江利チエミファンのひとりごと

江利チエミという素晴らしい歌手がいた...ということ。
ただただそれを伝えたい...という趣旨のページです。

13)そして30周年

2005年05月13日 | 江利チエミ(初期記事・本編)

1980(昭和55)年11月10日の北海道厚生年金ホールを振り出しに、30周年リサイタルの全国コンサートがスタートします。それまでの数え方では翌年が30周年...この1年早める数えでのカウントに替えたのは...
まさか自身の寿命を悟っていたのではないか、などと今でもふっとそんな思いがよぎります。勿論これは「私の勝手な想像」です。実際、あの時...新国際劇場のこけらおとしとして韓国政府からも表彰されたあたり役「春香伝」の再演も決まっていた...ミュージカル「ベル・イズ・リンギング」の上演の構想も始まっていた...テレビで「エプロンおばさん」をやる!...まだまだ仕事の構想が進行中で「あいかわらず前へ前へ」というチエミさんだったのですから、これは私の思い過ごしに過ぎないのだと思います。
ただ、30周年リサイタルが今年...という情報をテレビで知ったとき...何かこう・・・胸のなかでモヤモヤとしたものが...もう25年前のことなのですが、アレ?っと嫌な感覚がよぎったのです。

この縦断コンサートの前といえば...
53年二十四の瞳を音楽劇にして京都・南座で上演したり(音楽監督の山本直純さんの飲酒事故騒動で東京公演は延期になってしまったとか...残念!)、54年には東京宝塚劇場で長谷川一夫の相手役を勤めるなど...相変わらずの新規開拓を続けていました。
テレビのレギュラーも積極的に務めていました。

55年5月にはロスアンゼルス・サンフランシスコと海外公演も久々に行なっています。

このコンサートでは、久々に(46年・旅立つ朝のレコーディング以来)恩師・カール・ジョーンズ氏を訪ねレッスンを受け、また先生も来日して原点に返ってジャズを!...と「Nice to meet you」のLPレコードの録音、そしてコンサートのボイストレーニングを受けています。

チエミはやっぱりジャズがいい!...今度は多くのファンの期待に応えてくれたのだ...ともいえないでしょうか?このLPにはとても丁寧にいとおしむように歌うチエミさんが居ます。

11月16日(日曜日)開演pm.6:30.芝・郵便貯金ホール S席1階む列35番...これが私の坐った席。
そしてこの日が私がチエミさんをナマで観た最後...となってしまうのでした。

30周年30曲メドレー+一曲チェンジングパートナーのオマケ付き。
民謡/俗曲 ミュージカルナンバー ジャズスタンダード そしてカール先生がチエミさんの為に作ってくれた新曲の披露 オリジナルナンバー そしてテネシーワルツ...
興奮のあまり、あっというまの出来事でしたが今でもあの立ち姿、歌声はしっかり私の胸の中に生きています。

※写真は30周年リサイタルのパンフのなかの「えりごのみした私のビール/キリンビール」の広告のページです。

もうここまで書かせていただければ...
晩年は急坂を転げ落ちるごとし とか
仕事は地方まわりやキャバレーでのものばかり とか... そんな「悲劇の晩年」式にでっちあげられてしまった報道のチエミ像が 間違い であることがわかっていただけたのでは?と思います。
確かに、裁判の渦中...チエミさんはレギュラー番組を持つ・・・それどころじゃない!時期がありました。
体調も崩して入院されたこともありました。
しかし、歌も42年以降...44年/この雨に濡れて で和製ブルースともいえる難しい演歌に挑戦し、まずまずのヒットを出します。「ご存知!チエミ節LP」ではニッポンの歌謡曲のカバーに挑戦。46年にはロス・アンゼルスでカール先生の指導も受け「旅立つ朝」を録音...これも大ヒットとまでは云いませんがまずまずのヒットになりました。ヒットに結びつかなかったといえニューポップス系のLPやカバーもののEPも出しています。六文銭の「面影橋から」をリリースしたり...
49年にはLP「黒髪」を発表...当時、確かにコンディションは良くなかったです。喉には精神的な苦痛が一番良くないのです。しかし、あれだけの地獄を味わった彼女は立ち上がり、このLPでは地歌の絞った発声を屈指して「なんとか良いものを!」と、新たに日本調/民謡の吹き込みに臨みました。
そして新たに身に付けた歌唱法に、持ち前のジャズのフィーリングをあわせた楽曲...酒場にてが、翌年50年に久々にヒットチャートに登りました。51年には「ひとり泣く夜のワルツ」を再発売...これも有線で好評を受けています。

確かにキャバレーも出演されました。ですけどそれは場末の・・・ではありません。
借金の返済のため...といわれれば確かにそうだったのかも知れません。
しかしそこは「札幌/エンペラー」など...一流の社交場です。そこでの「江利チエミショウ」なのです。ラスベガスのショウとなんの差があるのか?と私は怒りすら覚えます。
着物のお見立て会...これもいけないこと?でしょうか?
確かに美空ひばりはしない仕事だったですが、今のテレビショッピング番組にはどれだけのスターが出演しているのか...それとどれだけの違いがあるのか? ましてやそれは「江利チエミショウ」という目玉がある企画です。歌の仕事メインだったのですから...

知りうる範囲での「さわり」しか私のような一般のファンには書けませんが、これだけ読んでいただいただけでも、報道が「デフォルメ」であることがお判りいただければ幸いです。

面影橋から
 https://www.youtube.com/watch?v=_uzbl2GIriI

セントルイスブルース
 https://www.youtube.com/watch?v=4z3_qVt5dBk


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