空観方程式

「色」と「空」の一体化によって可視化され、相互作用で共感・共鳴が生じ、新たなる思いや生命力が実体化される。

利休と長明から学ぶ生き方

2015年05月30日 | 記事のコメント
完全なものはかえって長持ちしない。壊れやすく出来そこないの不完全がむしろバランスと
真剣に取り組もうとする魅力を含んでいる。
かくなるバランスの美意識は精神にも現れる。だから排除ではないのだ。全体のバランスを
重視するから、決断と断定のリーダーではなく調和を重視する世話役が好まれる。
あるいはうつろいに対する美意識、こうした意識は日本独自のように思う。
科学技術は厳格性が求められ、できそこないがいいとはならないので、ここでも厳格性との
調和が求められる。物事を進めるには厳格性や建前ばかりで決められない場合も多くあるからだ。

人間は必ず死を迎えるという厳格に決められた法則の中で、茶道では偶然に造形された織部焼のような
人生との調和を好み、焼きも低温で焼きそこないといってもいいくらいだ。
そのほうが熱さも形も肌ざわりも異質な感覚がなく、身体との一体化をもたらすというのである。
出来そこないがむしろ積極的な生き方に通じるのである。だから調和を重視するには程々がいいのである。
そこから新たな世界や目標に向かって具体的な行動が生まれる場合もある。

オイラーの公式COSθ+iSINθ=EXP(iθ)は色+空=新たに目指す姿(新次元)という三位一体
としての関係が双方から見えてくる。厳格さと出来きそこない、科学的普遍性とうつろいとの調和。
物事を「色」と「空」とに分けて混在させずに識別し、それが三位一体となった時、虚と実、即ち
バーチャルとファンタジーが現実と一体化して、これが「ワクワクにしての見える化」であって、
「心に伝わるもの」が共鳴して調和し、ポジテイブなものに変える「色即是空」の部分だと思う。



一方、鴨長明は言う、捨てたことによってこそ、満ち足りた幸せの心境になれる。
単に「心の豊かさがあればいい」「自由がいい」「多ければいい」「善であればいい」、そこから
「自由であればいいのですか」「美しければいいのですか」という事につながる。
プラスの”気”や、それこそ”ときめき”を感じて生きられないものだろうか。
失敗を恐れて、観念の世界に浸るだけではなく。善の為に悪を指摘する建前だけでなく。
ごちゃごちゃした人生の中から、すっきりとした純粋性が体現・一体化できるし、余分なものや心も
捨てることができる。何か信じるものがあれば、希望を持てる、のように満ち足りたもの。
多い少ないではなく、例えば我欲であっても大吟醸の一滴があれば、希望を持てるようなもの。


「挫折は好影響を与える」玄田有史東大教授
日経こころと経済学、第十章希望の役割 201/5/25より

挫折の経験者ほど現在が幸福だと感じにくい。
挫折経験者でそれを乗り越えてきた人ほど仕事に希望を持って取り組んでいる。
何か信じるものがある人ほど、希望を持っている。

まさしくこの点で長明に通じると感じたし、一方では
挫折を乗り越えるためには利休の思想が生きてくる。

善か悪かではなく、2つの要素が組み合わさる事により1つの効果以上に結果を上げる事が出来る
コンタクト・シナジーの相乗効果。
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