浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

なにわ《オーケストラル》ウィンズ演奏会2013(東京芸術劇場)

2013-05-11 23:24:55 | 吹奏楽

なにわ《オーケストラル》ウィンズ」という名前だけは知っていました。
CDショップで発売されている物の中に名前を見かけたことがあったからです。
「なにわ」って付くくらいですから、大阪の一般バンドの名前かな、くらいにしか思っていませんでした。
しかし、先日行ったコンサートでもらったチラシの中に“その名前”を見つけました。
その時にこの団体が、いかなる集団なのか初めて知りました。
何でも日本国中のオーケストラ等で活躍する管打楽器奏者が年に1回、一同に会して吹奏楽のコンサートを開催する…、そんなことのようです。
大阪と東京での2回公演のようですね。
というわけで、「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」をよく知らなかった己を恥入り、東京公演に訪れることになった次第です。

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今年は吹奏楽の特殊な催し(「饗宴」「JWECC」etc.)に行かせて頂く機会も有り、私にとって“新規”のコンサートは非常に楽しみでした。
HPを拝見させて頂くと3時間を超えるコンサートになると書いてあります。
どういうふうになるのか興味津々でございます。

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前日も春日部共栄高校吹奏楽部の演奏会で訪れた東京芸術劇場。
この日は、3階席です。(前の日は1階席でした。)
3階席の端の方にほんのわずかに空席があるだけで1階席、2階席とも立錐の余地のない状況です。
若い方も多く、開演前から熱気にあふれています。

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指揮は吹奏楽ファンなら、誰でもご存知の“丸ちゃん”こと丸谷明夫先生(大阪府立淀川工科高校吹奏楽部顧問、社団法人全日本吹奏楽連盟副理事長)と畠田貴生先生(東海大学付属高輪台高校吹奏楽部顧問)のお二人です。
なぜ、プロの集団をアマチュアの指揮者が振るのかよくわかりませんが、とにかく、楽しいコンサートになりそうです。
司会進行は丸谷先生がやっておられました。
いつもの饒舌な“丸ちゃん”と違って割と淡々と話されていたのが印象的でした。
演奏の合間の団員各位へのインタビューを聞いていますとプロの演奏者の皆さんは手弁当でやってきているぽいですね。
それに非常にリラックスしているようにみえます。

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さて、いよいよコンサートが始まります。
曲目等は以下のとおりです。
なお、「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」の団員の皆様に敬意を表してプログラムに記載してあるとおりに全員のお名前を紹介させて頂きます。

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〈演奏〉 なにわ《オーケストラル》ウィンズ
  (Flutes)
    市川 智子   京都市交響楽団
    上野 博昭   大阪フィルハーモニー交響楽団
    榎田 雅祥   元大阪フィルハーモニー交響楽団
    中村 めぐみ  広島交響楽団
    長谷 瑞    元九州交響楽団
  (Oboes)
    浦 丈彦    読売日本交響楽団
    加瀬 孝宏   東京フィルハーモニー交響楽団
    高山 郁子   京都市交響楽団
  (Bassoons)
    中野 陽一朗  京都市交響楽団
    東口 泰之   京都市交響楽団
    村中 宏    京都市交響楽団
  (Clarinets)
    伊藤 圭    NHK交響楽団
    梅本 貴子   関西フィルハーモニー管弦楽団
    加藤 明久   NHK交響楽団
    金井 信之   大阪フィルハーモニー交響楽団
    白子 正樹   札幌交響楽団
    鈴木 祐子   京都市交響楽団
    田本 摂理   大阪フィルハーモニー交響楽団
    西川 香代   フリーランス
    野田 祐介   群馬交響楽団
    橋本 眞介   広島交響楽団
    原田 美英子  大阪交響楽団
    持丸 秀一郎  日本センチュリー交響楽団
  (Saxophones)
    岩田 瑞和子  ミ・ベモルサクソフォンアンサンブル
    雲井 雅人   雲井雅人サックス四重奏団
    佐藤 渉    雲井雅人サックス四重奏団
    陣内 亜紀子  ミ・ベモルサクソフォンアンサンブル
    西尾 貴浩   雲井雅人サックス四重奏団
    林田 和之   雲井雅人サックス四重奏団
    平田 洋子   ミ・ベモルサクソフォンアンサンブル
    前田 幸弘   ミ・ベモルサクソフォンアンサンブル
  (Trumpets)
    亀島 克敏   広島交響楽団
    白水 大介   関西フィルハーモニー管弦楽団
    茶屋 淳子   オペラハウス管弦楽団
    橋爪 伴之   大阪フィルハーモニー交響楽団
    長谷川 智之  東京フィルハーモニー交響楽団
    松田 貴之   大阪交響楽団
    横田 健徳   日本テレマン室内管弦楽団
  (Horns)
    上間 善之   東京交響楽団
    倉持 幸朋   広島交響楽団
    濱地 宗    群馬交響楽団
    久永 重明   読売日本交響楽団
    日高 剛    元NHK交響楽団
    向井 和久   日本センチュリー交響楽団
    村上 哲    大阪フィルハーモニー交響楽団
  (Trombones&Euphoniums)
    風早 宏隆   関西フィルハーモニー管弦楽団
    清澄 貴之   広島交響楽団
    桒田 晃    読売日本交響楽団
    古賀 光    読売日本交響楽団
    小西 元司   京都市交響楽団
    田中 宏史   名古屋フィルハーモニー交響楽団
    外囿 祥一郎  元航空自衛隊中央音楽隊
    吉田 勝博   大阪フィルハーモニー交響楽団
  (Tubas)
    大塚 哲也   東京フィルハーモニー交響楽団
    次田 心平   読売日本交響楽団
    渡辺 功    東京交響楽団
  (Contrabasses)
    内藤 謙一   日本センチュリー交響楽団
    長谷川 順子  神戸市室内合奏団
  (Harp)
    松村 衣里   京都市交響楽団
  (Piano)
    梅田 望実   フリーランス
  (Percussion)
    安藤 芳広   東京都交響楽団
    石倉 明日香  京都市交響楽団
    高橋 篤史   フリーランス
    西久保 友広  読売日本交響楽団
    安永 早絵子  オペラハウス管弦楽団
    安永 友昭   日本センチュリー交響楽団
    山下 雅雄   フリーランス
  (Stage managers)
    清水 直行   大阪フィルハーモニー交響楽団
    甲斐 洋平   大阪市音楽団
    山口 明洋   日本センチュリー交響楽団
    山野 克朗   東京都交響楽団
  (Management stuff)
       栗盛 芳枝   東京都交響楽団

