JOVIAN CLOUD

積み重なる無意識をかき分けて
自分自身を見てみたい

三蔵法師

2006-07-29 00:14:22 | 研究活動
「(先天的な障害は)人間の、種としての可能性への挑戦によるものだと思います。変異は生命体としての人間の一部であり、本質ではないでしょうか?変異も含めてそれが『人間』なのですから、障害を持った人達への差別や偏見がいかにナンセンスであるかに早く皆気づくべきです」

今日の学科全体での立食パーティで三蔵法師先生(ある先生のあだ名です)に、障害を持ちながらも大学進学を志し努力しているバイト先の生徒さんと、彼女に対する周りの心無い発言などをポロっと話したときにこう言われました。

三蔵法師先生はそのあだ名からもわかるように、本当に優しく(その優しさは偽善や建前によるものではなく、真に先生のお人柄によるものであると強く感じます)、一緒に話しているとこちらの気持ちまで明るく、優しくなってきます。

先生は障害を持った人への差別や偏見は無意味であり、良くないものであるときっぱりはっきりおっしゃいました。そしてそうおっしゃる時の先生の目には力が入っていました。

それに比べて私は・・・・。
身体的に障害を持つ方々へは偏見や差別は無い(と自分では思っている)ですが、知的障害を持つ人達に対して心の奥底に偏見や差別を持っている事を知っています。時々バスや地下鉄で会う知的障害者の方々を「気持ち悪い」とか「私から離れてほしい」などと心の底で思っていました。口に出して言わないのは、そのような差別や偏見が良くないものだと教えられ、知っているから。そしてそのような事を口に出すことは、良識ある人としてやってはいけないことだと思うから。彼らに対しての差別や偏見が無いからではありませんでした。

けれども今夜は。
三蔵法師先生のあの力強い言葉と思いが私の心にも伝わって、心がすぅっと澄んだような感覚です。
これまであった黒くて汚い気持ちが無くなっているのを感じます。

この気持ちがいつまで続くかわからないけれども、また再び黒い雲に心が覆われそうになったら、先生のこの言葉とあの目を思い出して精一杯抗ってみようと思いました。