LastOneInch

デジタル化の波は頭蓋骨のすぐ外まで・・・

アナログ放送終了の前に何かが終わっている

2007-02-20 02:40:56 | 待コンテンツ

はてなが新しい動画サービス「Rimo」を公開したそうだ。

YouTubeをテレビで“ダラ見” はてな、Wii対応の動画サービス

私は最初、ここが何のサービスかよくわらずにクリックした。
すると、いきなりKAT-TUNのプロモ映像が流れたため、「ついにジャニーズが動いたか!」と驚いた。
が、調べてみたら、なんのことはない。YouTubeにガワを付けただけだった。
よくよく考えてみれば、PCの画面を通してKAT-TUNの顔を見たのはこれが始めてである。テレビを付けてれば、ほぼ必ず目にするのに。
どうやらジャニーズが今のテレビメディアと運命を供にすることに変わりは無いらしい。
インターネットに姿を現さないアイドルがテレビでインターネットを宣伝する。まさに茶番と言わずして(ry

私は、Rimoのような「正攻法」でないサービスが出てきてしまう事が残念でならない。
日米間のバックボーン回線は、ここ2年で急激に伸びている。
http://www.ntt.com/release/2007NEWS/0002/0205a.html
このトラフィックの内、数パーセントはYouTubeによるものだ。(YouTubeにアクセスしている半数は日本からのものと言われている)
つまり、わざわざアメリカ在住のサーバーを稼働させて、日本国内の動画需要を賄っている有様だ。
我が国はIT先進国を自負しながら、ネットでの動画需要を食料需給と同じく自国内で満たせていない。

Rimoは今人気の動画を自動的に抽出して再生する。
これを見て改めて思ったのは、YouTubeは日本の個々の視聴者の動向を知る事ができる、という点だ。
数百万人がザッピングする生の時系列データから、検索キーワードまで。
「今、何を見てるか?」だけでなく、「何を見たいのか?」を。
一方、テレビ局はたった300世帯分のデータを視聴率として唯一社の調査会社から手に入れ、それを主な指標としている。
当然ながら、そこにはロングテールのデータなど存在しない
(米軍の圧倒的物量を前に竹やりで挑む様を連想してしまうのは私だけだろうか?)

アンカテ(Uncategorizable Blog) に気になる記述があった。

一部情報によると、グーグルが大手メディアに対して10億円くらいかな、何の用途かはっきりしないようなお金を払ったという報道があって、その条件として 3年間はYouTube関連に訴訟を起こさない、その代わりに3年間でビジネスモデルを構築して、必ずコンテンツホルダーの皆さんにとってもハッピーになるようにしますからと言ったとか
http://d.hatena.ne.jp/essa/20070216/p1

事実であろうとなかろうと、コンテンツを制作する主導権が、コンテンツを通過させる関所(テレビ局)から奪われる事は良いことのように思えるし、実際それが時代の流れだろう。
だが、それがまたもや「外圧」という形でイニシアティブを奪われるのは幸せな事だろうか?
今、日本のYouTubeで人気のコンテンツは「あなたから出たコンテンツ」ではなく、テレビを通して生まれたコンテンツだ。
つまり、テレビ局だって今後も人気者でいられる道があるはずだ。
歴史の宿命がそれを許さないのか。
2011年にアナログ放送を終了するとき、テレビ局は既に何かを失って、現実の見えない大本営状態になっていると予想する。
その数年後に、生涯賃金ランキングの上位から姿を消していく事になるのだと思う。



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