上:4輪生の葉 下:節々に輪生する典型的な花序
雄蕊が花粉分泌を終える頃に柱頭が浅3裂(4裂もある)する
ツリガネニンジン (釣鐘人参 キキョウ科 ツリガネニンジン属 学名Adenophora triphylla var. japonica 花期8月~10月) 茎高1mほど、葉は卵形で4枚ほどが節々に輪生、縁に鋸歯。根生葉は丸く長い葉柄を持つが茎上部の葉は葉柄がごく短い。花は白色~淡青紫色の釣鐘形で節々に輪生する。萼は針状5,6片で鋸歯がある、花冠は5中裂、雄蕊5、花柱が花冠から長く突出し柱頭が浅3裂(4裂もある)する。雄性先熟で、雄性期には柱頭は棍棒状に閉じており、雌性期に柱頭が3裂し受粉可能となる。根はゴボウ状に肥大し、沙参(シャジン)と呼ばれる生薬の原料となる。和名は花の形が釣鐘形で、根が朝鮮人参に似ることによる。基本種のサイヨウシャジン(細葉沙参)は中国地方以南に生育し、葉幅が細く、花柱が花冠の長さほど突き出る)。
ツリガネニンジンと同属のソバナはよく似ている。又、ソバナとホタルブクロ属のハタザオキキョウとが似る。
属名Adenophora 腺群がある (乳液を出す腺細胞がある)
種小名triphylla tria、tres 3枚+folia folium=phylla phylum 葉 3~5枚輪生する)葉を指すか
サイヨウシャジン(細葉沙参 Adenophora triphylla var. triphylla )
ソバナ(岨菜/蕎麦菜 キキョウ科 ツリガネニンジン属 学名Adenophora remotiflora ) remoti-flora 花が輪生せず疎らにつく意か。葉は互生、花は釣鐘形、雌蕊は花冠と同長で、柱頭は浅3裂する。
上2段:ハタザオキキョウ 上段は荒畑で観察、栽培されていた名残であろう。
下段はソバナとの見分けが難しいが柱頭が深3裂して強く反転しているのでハタザオキキョウと思う
ハタザオキキョウ (旗竿桔梗 キキョウ科 ホタルブクロ属 学名Campanula rapunculoides) ヨーロッパ原産の帰化植物。葉は互生、花は釣鐘形、雌蕊は花冠から突き出て、柱頭は5裂してキキョウと同様にクルリと反転する。種小名 はrapunculus+oides 同属のrapunculusに似たという意味。