4月28日の春日部共栄高校の定期演奏会。
また、6月9日、伊奈学園総合高校が行なった東海大学付属高輪台高校とのジョイントコンサート。
そして、6月16日の埼玉栄高校の第36回定期演奏会。
やっと今年は、全国にとどろく埼玉県高校ビッグ3を制覇?です。
晩春から初夏にかけての近い時期に、埼玉県の吹奏楽名門校のコンディションをみることが出来て幸せです。
ただ、埼玉栄高校は昨年の第59回全日本吹奏楽コンクールで、まさかの銅賞をくらってしまい、悔しい思いで「三出(全国大会は三年連続出場すると4年目はコンクールに出場できないという規定)」迎えていることでしょう。
(私は実際に普門館で生演奏を聴きましたが、金賞はともかく、銅賞の演奏ではなかった。)
ただし、今年は7月にウィーン国際青少年音楽祭のコンクールに出場されるとのことで、去年の悔しさもバネに日本代表として頑張ってほしいものです。
その埼玉栄がどんなパフォーマンスをみせてくれるのか、興味津々でした。
仕事を終えてからの大宮ソニックシティホールです。
午後5時前に着きましたが、会場の前は人であふれかえっています。
初めてこの定期演奏会に来たので座席の指定券をもらうのにまごついてしまい余計な時間がかかったように思います。
手続きがもう少し、わかりやすければ…。
余計なことはこれくらいにします。
私もようやく、ホール内に入りました。
今回は大宮ソニックシティホール初めての二階席です。
しかも、自分の席に着きますと周りは女子中学生だらけでした。
オジサンは多少、居心地悪く思いながらも開演を待つしかありません。
演奏会は3部構成になっており、2番目がいわゆる硬軟取り混ぜるの中の“軟”の部分です。
通常、高校の場合、3部構成なら、一番最後がポピュラー音楽とかの場合が多いのにと思いました。
開演時間になりました。
まず、最初は学生指揮による校歌演奏。
それに続いて校長の挨拶。
堅苦しいように思いますが、学校の名を背負って演奏会をやっているのですから、私には非常に好感が持てました。
さあ、お待ちかね第一部の開演です。
「交響曲第3番“ドン・キホーテ”より」(R.W.スミス)。
出だしの音、美しい。
ユーホの音もとてもきれいです。
定期演奏会に行くと初っ端の曲は、ぼやけた演奏になる団体が多々ありますが、しっかりとした演奏を聴かせてくれ、さすが埼玉栄だなと。
2曲目は「ただ憧れを知る者のみが」(P.I.チャイコフスキー/木村政巳)。
ゆったりと流れる、美しいメロディ。
前夜の睡眠不足も影響し、あまりの心地よさに記憶のとんだ一瞬もありました…。
ただ、惜しむらくは多少、音程の気になるところがあったことです。
次は今年の課題曲2曲。
課題曲Ⅳ「行進曲“希望の空”」(和田 信)は、今年、都立片倉高校、東海大学付属仰星高校、神奈川大学の演奏を生で聴かせて頂きました。
神奈川大学の洗練された完成度の高い演奏には及びませんが、高校の演奏の中では埼玉栄が一番好みの演奏でした。
課題曲Ⅴ「香り立つ刹那」(長生 淳)は、難曲を見事にこなしていました。
私のような素人からみると、どこをどう聴いていれば複数の演奏を順位をつけて評価できるのか、さっぱりわからない曲です。
それでも、演奏の巧拙ではなくて、雰囲気やその団体にマッチしているかどうかの意見(ハッキリ言ってしまうと私の“好き嫌い”)で判断するしかないなと思った次第。
第一部、最後の曲は「パガニーニ ヴァリエーション」(P.ウィルビー)です。
偶然ですが、ちょうど一週間前、川口リリアで行われた、地元埼玉の伊奈学園総合高校と東海大付属高輪台高校のジョイントコンサートでこの曲を伊奈学園の演奏で聴いています。
どちらも甲乙つけがたい優れた演奏でしたが、“歌ってる”と思ったのは埼玉栄の方でした。(これは個人的な意見です。)
埼玉栄はメロディラインの表現の仕方が素晴らしいとあらためて思いました。
第二部は「From the SAKAE 2012 ~207人の笑顔~」(吹奏楽部3年 企画・構成)と題したステージです。
皆さんの芸達者ぶりには感服いたしました。
演奏はもちろん、様々な“出し物?”で楽しませてくれましたが、他の学校の同じようなステージとは少しだけ違う“部分”がありました。
それがとても良かった。
通常ですと(司会やナレーションの部分を除いて)、演奏をバックに踊る、歌う等の必ず、自分たちの演奏をからめたパフォーマンスで楽しませてくれます。
ただし、これがしばらく続くと私のようなオヤジやお年寄りは疲れてしまう。
今回の埼玉栄の演奏会では、演奏に全然関係ない事(漫才、コント等)をやり、音のなってない時間をつくり、耳を休ませてくれた。
しかも、キチンと観客を楽しませながら。
だからこそ、再び演奏が始まった時、心地よく聴けたのです。
