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猫屋CINEMA缶

観た映画について語ります。独断的かつ、趣味に走っています。
新作はなるべく早く更新します。ご参考になれば…。

スパイダーマン3

2007-06-02 | 現在上映中

 恋人のMJと将来を誓い合い、すべてが順調なピーター・パーカー。そこに宇宙から来た謎の生命体がスパイダーマンに取り憑き、今まで以上のパワーを得た。が、同時に彼の心も徐々に黒く染まっていく。ピーターは自身の心と戦わなければならず、更にMJともすれ違いが生じてくる。そして、新たなる敵と対することに。ピーターを父の仇と思い込んでいる、かつて親友だったハリー、伯父ベンを殺害した真犯人マルコが変異したサンドマン、そして宇宙から飛来したベノムだ。
 主人公ピーターが、スパイダーマンとしても、ピーター・パーカーとしても苦難を強いられると言う展開。。

 スパイダーマンのお約束。今回も悩めるヒーローです。うう、鬱陶しい! まあ、それが「スパイダーマン」なのだが。

 なんで、観てしまうんだろう。
 あまり面白とは思えないのだが。1作目から「何処が良いのか?」と思っているのに。どうせこんなもん、と思っていながらも早々に映画館に行ってしまう。うううぅ。幼い頃にあこがれてしまったヒーローは、今でも心を捉えて離さないって、ことか。
 胸を張って、上から見下ろしているような「清らかで、白い歯をきらめかせる一点の曇りもないような」ヒーローよりも、人間ぽく悩む四つんばいの蜘蛛姿のヒーローに、より、親近感を抱いてしまったのです、子供の頃に。胸を射抜かれた?

 アニメは、アニメでいいじゃん。わざわざ、今更映画化しなくても、と思うんだけどなー。
 サム・ライミ監督だから、もう少し楽しめても良かったのでは。。
 う~ん。。2時間20分、長かったぞ。
 そんで、やっぱり、ピーターの彼女、どっしても美人に思えないぞ? そんなにもてるのか? この配役、正しいの? ドイツ系の顔で、あれはあれでキュートだと思う、と言うコメントを、前回の時にいただきましたが。男性の好みもそれぞれって事。う~ん。でも、やっぱり私は、ちょっと悲しい。1作目のときよりも、痩せて少し洗練されて見えたけれど。
 これが、世界的に大ヒットって、わからん。
 でも、「4」が作られたら、また、公開から2週間前後には、観てしまうんだろうなー、私。

 ブラック・スパイダーマンは、悪そうに見えたが精悍な感じがした。あれを見てしまうと『青・赤』のスパイダーマンが少し恥ずかしく感じた。
 映画館の前にスパイダーマンのコスチュームの人が立っていたりする。本当に恥ずかしい。

 なんだかなー。すっごくお金をかけて作っている風には思えなかったし、テレビで観ても良いかなーって、思う。でも、私は映画館で観るけれど。千円だから、いっかー。てね。

   

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

2007-05-27 | 現在上映中
 まず、はじめに。
 見る前にパンフレットを読んではいけない。(ネタばれしてしまう)
 エンドロールの時に席を立ってはいけない。ラストに印象的なシーンがあるので。

 3作に亘った、ディズニーの海賊ものの最終話。大団円に向かって2時間50分もの怒涛のクライマックス。

 七つの海を自由に駆け巡る海賊たちの時代は、終わろうとしていた。
 世界の海から海賊を駆逐しようと企む、東インド会社のベケット卿が、ジャックの宿敵である、『深海の悪魔』デイヴィ・ジョーンズと結託。海賊たちを次々と葬っていく。彼らに対抗するには9人の“伝説の海賊”の結集が不可欠だが、その最後の1人はデイヴィ・ジョーンズが放った怪物クラーケンの餌食になったジャックだった…。ジャックは蘇るのか? そして今や,海賊たちと行動を共にしている、ウィルとエリザベスの運命は?

 登場人物が多い。少し交通整理したほうが良かったのではとの声も聞こえる。しかし、1作目から見て来て、予習復習をして、この日を待っていた我々にとっては、何も混乱することがなかった。ちょい役のキャラのささやかな行動や台詞にも大いに笑わせてもらえた。
 2作目は、中途半端だった。ああいう終わり方は、嫌いだ。いかにも次回作への複線で。だが、完結編は見事だった。飽きずにスクリーンに釘付けになった。
 登場人物が多いので、それぞれにエピソードもある。あちこちに見せ場がある。裏切りとどんでん返しの繰り返しで、誰が信用できて誰を疑うべきなのか混乱するのも、楽しい。

 やはり、予習をしていかないと、苦しい映画なのか? 頭が悪いと、楽しめない?

