v6くるくる日記

「幸せな社会のための技術を語りたい?」日記

IPv6 World Congress開催その2

2006-02-27 00:23:28 | IPv6

IPv6 World Congress2日目のレポートです。

この日は前日の積み残しだったヨーロッパレポートの続きと、その後にIPv6普及のための技術ドライバとビジネスドライバの議論がagendaでした。

前日の議論の様子から、この日の議論もグチャグチャになる感じがしたので、私は最初に議論のガイドを提示することにしました。IPv6普及戦略を考えるときに、インフラの戦略とアプリケーション/ソリューションの戦略は全く別物なので、議論するときに区別しようというものです。インフラは普及啓蒙の相手が明確なのに比べ、アプリケーション/ソリューションはどこでイノベーションが起こるか不明であることが理由その1です。日本で起きていることを考えると、インフラとアプリのチキンエッグ問題の答えはすでに明らかであって、まずはインフラが先だろうということが、2つめの理由です。この2つめの理由からインフラ戦略をまずは議論したいと主張しました。江崎先生からはインフラの中でも、ISP、通信業者、キャンパスネット、企業インフラなどでは、全てインフラ導入のための状況もモチベーションも違うので、さらにこれらをきちんと区別しようと、賛意が示されました。

議論も最初はこういう流れで始まりましたが、しばらくたつとその辺の議論の焦点がボケてきました。各々が自由闊達に発言しだすにつれ、やれ「私はP2Pの浸透が重要だと思う」だとか「絶対セキュリティだ」とか、誰のどういうメリットを議論してるんだか、よくわからない議論になってきました。そのうち、パーマネントな固定アドレスが重要という主張に対し、ルーティング的にどうやるの?とかいうある意味不毛な議論にも時間が費やされました(笑)。そんな中でも江崎先生がコーディネータ不在状態を見るに見かねて、自分のPCをプロジェクタにつなげて、メモを取り出し、その記述ベースでようやくなんとかまとまったと思います。

まあ、こういうのを見るにつけ、日本は諸外国に対し、2年ぐらいは進んでるかなと思いました。他の産業の方々とかと実証実験ベースで話したり、経験したりすることにより、技術そのものだけでなく、導入に対する考え方に一日の長を感じました。

また、一般的に言って、欧米人って日本が進んでいること自体は認めてはいても、自分たちで主導権だけは握りたいようですね。国際連携的には、私はAsia Pacific IPv6 Task Forceとかも主宰していますけど、これは雰囲気が全然違います。もちろん日本をライバル視はしますが、全体の主導権はかなり日本に任されています。

さて、実はこの会議、残りの半日でラップアップをやって終わりですが、私は日本で用事もあり、一日早く引き上げます。後日、IPv6 Forumとしてドキュメントがでるそうです。また、出てきたらご紹介します。

 



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