『エリザベート』の感想文

去年２回観て演目的にさほど思い入れはないけれど、歌がドラマチックで好きだったので今年も一度は観たいと思っていた『エリザベート』。実はワタシ、愛が足りなかったのか(笑)、テレザもナビザも全敗だったのですが、ありがたいことに友だちがチケットを譲ってくれて、この日の観劇とあいなりました。ついこの間まで同じ日生劇場でレミゼ祭りだったワタシは、頭がまだレミボケ状態。しかし、武田新トートがゴンドラで降りてきたところで目が醒めました(笑)。以下ちょっとした感想を。ネタバレあるかもしれません。武田トート未体験の方はお気を付けくださいまし。

『エリザベート』
5月4日（祝）ソワレ　日生劇場　2FB列サイド
（武田トート、禅フランツ、パクルド、寿ゾフィー、苫篠ちびルド＝ちび正巳ぼっちゃま・笑）

１回きりの観劇なのでなるべくあちこち見たいと思っていたのですが、やっぱり新トートに目が行ってしまいました。その武田トート。小さいときいて覚悟していたんですが、いやもー本当に小さい！おまけに細い！若い！靴底が厚い！衣装が多い！しかも胸はだけ過ぎ！　某でかいトートはさておき(笑)、内野トートと比べても、かなりちょこまかと身振り手振りが多いです。こ、これは小悪魔的キャラ作りということなのでしょうか？　しかしそれにしてはどうにも“黄泉の帝王”という人間離れした感じがしません。トートダンサーを引き連れて一路シシーに絡むシーンは、ぶっちゃけ、中高生くらいのヤンキーがええとこの年上のお嬢さんをかつあげしてるみたいにしか見えませんでした(笑)。ワタシの頭の中では背景にコンビニまで足しちゃってましたよ。
歌は♪ウオゥオウ♪な内野トート路線？　友だちによると初日よりはだいぶマシということでしたが、ミュージカル的にはやっぱりちょっとそのモニョモニョ。声量が一定しなくて急に大声になったかと思うとほとんど聞こえなくなっちゃうところもあり。〈闇が広がる〉なんか、最後ほとんどルドルフのソロナンバーみたいに聞こえました。ルドルフと言えば！　武田さんが小さい方だときいてから、ワタシの関心はルドルフとのチューはどうするのか？という一点だったわけですが(笑)、まず〈闇広〉ではルドルフ、いきなりひざまずき、ちびトートの足にすがりつきました！　その後も２人はなるべく近寄らず、問題のチューシーンはルドルフが腰を落として後ろにエビぞりです！(笑)　かな～り体勢に無理があります！　しかもパクさん体が硬いのか、足がプルプル小刻みに震えてました。友だちによると、初日の浦井ルドはしなやかなエビぞり、つまりイナバウアー状態だったそうです(笑)。いや～おもしろかった。笑いを堪えるのに腹筋が痛くなりましたよ。てか、ここ笑うシーンなのか？(爆)
ま、そんなこんなで正直ワタシ的にはちょっとな～と思った新トートではありましたが、すでに出来上がってるカンパニーの中に途中から飛び込んだ勇気は素晴らしいと思います（カテコでは暖かく迎え入れられてる雰囲気で微笑ましかった）。それから、武田トートは相手のセリフやら歌の内容に反応して動くので、ま、ちょっと動き多過ぎ感はあるものの、トートの心情なんかが分かりやすくてその点は良かったかも（某でかいトートは逆に動きが少なすぎで(笑)、そのへんがあまり伝わってこなかったので）。楽までガンバレ！ちびトート！　とは言え、そもそもこの演目にはあまり演技とか感情移入とかを期待してないワタシとしては、やっぱりドカーンと上手な歌が聴きたかったかなあ～。というわけで今、モーレツに山口トートが観たい！

他キャストについてもちょっと。一路さんは最初オケと合ってなかったり、若作り声のとき高音が苦しそうだったりしたので心配したのですが、中盤以降はしっかり聴かせてくれました。あの大変な曲をシングルキャストでって、ほんと凄いですね。その一路さんと石川禅さんの〈夜のボート〉。二人が別々の歌詞を同時に歌うところで、不覚にもオペラグラスで禅さんをガン見したら案の定、速攻で泣けました。ええ表情しとるわ～、禅さん。この時のフランツ皇帝の衣装が金ボタンが２列に並んだ紺色？のコートで、ついレミゼのジャベールを想起。そしたら死ぬほど禅さんのジャベールが観たくなりました。超泣けそうじゃないですか？　よろしく頼むよ！＞東宝。
そしてこの日ワタシの心を虜にしたのは〈ミルク〉でアンサンブルとして出て来たパクさんの二の腕！(萌)　パクさんはカテコでもすごく天然でかわいかった。何回目かのカテコでプリンシパルの皆さんが冗談で、あくまでも冗談で、何か挨拶しろと即したのを真に受けて、マイクも入ってないのに本当に挨拶始めちゃって、舞台も客席も大ウケでした。この日はパクさんの初日だったみたいですね。パクさんって演技もいいし声もキレイで良く通るし、ぜひともアンジョルラスで見てみたいと思ってしまいました。よろしく頼むよ！＞東宝。
『エリザ』を観たのに最後には『レミゼ』に持って行くあたり、まだレミボケが抜けてないみたいです。とほほ。