うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

こうして彼は屋上を燃やすことにした  カミツキレイニー

2017年01月29日 | 読書感想
 恋人にふられた加奈は飛び降りようと学校の屋上へと向かう。だがそこにはライオン、カカシ、ブリキと名乗る妙な男女が先にいて、死ぬなら復讐してからにしろと云う。ドロシーと呼ばれることになった加奈は三人の事情に少しずつ知っていくが――

 構成にも題材にも複雑なところはなく、十代の繊細な心や人間関係を『オズの魔法使い』に見立てただけの、わりとストレートな青春ものなので、登場人物たちのような心情を読者が抱えているかどうかがすべての作品だろう。世代が違うからか、いじめられっ子ヅラうぜえと思うからか、自分はどのキャラにもまったく感情移入することができなかったため、特に思うところはなかった。全体的に内容量の割には文章が間延びしているため、ラノベ的な書き方ではなく一般小説的な書き方にして三分の一くらいの文量にすれば引き締まった良い中編になったのではなかろうか。

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