
三浦しをん「仏果を得ず」
「高校の修学旅行で人形浄瑠璃・文楽を観劇した健は、義太夫を語る太夫のエネルギーに圧倒されその虜になる。以来、義太夫を極めるため、傍からはバカに見えるほどの情熱を傾ける中、ある女性に恋をする。芸か恋か、悩む健は、人を愛することで義太夫の肝をつかんでいくーー。若手義太夫の成長を描く青春小説の傑作。直木賞作家が愛をこめて語ります。」
(゜∀゜)イイ!!!
読み終わって、文楽が観たい!!ってなっちゃって、夜道を文楽の公演スケジュールを調べながら歩いてしまいました。
まったく文楽への知識も興味もない読者をここまで思わせる、それが三浦しをんの力だなあと思うのです。
文楽のことは彼女のエッセイにもよく出てくるので、好きで小説の題材にまでしちゃったかぐらいに思ってたのに。駅伝もそうだけど、自分の興味のあるテーマを小説に作り上げ、しかも読ませる、アンド面白い…やっぱりやりおるな、三浦しをん。ただ者ではない…(by福田吉兆)
話は「女殺油地獄」や「仮名手本忠臣蔵」などの演目ごとに進んでいき、自分が語る人物を理解し、役に入り込もうとする健が、芸は素晴らしいのに女ずきで大人げない師匠・銀太夫や、新しく組むことになった三味線の兎一郎(変わり者)、文楽を教える小学生のミラちゃんやその母親、友人、その他いろいろな人とのつながりの中で、その役の「心」を掴んで成長していくというもの。
これがまたいいんだよねー。自分が語る登場人物の気持ちがさっぱり分からん、なんかイヤな奴で全然共感できねえ…と悩み、日常生活の中の出来事や、周りの人の生き方や、自分の恋愛から、答えを見つけるっていう、各章でこの流れにいたるワケなんだけど、それがもう(;゜∀゜)=3ムッハー!!なんですねー。分かってるのに毎度カタルシス。楽しい。なんかね、タイガー&ドラゴンな世界でした。ニヤニヤしたり、鼻ツーンとなったり、また大好きな本ができました。
やっぱり三浦しをんが好きだ。すごい作家だと思うんだ、ウン。
ところで、宮部みゆきの新作が単行本・文庫本・電子書籍で同時に発売されるらしいです。しかもあの「ぼんくら」シリーズの第3弾!!キャアアア!!!何故この発売方法かというと、単行本が発売されて大体3年ぐらいで文庫化というのが通常の流れらしいんだけど、宮部みゆき曰く、前の「日暮らし」からかなり年数が経ってしまい、この上文庫本で買ってくれるファンを3年待たせてしまうのは申し訳ない…(うろ覚え)ということらしい。泣かせるなあ。
そうです、文庫で買ってぼんくらシリーズを待ちわびているファンはこの私です!!嬉しい。
かなり気に入ったこの仏果も、2007年に単行本として発売されてんだよね。こんなに面白いなんて、私4年も損してるよ…。アレですね、言うならば「何故オレはあんな無駄な時間を…(泣)」(by三井寿)ですね。9月にはその文楽についてのエッセイも文庫化。止めどなく楽しみ!!
笑って泣いて、さっき読み終えたとこ
行こうよ、文楽
…じゃなく、私もぜひ行きたいです
たまたま劇場の前を通った時に面白そうだな~と思いながら、そのままスルーした私もバカだ(*_*)
9月のエッセイ、私も買います
ちなみに、これだけ流行ってんだから読まないとダメか?と悩んでた時に
ここを読んで購入を止めたのは図書館戦争です(笑)
文楽行こう行こうーー。つーかぜひ行きましょう。
図書館戦争ね・・・好みがあるからなー
とは言わない。間違ってない。と、思う。たぶん。