江利チエミファンのひとりごと

江利チエミという素晴らしい歌手がいた...ということ。
ただただそれを伝えたい...という趣旨のページです。

◆ これぞ珠玉の名盤 (2)黒髪

2007年01月28日 | 江利チエミ(続編)
A面
1.黒髪(地唄)
2.奴さん(俗曲)
3.黒田節(福岡県民謡)
4.宮津節(京都府民謡)
5.鯨歌(和歌山県民謡)
6.デカンショ節(兵庫県民謡)
B面
1.秩父音頭(埼玉県民謡)
2.新相馬節(福島県民謡)
3.八木節(群馬県民謡)
4.こんぴら船ふね(香川県民謡)
5.鹿児島小原節(鹿児島県民謡)
6.刈干切唄(宮崎県民謡)

昭和49年発売のLPです。このLPから「黒髪/デカンショ節」がシングル発売されました。
47年...様々な事件の渦中、チエミさんはコマの公演の前に入院してしまったり...
確かにその時期の音源には彼女の苦悩が表れてもいました。
48年のドラマ「黄色いトマト」の主題歌「愛はひそかに」...などにも...

ポリープの術後「テネシーワルツ」のキィは(たしか46年の中盤頃まで)上げて歌っていました。しかし、高音域に心労からくるかげりが出てきてしまった... 歌唱法をかえて再び低音域を出すように...
その後、チエミさんは再び野太いアルト域のキィで歌うようになります。
喉を幾分絞め気味で歌う邦楽の発声の屈指とジャジーなフィーリングとの合体... は、この時期に確立したと私は思います。
    ・・・「第三のチエミさんの歌唱法」を。

前章で「チエミさんの変遷」は「キャリオカ」に現れていると書きました。
この頃から、サビを♪キャリオカ--- イェーイ イェーイ イェイイェイイェイイェ--- と、最後はファルセットを利かせてダイナミックに歌い上げる手法をとります。

そんな「第三の江利チエミの声」で録音されたのがこのLPと言えると思います。
そして、新たなこのチエミ節の完成は「新境地」を切り開き、久々のヒット曲が生まれます。
そう...♪好きでお酒を飲んじゃいないワ・・・「酒場にて」が生まれたのです。

昭和38年(踊り明かそう)、40年(芸者音頭)、41年(私だけのあなた)の紅白歌合戦...この映像はオンエアーされることがあります。この時期は江利チエミさんの絶頂期の歌唱法です。

今、カラーVTRが残っていてテレビで放送される江利チエミさんの画像は、昭和50年以後のものばかり...それ以前のものは殆ど残されていないようです。
ゆえに、この「黒髪LP発売」時期以降の江利チエミさんですから「チエミさんの第3の歌唱法」の時期のものです。
50代から40代のひとで、まず江利チエミ=こぶし...とイメージする人が多いのはこのせいだと思います。
ゆえに「最初の歌唱法のチエミさん」に出会うと声質ということだけではなく「驚き」を感じるのだと思います。

紅白も42年(ひとり泣く夜のワルツ)は手術直前のコンディションの悪かったときのものですし、43年(八木節)は、手術後で以前の太い発声と「新しい声」にまだ納得ができていない時期だった...のではと思われます。
絶頂期のものの発掘もですが、44年あたりのフジTV「ミュージックフェア」など...こういった時期の名唱のVTRなど...永年のファンにも喉から手が出るようなもののオンエアーがされないものだろうか・・・「第二の歌唱法」の時期も珠玉の名唱が数々あるのにと(半分諦めてはいますが)記念すべき年に実現して欲しいと思います。


チエミさんの歌唱法の変遷...
      この「第三」だけでは終わらなかったのです。


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