うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

Fate/Zero Vol2  王たちの狂宴  虚淵玄  うなぎ

2009年09月29日 | 読書感想



ついに本格的に開始された第四次聖杯戦争。
審判役の教会は狂えるサーヴァント、キャスターの排除を残りの六組に命じる。
セイバーをジャンヌ・ダルクの転生と信じ込むキャスターことジル・ド・レエはアインツベルンの城を襲撃。これを機にランサーとその主ロード・エルメロイも襲撃に現れるのだが、それらはすべて切嗣の想定どおりだった。
だが最大の脅威にして想定外の存在、言峰綺礼もまた切嗣を狙っていた。
一方、騎士王セイバーは征服王イスカンダルと英雄王ギルガメッシュによって、王の道を揺るがされていた。


いやー、なんだかんだで一対一のバトルばっかりだった本編に比べて、なんというバトルロイヤル。生き残るのはセイバーと切嗣だ、ということは読む前からわかっているのに、本当にもう、だれがどう生き残るのかがまったくわからない。
なにがわからないって、イスカンダルがどうやって負けるんだよ、というそれがわからない。
戦略級兵器である宝具をほぼ無尽蔵に放てるという反則技『王の財宝』に匹敵するイスカンダルの大反則宝具『王の軍勢』
太すぎる肉体と濃すぎるキャラクター(とパンツはいてないという事実)だけで反則的キャラなのに、戦闘能力まで反則で、これはもうイスカンダルが全部もっていきすぎだろ。ウェイバーきゅんもへたれかわいいし。

もうイスカンダルの発言すべてが面白いという、笑い展開にもバトル展開にも対応した最高のキャラ。
本編でセイバーが「不思議な男」的に評していたが、それを本当にここまで濃いキャラにしたてあげるとは。虚淵先生最高です!

バトル展開も普通に先が読めず、なにせ一番雑魚っぽいロード・エルメロイですら武器が「自立思考する液体金属」という「それどこのT-1000?」状態なので、興奮せざるを得ない。
神話に合わせたサーヴァントの葛藤がストーリーにリンクする様は、Fate本編同様の味わいでありながら、その暗さ重さがより神話的で、まさに本編以上。
この魅力的なゲーム的設定を生み出した奈須きのこもたいしたものだが、その設定をここまで十二分に活用できる虚淵玄もただものではない。
やはりこれは最高の厨二と最強の厨二、奇跡のコラボレーションだ。




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