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森の音楽学園に通っていたころ、毎朝立ち寄っていたコンビニがあります。


わたしは料理を一切しないので、食事はすべてコンビニで済ませていました。森の音楽学園にはほぼ毎日通っていたのですが、練習の前の朝ご飯をコンビニで買ってからレッスン室に入るというのが、わたしの決まったパターンでした。


そのコンビニで、毎日のように顔を合わせる店員さんがいました。てんさんと言います。中国から来たと言っていました。とても上手な日本語を話す人でした。


ピアノを習っていて、その教室がすぐ近くにあって、家にはピアノがないから、毎日練習しに来ているのだと言うと、てんさんはピアノはとても好きだと言いました。いつかわたしのピアノを聴かせてほしいと言ってくれました。


発表会の前にわたしが森の音楽学園を辞めてしまい、また戻って習い始めたときには、てんさんがコンビニを辞めてしまったみたいでした。


てんさんは今まで知り合った女性の中で、わたしの笑顔が一番素敵だと言って褒めてくれました。男の人からそんなこと言われてすごく恥ずかしかったけれど、そういうてんさんのほうがちょっと照れたみたいな表情をしたので、わたしは笑ってしまいました。



またピアノを弾こうと思います。