里山コスモスブログ

ホオノキ(朴の木) 赤い果実




上:蕾の中を観察ー雌蕊・雄蕊共に伏せている


上:開花当日ー雌性期・・・雌蕊が立ち上がり、雄蕊は早や下方から緩み始めた

上下:開花翌日ー雄性期・・・雌蕊は伏せ、雄蕊全体が花粉を分泌、役割を終えたものから落脱していく


ホオノキ (朴の木 モクレン科 モクレン属 学名Magnolia obovata 落葉高木 雌雄同株 両性花 花期5月 果期8,9月) 冬芽は枝先につき、大きな毛筆形で、キャップ状の1枚の芽麟に包まれている。混芽と葉芽があり、混芽が膨らむとキャップが脱げ落ち、新葉と蕾が展開する。新葉は枝先に輪生状に広がる。葉は大型で倒卵状楕円形、縁は全縁。蕾が膨らむと最外側の花被3片(萼状片)が平開して反り返り、内側の花被6~9片(花弁状)が開く。柱状の花床の上部に雌蕊が多数螺旋状につき、下部に雄蕊がつく。花糸は紅色で葯は黄白色。蕾の中を観察すると雌蕊・雄蕊は伏せた状態であるが、蕾が開きかける時には既に雌蕊は立ち上がっており受粉可能な状態、開花して間もなくその日の内に雄蕊(赤い花糸と白い葯)の間隔が緩み花粉の分泌を始める。雌蕊は翌日には伏せ、雄蕊は盛んに花粉を分泌し、役目を果たしたものから崩落していく。このように雌性先熟が観察されるが、雌性期の期間が短く、雄性期の開始が早いので、雌性から雄性への移行は明確ではなく両性期の期間が介在するようである。狙いは自家受粉忌避だが結果自家受粉も已む終えずと言ったところか。開花翌日には花粉分泌を終えた雄蕊はザラザラと崩落し始める。強い芳香で虫を誘い短時間の内に授受分を済ませる戦略のよう。個々の花は命短しであるが次々と蕾が膨らみ開花していくので木全体の花期は長い。果実は袋果が多数集まった集合果で、熟すと袋が開き赤い仮種皮に覆われた種子(1,2個)が現れる。種子は伸縮性の白い糸(珠柄)で袋と結ばれている。赤い仮種皮とその内側の白い内種皮を取り除くと窪みを持つ黒い種子が出てきた。
属名Magnolia フランスのMontpellierの王立植物園ディレクター(理事orト取締役)兼植物学教授のPierre Magnol(1738~1815)に因む。
種小名obovata  obovatus 倒卵形の(倒卵状楕円形の葉を指すと思うが)


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「8 樹木 花と葉と果実」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2024年
2021年
人気記事