 私は、大いに楽しめ、笑い、じんわりとした。
 もう、このキャラクターたちとは、お別れなのかーと、さびしくも感じた。
 そんで、ジャックはやっぱり、ジャックだった。
 ウィルとエリザベスが人間的にも成長し、変化していったのに、ジャックは相変わらず。
 ジョニー・デップが、ジャックのモデルにしたと言うあまりにも有名なエピソードがあるが、ついに、その本人、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズがスクリーンに登場した。ワールドツアーの最中でスケジュールが合わないとか、木から落ちて怪我をしたとか、色々聞こえて来ていていたが、無事に撮影が出来た。
 ジョニーがいそいそと用意した何パターンんかの衣装を、次々に着せ替えられたとか。
 そうして出来上がった、ジャック・スパロウの父親役のキースは、見事な海賊だった。ほんの数シーンしか出てこないけれど、存在感がある。いつも嵌めている「髑髏の指輪」を、そのままに、登場。見慣れたファンにはすぐ分かる。台詞をしゃべっているし、ギターを弾くシーンもあって「うおーーーっ!」な感じだった。
 まあ、そんなお楽しみもあって、実に楽しい映画だった。3時間弱が、あっと言う間。
 エンドロールが流れる中、感慨深くいろんな思いをかみ締めた。そんな最後に、ロマンティックなエピソードのシーンがあるのだが、よけいに余韻に浸ってしまった。

 久しぶりに、満足のいく映画が観られた。そんな感じ。楽しかったぞ。

ハンニバル・ライジング

2007-05-16 | 現在上映中
 またも、ハンニバル! トマス・ハリスは『ブラック・マンデー』以外、ハンニバルばかりを書いているな。しかも、10年に1作の上梓だったのが、スパンが短くなっている。
 ミステリー好きには、面白くてたまらない作家だ。そして、作品が少ない。これが5冊目の本。
 だが、前作の『ハンニバル』は酷かった。トマス・ハリスは力尽きたか? と思ってしまった。映画も酷かった。
 今回も当然の事ながら、原作を先に読んでから観た。(当方、ミステリ好きである故)
 う~ん。映画では、これが限界か。
 原作では、孤児院を出て美しい叔母に出会うのはもう少し年齢が下で、だからこそ人格形成に影響が大きかっただろうし、子供ながらに残酷な殺しをして行くのだが。
 映画で子供が殺しをしちゃ、まずいって事よね。悪事は青年期から。それが映画では限界だと言う訳だ。ハンニバルが頭部に怪我をした故に悪魔的な天才頭脳を得た、とか。絵画の腕は、叔父譲りだとか、父親の双眼鏡を手放さない、とか。微妙なところが映画化のときに抜けていて、物足りなさを感じた。
 第一、日本女性の役を、またも、日本人が演じていない! 原作にある「無礼者!」と叔母が叫ぶシーンを映像で見たかったぞ。
 原作では、かなり歴史を感じる。古城や、爵位とか古都とか。多数の言語とか。映画では少しも感じないのは、さすがに中世が存在しないアメリカ製作の映画だな~と、おかしな感慨を覚えた。
(アメリカには中世が存在しないから、判りえない所がある。日本には中世があるので判る。と言ったのは、リュック・ベッソン監督。そんなことまで思い出してしまった)

 物足りなさを感じつつ、まあ、仕方ない。こんなものか、頑張った方だ、と思ってしまった。
 そこそこの映画である、としか言えないのが残念。
 1作でもこれまでのハンニバルシリーズを観たことのある人ならば、それなりに楽しめるだろう。
 しかし、彼が成長して、あのレクター博士になるとは、思えない。やはり、別物。
 
『羊たちの沈黙』が映画化されると聞いたミステリファン達は、「やめて~~」と叫んだものだ。小説があまりにも素晴らしかったので。だが、映画は成功した。それによって、過去映像化された『レッド・ドラゴン』まで、新たに映画化されたりした。売れそうならば、なんでもかんでも映画にしちゃうって所だね。
『羊たちの沈黙』は、小説が出てから映画になるまで数年を要した。今回はなんとまあ、短いことか。なんかねー、即席ー? って感があるんですが。

 読後、3週間後に映画を観てしまったので、原作の印象が強すぎた。素直に映画だけを楽しめなかった。
『羊たち~』の時は数年たっていて、新たな衝撃を受けることが出来たし、『レッド・ドラゴン』にいたっては、読んだのは20年以上前だってば。。

      


