三笠鉄道記念館

2008年09月20日 | 保存鉄道車両

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三笠鉄道記念館 北海道三笠市幌内町

夏休みに人気の旭山動物園を見ようと家内と北海道に出かけた。2日目富良野に泊まって小樽にMtk012_2向かった。山間の一般道を抜けて高速インターを目指したが、桂沢湖付近で「三笠鉄道村」という交通案内板を発見。急遽スケジュールを変更して向かった。幌内鉄道の廃止された昭和62年(1987)、北Mtk013_2海道鉄道のパイオニアである幌内鉄道の偉業を伝えるために、三笠鉄道記念館が旧幌内駅を含む敷地に開館した。敷地面積18,000㎡、正面のレンガタイル貼りの建物が記念館と機関庫である。北海道ならではの車両が多く展示されている屋外の見学は無料、記念館の入場料は520円。写真右は記念館のシンボル・モニュメント「スチーム・パワー」、館内にはMtk027_2幌内鉄道の歴史など感心深いものばかりだ。

幌内鉄道は道内初の鉄道として、幌内~小樽手宮間に明治15年(1882)開通した。1879年アメリカから呼び寄せた鉄道技師クロフォードにより建設が始まり、幌内炭鉱から採掘された石炭を鉄道で小樽に運んだ。日本初の京浜間や阪神間はイギリス様式で建設された。幌内鉄道はアメリカ様式で進められたが、開拓史黒田清隆がいずれ他の鉄道の接続を考えて、軌間サイズは本州と同じ1067mmとした。このような歴史と保存品が数多く展示されている。2階では鉄道模型車両を使った運転シュミレーションが出来るようになっている。

 産業用蒸気機関車 S-304号

S-304号は三笠鉄道村で動態保存され園内400mの線路を走るシンボルだ。S304号は新日本製鐵室蘭製鉄所などで活躍したC型産業用タンク機関車(昭和14年日本車両製)。車体にテツゲンと赤い文字、鐵原コークス株式会社室蘭コークス工場で働いていた証。1回200円で乗車させてくれ、希望すれば条件はあるようだが運転も出来るらしい。

Mtk016 C122号機と59609号機 記念館と隣接する機関庫に静態保存されている。C12型蒸気機関車は1932年から1947年までに293両製造され地方路線で活躍した軽量のタンク機関車。C122号は汽車製造で1932年2号機として製造された。59609号機は国産初の量産形テンダー式蒸気機関車である9600型で1922年川崎造船 で510番目に製造された。9600形は770両製造され四国以外の各線で使用され、幌内線では石炭輸送で活躍した。

写真右はED76505号の運転室、ED76形はED75形を耐寒設備など北海道に適するように改良され、三菱重工で1968年から量産された北海道を代表する電気機関車。機関庫にあるこれらの3両は運転室に入ることが出来る。

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数多くの車両が保存展示されているが、雪国北海道ならではの雪カキ車をいくつか紹介しよう。上段左はラッセル雪カキ車(単線用)キ100形式キ274号(1959年国鉄長野工場で製造)。隣は広巾雪カキ車(ジョルダン)キ700形キ756号、函館本線で活躍。右はTMC100BS形除雪Mtk030_4 モーターカー、富士重工(宇都宮)で1966年作られた。下段左は単線ラッセル式雪カキ装置付ディーゼル機関車DD1517号、宗谷本線で使用。隣はロータリー式雪カキ装置付ディーゼル機関車DD141号、汽車製造で1965年製造、石北本線で使用された。富良野から小樽に向かう途中、予定変更で立ち寄った三笠鉄道記念館だったが小樽手宮にある小樽市総合博物館(旧小樽交通記念館)と並んで大変価値ある展示に感心した。館内にJR北海道の鉄道員の制服があり、着用することが出来る。子供みたいでちょっと恥ずかしかったが、どうせならと駅長さんのものを借りて撮影。

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