うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

グインサーガ 第十話 辺境の王者

2009年06月21日 | 栗本薫


「マルス伯上手に焼けました」事件の報を受けたアムネリスは、悲嘆に暮れていた。
そしてマルス伯の死が裏切り者「アルゴンのエル」の仕業と知り、復讐を誓う。

えーと、これ、ちょっと混乱したから原作もぺらぺらめくってみたけど。
おれ、長いこと「アルゴンのエル」って「アルゴン生まれのエルさん」って意味だと覚えてたんだけど、「マルス伯部隊のアルゴン隊長の中隊に所属するエルさん」って意味なんだよね。アニメ見てて「アルゴン中隊の~」というのを聞いてようやっと思い出した。

いや、でもさー、この後、この「アルゴンのエル」は長いことモンゴール関連で出てくる単語なわけで、ほかのキャラはみんな「地名・の・人名」なのに、なんでこいつだけ変則的なんだよ。つうか、アルゴン隊長とやらが可哀想だろw なにもしてないのにこの人が悪いみたいじゃんw
と、ちょっと不思議な感じになりました。まー、ツッコミとしても微妙すぎる、どうでもいいところなんですが。

で、悲嘆に暮れるアムネリスをうっとりと「おかわいそうに……」と舐めるように見るアストリアス。
「セムの居場所を見つけてみせます」と微妙にずれた気迫を見せて飛び出す。んな根拠もなく飛び出して見付かるほどノスフェラスは甘くないだろ……
「今度こそアムネリス様の信頼を……」
つうかお前、マルス伯が死んだこと自体は本当にどうでもいいんだなw

モンゴール兵の変装を解いてリンダたちのもとへもどるイシュトヴァーン。
マルス伯の死に様にちょっとナイーヴになっていたイシュトさんは、弱い自分を見せまいとリンダにセクハラをして誤魔化すのでした。
いや、シーン的にはそういうシーンなんですけど、ちっとも凹んでもないし虚勢をはってもいないんですけどね、アニメのイシュトは。

グインがラゴンを探しに旅立ったことを聞いて呆れるイシュト。
その一行を高い場所から見下ろす目が。
「ついに見つけたぞ、セムの本拠地を!」
ア、アストリアスさん、なに簡単に見つけてはるんですか!
ついにってあんた、まだ一分も経ってねえよw
そういえば、マルス伯も一直線に逃げるグインを発見してたなー。
ノスフェラス一本道なんちゃうかw

半分に減ったとはいえ、いまだ数ではセムを圧倒するモンゴール軍を危惧するイシュトヴァーン。
まさにその頃、アストリアスの報告を受けたアムネリスは、残る全軍をセムの本拠地へ向けて進軍を開始していた。
号令を下すアムネリスをやっぱりうっとりと見つめるアストリアス。
「美しい……アムネリス様のために死にたい……それが私の生まれてきたいわれなのだ……」
いやもう、ほんと死ねよ、お前w
と、この夜闇の中、風に乗って飛んできたアムネリスのたった一本の髪の毛をあまさず見つけ、ダイレクトキャッチするアストリアス。
そのままくんかくんかと匂いをかいで頬を赤らめるのであった。
……いや、もうこれNHKで流していい映像じゃないだろw 完全にストーカーだこれw
いいなあ、アニメのアストリアス。一人で耀いてるよ。つうかアニメスタッフはなにを思ってアストリアスをこんなキモキャラにしたんだw たしかにもともとそういう系のキャラではあったけどw

つうか、あれか、アニメスタッフは能力の問題なのか時間の制約の問題なのか、キャラの性格をやたら単純化しているんだろうな。だからイシュトみたいな複雑なキャラはただのイケメンサーファーになるし、アストリアスの狂信はただのストーカー気質になるわけだ。

静かに進軍し、セム本拠地の近くにまで進軍したモンゴール軍。
一人イシュトヴァーンだけがそれを察知し、リンダたちを起こし、警告をして偵察に行く。
しかしセムがモンゴールの到来を察知したことに気づいたアムネリスは、一気に総攻撃を開始したのであった。

一方、偵察に出たはずのイシュトヴァーンは、実はとんずらこいていた。
「悪いのは先に逃げたグイン」「おれは王になる男だから裏切り者の汚名はダメ、ゼッタイ!」などと理由をつけて自分を納得させようとするが、生来のロリコンであったかれはリンダの顔がちらついてならないのであった。

いやー、やっぱりイシュトの弱さの描写は下手だわー。
初登場時から続く信用のおけなさ、虚言混じりの発言、無謀な野心、若さ、なんだかんだいって助けてくれていたいままでの実績、しかし直前のマルス伯事件による心身の衰弱、グインの不在、そういったもろもろが重なり合って「なんだかんだで戻ってくるに違いないけど、でももしかしたら……」という一抹の不安感を残してくれたからこその、直後の王道展開が映えるわけなんだが……まあ、イシュト関連はそういう部分はあきらめて、イケメンっぷりを楽しむしかないのか。