王の男

2007-01-21 | 映画【ア】
 数々の賞を総なめにした舞台劇を原作に、2人の大道芸人と韓国史上最悪の暴君と呼ばれたヨンサングンの運命を描く歴史ドラマ。
 16世紀初頭の韓国。幼なじみの旅芸人チャンセンとコンギルは国一番の芸人になるという決意を胸に都・漢陽にやってくる。宮廷を皮肉った芸により人気者となった2人だったが、王の側近に捕られ、「王を笑わせることが出来なければ処刑する」と言い渡される……。

 愛、嫉妬、陰謀、人間の欲と情が支配する宮廷内で、その美しさで王をとりこにした男コンギル。女よりも美しく艶やかなその男は王だけでなくすべての男たちを魅了する。王に気に入られて宮廷のお抱え芸人になってからは特にコンギルは王の心を捕らえ、夜毎に呼び出されるようになり、王の女官・ノクスの恨みを買う---。

 チャンセンとコンギルは幼馴染の芸人同士という以上の関係性は描かれていないが、果たして友情だけの間柄なのだろうか。兄弟のような思いを抱き合っているのだろうか。否、とても密接な空気が、そこはかとなく感じられる。
 と、多くの疑問を持つのだが、韓国の原作では、同性愛の話として描かれている。舞台でもそのようだ。映画化に関しては、同性愛的な雰囲気はいっさい除外されているが、その空気は充分に感じてしまう。
 中国では、同性愛がテーマだからと上映禁止になったという。

 …だって、あの執着は、普通じゃないもん。。
 愛だろ、愛。

 コンギルを演じているイ・ジュンギが美しい! ちょっと化粧が濃いが…。

 コンギルは、言葉少なくあまり語らない。何を考えているのか、その思いも望みもよく分からない。ただ、流されているように見える。しかし、美しいので回りが放っておかない。本人も自覚しているのか? 長い髪におりぼんつけてヒラヒラさせている…、そんな姿はやっぱ普通じゃない? 充分自分の容姿を武器にしているのでは…。

 孤独な生い立ちの王に共鳴し、優しくしてしまうコンギルだが、回りの目にはただならぬ関係に見える。
 うーむむ。。

 突っ込み所はあれこれあるが、色々と楽しませてもらった映画である。DVDが出たら買うかもしれない、と久しぶりに思った。うふふ。。

    

007/カジノ・ロワイヤル

2007-01-21 | 映画【カ】
 ジェームズ・ボンド原作の1作目を映画化。ボンドの若い頃の事で、昔の話に戻るのかと思ったら、さすがに時代は今。
 冷戦の時代を今更描いても理解不能の世代が多いから、当然か。。悪役ル・シッフルは、各国のテロ組織から預かった金でマネー・ゲームをするファンドの経営者になっている。ストーリーや人物配置はほとんど原作通りでありありながら、現代の話にスマートに描いた脚本のポール・ハギス、さすが。

 新ボンドのダニエル・クレイグだが、歴代ボンドの中ではスタント能力が高い。ほとんどを自身の肉体でこなした。走る、跳ぶ、殴る、蹴る。銃器の使用より肉体を酷使する。傷だらけになり、血を流し、毒を盛られれば危篤状態に陥る。いくら強靭でも、あくまで人間の能力を超えないリアルさにこだわったアクションは皮膚感覚の痛みを伴う。痛そう~。
 そして、007に昇格したばかりの、功名心にはやる向こう見ずな若造という感じがよく出ている。
 強いだけではなく大切なときにそばにいて安心させてくれる男の優しさを持ちながら、情報員としての過酷な道を選ばざるを得ない。そんな機微も、上手く表現している。

 映画として、最高の出来だった。久しく忘れていた、タイトルロールで期待感が盛り上がり、血湧き、肉躍り、期待にワクワクする思いが持てた。テーマソングも、いかにも007らしくて印象に残った。今でも歌える『ゴールドフィンガー』に、近いイメージを、僕は持った。衝撃のラストシーンも、脳裏に刻まれ、これから007はどう生きて行くのだろうかと続きが観たくなる。

 本当に、久々に映画らしい映画を観た、感じ。
 真剣に恋愛をしたボンドの姿にも、心が動いた。切ない~。。

 これからどうなるんだろう。またシリーズが続くのかな。1作目が力強い印象だったので、新ボンドには今後がキツイかも。

 一部では、O(オー)の出てこないと言うことで、不評でしたが…。それこそ次作に期待?

 この映画は12月30日の年の瀬に観ました。有楽町の「サロンパス ルーブル丸の内」で。とても混んでいて満席だったけれども、大きなスクリーンの大きな映画館で観られて良かった。多くの人と共通の時間を持ちながら映画を味わうのも、感動の体験。
 やはり映画は、映画館で!