上:花被片6(外側に細萼片、内側に花弁)、雄蕊6、柱頭1 下:果皮が脱落しかけて種子が裸出しつつある
ヤブラン (藪欄 クサスギカズラ科 (旧ユリ科) スズラン亜科<APG> ヤブラン属 学名Liriope muscari syn. Liriope platyphylla 常緑多年草 花期8,9月) 和名は藪に生え、葉がランに似ることに由来。葉は常緑、線形で長い。8月頃から穂状の花序を出し淡紫色の小花を密につける。花は花被片6、雄蕊6、雌蕊1。花の隣りには既に結実している状態のものが見える。果実はさく果。ひとつの果実に種子が3,4個生る。果皮が早期に剥脱するため、裸の種子を観察することになる。(Asparagaceaeクサスギカズラ科とは聞きなれないが同科にアスパラガスがある)。
属名Liriope ギリシャ神話のニンフ(精霊・妖精)の名前からくる。 ヒガンバナ科(旧ユリ科)スイセン属Narcissus は泉に映った自分に恋焦がれたこの美少年ナルキッソスに因み、その母がニンフLiriope リリオペだという。(旧分類体系ではヤブラン、スイセンどちらもユリ科に分類されていたことから、少年と母の関連付けで命名されたのであろうか。
種小名muscari 花序がユリ科Muscari ムスカリ属(花壇でよく見られる)に似るのでその属名Muscari を転用したか? Muscariはギリシャ語moschos麝香からくるという。(ラテン語muscari はFLY-FLAP 蠅の羽ばたきと出た)
platyphylla 板状の葉の意