typeKIDS Report

活字書体を使う人のための勉強会

typeKIDS Meeting Autumn 2019, Report 2

2019年10月07日 | typeKIDS_Meeting
株式会社文字道写植工房見学会

東京都東村山市にある株式会社文字道写植工房にあった手動写植機用書体見本帳。この写真は第46版だ。





写真植字機の初期に制作された石井中明朝体、石井太ゴシック体は、東京築地活版製造所の活字書体を復刻することから始められている。



市販されているほぼすべての写植文字盤も保有されており、文字盤専用の「サガサーヌ」というロッカーに収められている。





株式会社文字道は、現在でも稼働する万能手動写植機PAVO–KY、小型手動写植機SPICA–AHをはじめ、数台の手動写植機を保有されている。





写研の手動写植機カタログ。





typeKIDSで、その写植工房を見学する機会を得た。当日は、株式会社文字道の伊藤義博さんに実演をまじえて、写植機の機能を中心に説明していただいた。


追記1 横組用日本語書体「いまりゅうD」





横組用日本語書体「いまりゅうD」のメインプレート。この書体は14/16em(28/32em)で設計されている。縦組み用の音引きや約物は収録していない。



「いまりゅうD」の漢字文字盤(汎用外字)。14/16em(28/32em)で使う。



「いまりゅうD」のTかな文字盤(プロポーショナル)。16ユニットシステムで設計されており、和字書体の場合は、8ユニット(8/16em)から16ユニット(16/16em)の範囲で自動送りができる。右端の赤くなっている数字がユニット数を表している。



「いまりゅうD」のE欧文文字盤(プロポーショナル)。欧字の場合は、4ユニット(4/16em)から16ユニット(16/16em)の範囲で自動送りができる。右端の赤くなっている数字がユニット数を表している。左側にある右肩にSがついた文字がカーンドレター。合字なども収録されている。



※書体によって、2ユニット(2/16em)から14ユニット(14/16em)の範囲で自動送りができる文字盤もある。

追記2 縦組用日本語書体「今宋M」

縦組用日本語書体「今宋M」のメインプレート。基本的には長体2で使用する設計になっている。



横組み用の音引きや約物は収録していない。欧字書体は記号用として、漢字、和字と同じく右上がりに設計されている。E欧文文字盤は制作していない。


このほかにも多くの特殊文字盤や貴重な資料を次から次へと見せていただき、充実した時間を過ごすことができた。


文・今田欣一



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