雌花:子房7~9個、先端が柱頭 雄花:雄蕊6個
上;白花種
上2段:アケビ(5小葉、全縁) 下:ミツバアケビ
アケビ (アケビ科 アケビ属 学名Akebia quinata 蔓性落葉木本 雌雄同株 花期4月頃 果期10月) 葉は5枚の小葉が掌状につく複葉で互生する。小葉は楕円形で縁は全縁。雌雄同株の雌雄異花で花被は3片。雄花は6個の雄蕊が房状につき、雌花は円柱状の子房(離生心皮)が6~9本放射状につく。花柱はなく子房の先端に柱頭がつく。柱頭には粘着性の分泌物がつき花粉がこれに付着すると受粉する。果実は一つの雌花に子房の数だけ生るが、2個ないし4,5個成熟したのをよく見かける。10月頃に成熟し淡紫色に色づき、果皮が心皮の合着線に沿って裂開し、多数の種子を包んだ甘い胎座が裸出する。この胎座は山鳥や哺乳類に食べられ種子が散布される他、里山の子等の腹を満たす。3枚の小葉がつくミツバアケビがあり、栽培にはこちらが適するようである。アケビは不和合性があり結実には多品種の花粉が必要。従って実生は雑種となる。蔓は昔から編籠などに利用されてきた。
属名Akebia 日本名あけびから 種小名quinatus 五つの小葉の意 <quintet 5重奏>
ミツバアケビ Akebia trifoliata 種小名trifoliata 3枚葉(3枚の小葉の意) 小葉に切れ込み状の鋸歯がある。
ゴヨウアケビ Akebia x pentaphylla アケビとミツバアケビの交配雑種と言われ、小葉は5枚で、縁に切れ込み状の鋸歯が見られる。園芸上アケビ(Akebia quinata)をゴヨウアケビと呼んで流通していることがある。
種小名pentaphylla penta- Phyllis はギリシャ語 (五つの葉)からくる。