ポスケブログ with 田中助六

twitterを敷衍すべく作ってみました。それ以外のことも、随時書き散らかそうと思っています。平成26年11月13日設置

儲かる国は救われる

2016-09-24 07:55:44 | twitter連動
TPPは安全保障であるという議論は、詰まるところ「米国資本の儲かる場所を米国は見捨てないはずだ」という他力本願である。こういうことを真顔で力説する連中は碌なものではない。

現在に至るまで米国が支那を締め付けなかったのは、支那が米国資本にとって美味しい国だったからに違いない。米国資本は支那経済に旨みがなくなれば支那に冷たくなるのは当然である。先のG20における習近平政権のオバマ大統領への嫌がらせとも思える対応は、支那が米国資本にとってもはや大きな旨みのある市場でなくなったことを如実に示しているのだろう。更に、悪いことに支那は地域覇権を唱え始めた。これは米国の核心的利益即ち覇権国としての地位に対する挑戦と受け取られたはずだ。こうなると、米国は支那市場に少々旨みがあるとしても、支那の覇権への挑戦の意図を一旦挫く必要が生じる。かくして、米国は支那の弱体化に着手したのである。支那が米国の覇権に挑戦せず、米国資本にとって旨みのある市場に戻るまでこの動きは止まないだろう。

では、英国を始めとする欧州資本が依然として支那に肩入れをするのはどうしてだろうか。支那の主導するAIIBにも欧州諸国だけでなく英連邦諸国もこぞって加盟した。昨年、英国王室は習近平を最大限のもてなしで歓待した。これらのことを併せて考えると、欧州資本は支那に深入りし過ぎて二進も三進もいかなくなっている側面と、英国資本を中心に支那の経済を利用して米国資本との対決を有利に進めようという側面との両方が存在しているようである。少なくとも英国資本は戦略的に支那を利用しようとしているはずで、人民元のSDR入りを強力に支援したのも英国始めとする欧州資本だったはずである。支那の経済力を英国の金融力の一部として使いドルの覇権に対抗するのが狙いだろう。

ロシアが欧米から締め付けられるのも、プーチンのロシアが欧米資本にとって美味しい国になることを拒んでいるからに違いない。日本の中にも米国資本から見捨てられることを恐れて、せっせと米国資本に日本人の富を献上する算段を付ける勢力が跋扈しているようだ。産経新聞正論欄に登場するいわゆる「親米保守」の人士がその典型である。確かに「平和ボケ」の著しい現在の日本人を見るに付け、安全保障を米国に丸投げする他ないという情勢判断は理解できる。しかし、彼等の論説のほとんどには「耐え難きを耐え忍び難きを忍び」といった風はない。むしろ嬉々として米国の軍門に下って安逸を貪ることに何の精神的痛痒をも感じていないかの如き態度を示す者さえ見受けられる始末である。こういう輩が憲法改正、自主憲法制定を主張するのだから、呆れるほかない。

米国資本にとって儲かる国に日本を変える。それが構造改革の目的であり、そうしないと米国が日本を見捨てるのではないか、という臆病風を吹かす連中が保守を名乗り、それが世間受けすることから蓮舫や枝野までが保守を名乗るのが現在の日本であり、それを多くの日本人が奇異に感じないのが現在の日本である。世も末とはこのことである。

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