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〈客演指揮〉丸谷 明夫(大阪府立淀川工科高等学校吹奏楽部)
   畠田 貴生(東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部)

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● ホープタウンの休日  (S.ライニキー)
● 海を征服する者  (W.F.マクベス)
● 復興への序曲「夢の明日に」[課題曲Ⅲ]  (岩井 直溥)
● エンターテイメント・マーチ[課題曲Ⅳ]  (川北 栄樹)
● 勇者のマズルカ[課題曲Ⅰ]  (三澤 慶)
● ポンセ・デ・レオン  (J.オリヴァドーティ)
● ハムレット  (A.リード)
Ⅰ)プロローグ:第1幕より
エルシノア城、クローディアス王の執務の間
Ⅱ)ハムレットとオフィーリア
Ⅲ)役者たちの入場
Ⅳ)エピローグ:第5幕より ハムレットの死

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[休憩]

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● トリティコ  (V.ネリベル)
Ⅰ Allegro maestoso
Ⅱ Adagio
Ⅲ Allegro marcato
● 天使ミカエルの嘆き  (藤田 玄播)
● 祝典行進曲「ライジング・サン」[課題曲Ⅱ]  (白岩 優拓)
● 流沙[課題曲Ⅴ]  (広瀬 正憲)
● 海の歌 (R.ミッチェル)
● 第1組曲  (G.ホルスト[伊藤康英版])
Ⅰ シャコンヌ
Ⅱ 間奏曲
Ⅲ 行進曲
● フェスティヴァル・ヴァリエーションズ  (C.T.スミス)

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あっという間の4時間弱でした!
隠れテーマなのか海に関する曲が多かったですね。
演奏は、どれも素晴らしいものでした。
他のプロの吹奏楽団と違ってすごい、“情熱”を感じました。
2003年から始まって今年で11回目の春のようですが、私がなぜこのコンサートを知らなかったのか?
残念でなりません。

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その中でも印象に残った演奏。
本年度の課題曲を全曲やって頂いたのですが、1回目は普通に演奏して2回目は演奏方法等を変えて演奏したのが面白かった。
例えば、課題曲Ⅱは、舞台上の楽器の配置を同じ旋律やリズムを演奏している楽器を集める。
Ⅲはビッグバンド風に。
Ⅳは舞台下手(しもて)から上手(かみて)に向かって単純に高音楽器から低音楽器を並べる。
Ⅴは、なんと指揮者なし。(Ⅰはノーマルパターンしかありませんでした。)
特に岩井先生の作曲された課題曲Ⅲは配置もビッグバンドのように横列?に並んだ状態で演奏もジャズっぽくスイングさせていたのが愉快でした。
ブラヴォーです!!
「ポンセ・デ・レオン」、「トリティコ」「海の歌」なんぞは懐かしかったですね。
そして、今年初めに亡くなられた藤田玄播先生の「天使ミカエルの嘆き」。
なんだかジーンと来ましたね。
ホルストの第1組曲もよかった。
伊藤康英先生の校訂による演奏は、特殊な楽器も使い、興味深いものでした。(伊藤先生も会場にお見えになっておられました。)
それから、何といってもトリの曲「フェスティヴァル・ヴァリエーションズ」は楽しかった。
指揮をされた畠田先生の緊張感が伝わってくるかのようなドラマティックな演奏でした。
迫力がありましたよ。
やっぱり、スミスの曲は盛り上がります!
畠田先生、本当に御苦労さまでした!

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アンコールは3曲、東日本大震災のチャリティーソングとして有名な「花は咲く」(丸谷先生指揮)、スーザのマーチで「海を越えた握手」(畠田先生指揮)、最後はグループサウンズの曲のメドレー(丸谷先生指揮)でした。

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今回の演奏会に行かせて頂いて思ったこと。
“音楽”を観客に“聴かせる”とはこういう事なんだというのを認識しました。
しかも、楽しませて。
もしかしたら、普通のアマチュア吹奏楽団が同じプログラムで演奏会を開催したとしたら、私には、少し不満の残る選曲だったかもしれません。
しかし、この日は、そういった想いは微塵もなかった。
最初から最後まで楽しく聴かせて頂きました…。

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来年も必ず伺わせて頂きたいですね。
吹奏楽って、本当にいいもんだんなということを再認識した、日でした。
“音楽”に感謝!