アストリアスを戦闘に総攻撃をしかけるモンゴール軍に、セムは後退を余儀なくされる。
グインたちの不在をおかしく思っていたアストリアスは、後退する部隊の報をきくと、無駄にかっこよく駆け出して、そのままかっこよく馬にのって追跡を開始するのであった。
もう、アストリアスくんはカッコイイナーw

見事にリンダとレムスを発見したアストリアス。
そして直後、スニに飛びかかられて落馬するアストリアス。
ホントにアストリアスくんはカッコイイナーw

むきになって剣をふり、なぜか都合よくそこにあった谷底へスニを落とすアストリアス。つうか、ちゃんと斬れてないのに、どういう力が働いて落ちたのかわからないんですがw

スニに足止めされているアストリアスから必死に逃げるリンダとレムス。
しかしこの命のかかった局面で「ぼくもう走れないよー」とのたまうヘタレムスのせいでアストリアスに先回りされてしまう。
罵倒プレイだけが取り得のリンダは、いつもの罵声でアストリアスを懐柔にかかるが、すでに「私の女王様はアムネリス」と決めていたため効果はなく、絶体絶命のピンチ。
そこへ颯爽とあらわれたのは、マフラーで覆面をしたイシュトヴァーンであった。
うわー、ほんともう「来ると思ってたけどやっぱりキター!」な興奮がないわ~。
つうか、その口だけ隠す覆面、なにも意味ないだろ……最大の特徴として告げられている耳の傷すら隠せてないし……

以前に一度はイシュトヴァーンに勝っているアストリアス。
今度も同じように斬りかかったところ、受け止めたイシュトの剣がピカーンと光ったせいでびっくりして負けちゃいました。
「あんたの云う邪道の剣もたいしたもんだろ?」
????
あ、これ、曙光を背にかかってきたアストリアスに対し、剣で光を反射させて目くらましにつかったって意味か。わかりづれええええ。つうか、まずアストリアスのほうが有利だろw

しかし負けたアストリアスはすかさずマントをなげつけて、その間に逃げるのであった。
「クソッ、卑怯だぞ!」
なにこの大事なときに二人でコントしてんだこいつら。

圧倒的な劣勢(に見えないのは、あんまり戦場って感じがしないからだなー、いつもだけど。すぐ一対一になるし)に陥りながらも、決して諦めないリンダ。
その期待に応え、彼方より沸き立つ砂塵。
その中からあらわれたのは……
半裸のガチムチ兄貴の集団だー!

グインさんは意味もなく一番高い岩のうえにたって、鉄の棒をピカーっと光らせて「この紋所が目に入らぬか!」なにあのうまい棒、そんな機能まであったの?

「あれはなんだ? あの化け物どもはどこから現れた?」
その気持ち、よくわかるよアム様……
真面目に戦ってるときに半裸のガチムチ兄貴の集団が現れたらかなり辛いよね……
つうか、普通に戦意喪失するよね……

こうして、パンチだけで相手を数十メートル吹っ飛ばすガチムチパンチと、ゲッタードードーのトマホークブーメラン、ロトの剣にしか見えないものを装備したグインさん(つうかあの剣くれたのロトーだったよね?なにこれ、ギャグなの?)による豹頭無双により、呆気なくモンゴール軍は壊滅したのでした。めでたしめでたし

ちなみにカル=モルさんは男尻祭にまきこまれて、馬車ごと谷底に投げ捨てられ、無駄にグロイ顔をしてなくなりました。
そりゃ最後の最後に男尻祭やられたらあんな顔したくもなるよね……

ヘタレたアムネリスに代わり、撤退の号令をかけるアストリアス。
こうしてモンゴール軍はノスフェラスよりひきあげたのでした。
……つうか、撤退する軍が、規模も勢いも来るときと大差ないんですが。
ここは逆にぼろぼろにさせとけよ……

グインにかけよるリンダと、ついさっき「もう走れないよ」と云っていたヘタレ。
なぜかほとんど無傷で助かったスニ。あれそういう高さじゃないだろ……
いやでも、第1話で超☆落下したあの方も無事だったので、きっとこの星は重力が低いんだろうな。
ん?あれ?ついさっき落下して死んだ魔道師がいたような……

「グイン、あなたがセムとラゴンを統べる王になってくださるなら……」
「それもいいな。おれはこの砂漠が好きだ」
映っている映像がどうみても砂漠ではありません。本当にオーストラリアでした。

というわけで、原作の第一部・辺境篇を急速消化したところで終了。

異様につっこみどころが多くはあったが、アストリアスと男尻祭が面白かったので、これはこれで。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