これは、あくまでもこのような場合だけの話ですが…。
第三部は演奏会、最後のステージです。
1曲目は「吹奏楽のための練習曲」(小林 徹)。
これは私にとってたまらない選曲です。
この曲は1975年のコンクール課題曲の中の1曲なのですが、当時は課題曲4曲のうち、A吹奏楽のための小前奏曲(郡司 孝)、Bポップス・オーバーチュア「未来への展開」(岩井直溥)のAB2曲が中学生、Cが今回の曲、D吹奏楽のためのシンフォニック・ポップスへの指標(河辺浩市)のCD2曲が高校生以上と完全に分かれていました。
私は、この年、中学3年生でコンクールに出場していましたから、演奏はしていませんが非常に懐かしい。
中学生の頃の記憶がよみがえる思いでした。
埼玉栄の演奏も素晴らしかった。
素敵な時間をありがとうってカンジです。
次はご存知、「科戸の鵲巣~吹奏楽のための祝典序曲~」(中橋愛生)。
ある意味、私にとって(私だけにと言い換えるべきか…)、本日の演奏会メインの曲でした。
埼玉栄が決して、コンクールでは自由曲に選ばないであろう曲をどう料理してくるか、楽しみです。
先程も書いたとおり、曲を歌うこと(メロディラインの表現力)は、天下一品です。
素晴らしい演奏でした。
ただ、ほんの少し違和感も感じた。
その正体は、やはり躍動感だと思う。
言い換えるとスピード感とも言えます。
テンポの速い部分を演奏していても、スピード感を感じない。
ほんとに少しだけですが、そんな部分があるように思いました。
素人のオヤジが生意気にもそんな風に感じました。ご容赦下さい。
蛇足ながら、鵲(かささぎ)の鳴き声を擬した木管のパッセージは、もっと元気よくやった方がいいと思いました。
あのままじゃ、鵲が風邪ひいてるみたいです…。
3曲目は「愛の妙薬」(G.ドニゼッティ/宍倉 晃)です。
オペラですよ。オペラ。
この手の曲で日本の高校バンドの中では埼玉栄の右に出る団体はいないでしょう。(近年、大阪桐蔭が猛追してますね。)
演奏はとても素晴らしかった。ブラボー!
まさに舞台上が“栄ワールド”になっていました。脱帽です。
大トリの曲は、人気曲「三つのジャポニズム」(真島俊夫)。
オリジナル曲ながら、日本的なメロディの聞かせどころも、ふんだんで、とてもいい演奏でした。
この曲はウィーンでも演奏されるそうですが、必ずや最高評価を得る事と確信しております。
アンコールのあと、最大に盛り上がって定期演奏会が終了しました。
さて、オヤジが思うにコンクールにそれなりの結果を残している団体の演奏会は必ず、期待以上のものを観客に与えてくれる。
素晴らしいことです。
そして、今回もその素晴らしい思いを与えてくれた埼玉栄高校に大感謝です。
今後も埼玉県の高校吹奏楽界をけん引する原動力となって下さい!
とりあえず、ウィーン国際青少年音楽祭、ガンバッテ!!
ところでアンコールの合唱も手話でやっていましたが、あの曲は何と言う曲なのでしょうか?
最近は高校の吹奏楽部の演奏会に行くと必ずと言っていいほど合唱曲がアンコールに使われる場合が多いです。
僕もメモしなかったので何の曲かわかりません。
でも、「あすという日が」だったかも。
ハヤりですので。
北海道の旭川商業高等学校のオリジナルのようです。とてもいい曲で、「旅立ちの日に」同様、全国で流行りそうだなぁ。と思いました。
埼玉栄吹奏楽部員です。
定期演奏会、お足元の悪い中観に来て頂き、
ありがとうございました。
温かい言葉の数々・・・とても嬉しく思います。
私は吹奏楽が大好きです。
定期演奏会のときに頂いた沢山の拍手を胸に、
これからも日本一の努力をしていきたいと
思います。
埼玉栄の吹奏楽部員の方からコメントを頂き、恐縮です。
私は埼玉栄高校吹奏楽部と縁もゆかりもない人間ですが、これからも地元、埼玉の代表と言うことで応援していきます。
頑張って下さい。
(本文中にも書きましたが、去年のコンクールの結果はおかしかった。それと同じように2009年の「ポカホンタス」は絶対、金賞でしょう!)
旭川商業高校吹奏楽部顧問 佐藤 淳
旭川商業高校の佐藤先生にコメントを頂けるなんて誠に恐縮です。
また、合唱曲「夜明け」誕生の秘話、興味深く拝読させて頂きました。
(私も、この曲がこののち歌い継がれていくことを切に望みます。)
全国に何百、何千とある吹奏楽部にも、このような様々なドラマがあるのでしょうね。
私も意識が、ん十年前の学生時代に戻ったようで嬉しかった。
今後も旭川商業高校のご活躍を祈っております。
本日は本当にありがとうございました。
芸人部門で盛り上げたにゃん太の母でございます(*^^*)
本日無事にウィーンから帰宅。
栄冠を手にしました。
温かい応援有難うございました。
にゃんママさん、情報ありがとうございます。
そして、おめでとうございます。
本当にすごいですね!