うるしのまわり

   塗師の日々から

祇園祭との関わり

2007-07-14 | 身のまわり
祇園祭もクライマックスの山鉾巡行へ向けて盛り上がってきました。
画像は山の一つ、巡行ではいつも最後尾を務める南観音山です。

私もうるしの仕事を通して祇園祭との関わりがあります。
この南観音山をはじめ大型の山鉾の櫓の部分は
うるし塗りの柱や梁、天井できています。
南観音山は飾り金具が少なく、うるしの露出部分が大きいので
その美しさを保つためのメンテナンスが必要です。

そこで、巡行の翌日18日の朝、先輩後輩と共に解体作業のお手伝いへ向かいます。
私達の担当は、塗りの面の汚れ落しとツヤ出しです。
仕事の道具はタオル、菜種油、砥の粉の三点。
そして、一番重要なのは私たちの手のひらなのです。

宵山などの期間中に付いた手脂などの汚れ、ホコリをまずはタオルで拭い
菜種油をうるしの上に薄くのばします。
わずかな砥の粉を手のひらにとって、油を拭うように手のひら全体で磨いていきます。
このときの微妙な匙加減もあるのですが、普段から磨きの仕事をしていると
手のひらそのものが最高の磨き道具に変わってくるのです。

私も今年で14回目になりますが、初めての時や2回目くらいまでは
まだまだ油と砥の粉と皮膚の関係はぎこちないものでした。

今年は組み立ての日からずっと雨続き、
こんな年は水滴汚れも加わって磨きが厄介なものなります。
それでも、みなさんに愛される祇園祭の一端を担う者として
今年もキュッキュッと気持ちを込めて磨いてきます。
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
祇園祭 (サッキー)
2007-07-14 17:50:53
そうでしたか、いつも綺麗に手入れが行き届いたいるなぁと思ってましたらそのように為さっておられるんですか、
やはり職人さんの心を込めたお仕事の賜なんですね、
ご苦労様です。
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お礼 (lotta)
2007-07-15 20:15:07
昨日は雨の中をジュンク堂までお出ましいただき、
ありがとうございました。
南観音山のメンテをなさってるんですか。
菜種油に砥の粉と掌なのですね、
勉強になりました。

返信する
Unknown (岩渕)
2007-07-16 21:56:32
>サッキーさん
さすがに細かいところまで御覧になっていますねぇ。
恐れ入りました。

でも私たち、もし壊れた部分を発見しても
その修理には関われないのです。
文化財ですので、その道の資格を持ったところが担当します。

>lottaさん
コメントありがとうございます!
先日のような会場へ伺う経験は初めてのため
かなりガチガチでしたが、
行って良かったと思いながら帰ったのでした。

メンテ、年にたった一日だけのお仕事ですが
地方出身者としては なかなかうれしいものです。
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