剤、酸化防止剤のTNPP(Tri nonyl phenyl phosphite)の原料として使われている。乳がん増加の原因として疑われている?
エストロンはエストロゲン(女性ホルモン)の一種。
5 ヒドロキシ安息香酸メチルについて
保存料、防腐剤として使われる。
6 オクチルフェノール ペンチルフェノール
精密化学品(染料中間物・ゴム薬品・ 界面活性剤他)の原料、写真感光材料の原料とされている。