上:サルナシ 下:キーウィ
サルナシ (猿梨 マタタビ科 マタタビ属 学名Actinidia arguta (Siebold et Zucc.) Planch. ex Miq. 落葉つる性木本 花期5,6月 果期10月頃 別名シラクチカズラ) 和名は果実の色形が梨に似て猿が好むことに由来するという。葉は互生、葉身は軍配形、縁には芒状の細鋸歯。葉柄は赤味を帯びる。花は萼6、花弁は5~6片。写真は両性花で、子房の上に多数の糸状に裂した柱頭、子房の基部に雄蕊群がつき、子房を挟んで雄蕊と雌蕊が2層になっている。果実(液果)は10月頃に緑褐色に熟す。まだ固かったが採取し1,2日追熟させると柔らかくなった。輪切りしてみるとその断面は形も味もミニキウィフルーツそのものである。天然物なので果実は小さい。サルナシ(シラクチカズラ)の蔓は長くそして丈夫であり、祖谷(いや)のかずら橋(徳島県三好市 旧西祖谷山村にしいややまそん)にも使用されている。(“祖谷のかずら橋” 検索)。
キウィフルーツはサルナシの近縁種のシナサルナシ(学名Actinidia chinensis 中国南部原産)がニュージーランドに導入され、品種改良の結果栽培果樹になったものと言われる。Actinidia deliciosa あるいは Actinidia chinensis に分類される。雌雄異株で結実させるには雄株も植える必要があるとの記載あるが、私は「雌雄異株であるが、雄株には雄花が咲き、雌株の雌花には立派な雄蕊があり両性花ではないか、両性花であるが自家受粉で結実しないのではないか」と臍を曲げて主張したい。
属名Actinidia <actinicos> 放射状の (多数の花柱が放射状に伸びている意)
種小名arguta argutus 鋭い。鋭く尖った芒状の鋸歯を指すのだろうか(不詳)
命名者(Siebold et Zucc.) Planch. ex Miq. シーボルト&ツッカリーニが最初に命名。
Planch. ex Miq.:エミール・プランコン(Jules E'mile Planchon 1823-1888 標準表記Planch.)が属名を変更、 ドイツの植物学者ミケル(Friedrik A. W. Mique1811-1871 標準表記Miq.)がそのことを発表し記載して登録した。