Upapaの至福のひととき

FlyFishingレポート

泣尺やまと岩魚と新たな出会い

2007年05月13日 | FlyFishing
Apr.,29 2007
 
 
今シーズンは既に南アルプスの渓のコンディションが良いとの噂を耳にした。GWの日曜日で釣り人が多いと思うけど、思い切って独りで行ってみるか!
自宅を深夜3時に出発し、途中高速のSAで仮眠をとりながら現地に到着したのが7時半すぎ。川原の駐車スペースには3台の車が停まっているが、リヤウィンドウが朝露で濡れているので夜が明ける前から停めているようだ。釣り人でなくおそらく登山者だろう。ということは、先行者はいない?
さすがに最上流部は早過ぎるだろうし、単独釣行ということもあって駐車スペースから20分ほど歩いたところから入渓する。
登山道を歩きながら大自然の凛とした空気感を味わいながら歩く。ワクワクした気持ちに爽やかさが加わり最高の気分。



入渓したところは水量が少なめだが一応フライを流してみる。沈み石前の緩やかな流れに乗ってフライが漂うが無反応。ここで出ないのであれば、他を流しても無駄だと思い水量のあるポイントまで足を進める。この区間では大物が居ることで有名な巨岩を配するちょっとした深みのポイントにたどり着いた。5Xティペットに結んだフライはこの時季としてはとっても不似合いな#12のテレストリアル・ドライフライ。深みや巻き返しにじっとしている無垢な岩魚たちには逆に存在をアピールすることが重要で効果があると考えてのこと。最初の深みを2つに区切ってプレゼーションする。しかし反応がない。おかしいな?居るなら出てもいいのに。早々に見切りをつけ、上にあるもうひとつの巨岩の脇の深みに移動する。まずは流れのカタにフライを流すと沈み石から大きな岩魚がゆっくりとフライを追ってきた。フライがカタから落ちる方が早く、フライに追いつかずに沈み石に戻った。いきなりのサイズの岩魚を目にし心臓がドキドキ。ポイントを沈めるのと冷静さを取り戻すためにプレゼンテーションをせずに数分の時間をおく。
フロータントを施し、フライの結び目を再確認してもう一度同じ流れのカタにプレゼンテーション。スーと底から同じ岩魚が出てきてスローモーションのようにゆっくりとフライを咥えた(?)んっ?ほんとにフライ咥えたか?あまりのスローな動きに戸惑ったが、とりあえずロッドを軽く持ち上げ合わせを入れる。と同時にぐーんとロッドを絞り込む強い引きが伝わってきた。よし!かかった。すかさずロッドを立てるがパワフルな引きに焦る。ティペットが5Xなので、多少強引にラインを手繰り寄せながら自らも間合いを詰める。清冽な流れの底からフライを咥えた岩魚が浮いてきた。ゆっくりと水面に頭を出し、おとなしくなったところで背中のランデイングネットを手にし岩魚を流れごと掬う。ズンと岩魚の重みがネットを持つ手に伝わる。おーデカイ。浅い流れにネットを置き一息つく。尺はあるかと思われる立派な岩魚だ。良く見るとオレンジの斑点はあるが、ニッコウ岩魚に見られる背中の白い斑点がない。自分だけの判断で何ら確証はないが、やまと岩魚のように思える。今日使っているネットの内径が30cmで、それに1cmほど足りない。いわゆる泣尺だ。でもいきなりこんな立派なやまと岩魚が釣れるとは思ってもなかったのでムチャクチャ嬉しい。心の中でガッツポーズ





この泣尺やまと岩魚と思われる1尾で気持ちが満たされた。思い切ってここまで来てよかったぁ~と思いながらネットを流れに浸しゆっくりとリリースする。フライへのライズはスローだったが、ネットから出るのもスローだった。やまと岩魚の余裕というものか?
リリースを終えて立ち上がり、ネットを背中に取り付けていたら、視界の端に登山道を3人のFlyFisherが登っているのが見えた。えッ、まさか頭ハネ?それも3人も!信じられないことだが、僕が立っている150mほど先からぞろぞろ入渓している。餌釣り師ならまだしも、一声もかけずにFlyFisherがである。登山道と渓は数メートルしか離れておらず障害物も少ないので僕の存在に気づかないはずはない。怒りを通り越し何だか情けなくなった。短い区間なので、このままでは今日の釣りはジ・エンド。いまさら他の渓へ移動する気にもなれず、時間的にかなり早いがベストの背中のポケットにしまった昼食のオニギリ2個を岩に腰掛けて食べる。その間も50ccバイクに乗り背中のザックにロッドを差し込んだ釣り人が、かん高いマフラー音を残しながら通り過ぎたりする(-_-;)GWだからしょうがないか。今日は諦めよう。それにしても、やまと岩魚を釣った後で良かったー(笑)三人のFlyFisherが300mほど先のカーブした流れを遡行しているのか、姿が見えなくなったので、竿抜けと思えるポイントに絞って遡行する。幸運にも反応が良く23cmぐらいのニッコウとやまとのハイブリットと思える岩魚を4尾追加できた。



5尾目の岩魚を釣り上げて次のキャストに移った時、背後で人の気配を感じた。振り向くと一人のFlyFisherが立って僕を見ている。頭を下げると、ニッコリと頭を下げながら「すみません、今日は人が多くてどうしようかなぁと思いながらここまで歩いてきたんですけど、これ以上先に歩くのは申し訳ないと思って、釣っているのを見させていただいたんです」と、頭ハネした3人のFlyFisherとは対照的にマナーの素晴らしい方で好感が持てた。
「おかげさまで僕は5尾釣れたんで、良かったらこの先釣ってください」
それはあまりにも申し訳ないと遠慮するのを半ば強引に勧め、僕は渓から出て登山道を下った。登山道を下りながら入っていないいくつかのポイントでフライを流すと、これが意外にも好反応で終わって見れば2桁の釣果。
しばらくすると先を譲ったFlyFisherが降りてきた。釣果を尋ねると4尾釣れたとのこと。それはよかった。初めて出会ったにもかかわらず意気投合し、一緒に温泉に行き食事をとった後、帰路についた。
今日はどうなることやらと思ったが、釣果に恵まれただけでなく新たな出会いがあった最高の一日となった。


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4 コメント

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爬虫類みたいだ(^_^;) (Nobu)
2007-05-13 14:57:50
はやくこういうイワナちゃんに会いたいなあ。何とか平日休みを計画したいと思いますのでよろしくね!
爬虫類を釣りに(笑) (Upapa)
2007-05-13 17:39:05
ぜひぜひ行きましょう。ヨッシーも、Nobuさんと一緒に行って案内するのを楽しみしてるよ。
平日が無理な場合でも行けそうな土、日があればメールちょうだい。5月は色々と予定が入っていて釣りに行けそうにないけど、6月以降ならOKだと思うので。
後ほどNobuさんの安達太良FFレポを見に行きます(^^)
Unknown (きみ)
2007-05-17 23:57:01
今度はバッチリ。よかったですね。
こんなきれいな大イワナ。いいなぁ。。。
いい方に出会えたこともうれしい話。

ほんとラッキーでした (Upapa)
2007-05-18 22:27:15
きみさんと行った時の濁流だった渓と同じとは思えないぐらい快適な状態でした。
そうそう、最初は水がなかったけど途中で流れてきた例の区間ですが、降りながらフライを流すと反応がムチャクチャ良く良型が結構でました。自然って不思議なもんですね。

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