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私の足跡と今後について

辻栄 克則(つじえ かつのり)の公式ブログです。

「荊冠の志操」(西岡智著)を読む

2008年06月18日 | 回想

 西岡智(にしおか さとる)氏は1982年まで解放同盟の中央執行委員として活躍された方です。私が西岡氏にお会いしたのは、93年秋でした。私は、京都府立大学の施設で、講演会の主催者の一人として、西岡氏とお会いしました。
 私は、経歴紹介の資料作成を担当していました。

 
 戦後まもなく、地元で若者同士で、仕事に必要な訓練を自主的に行い就労を実現させていく運動を積み重ねてきた。

 殺人の罪で死刑判決を受けていた埼玉県狭山市の石川一雄氏は無実だと訴え、74年、東京の日比谷公園で11万人もの集会を開くなど、国民の熱い共感をよぶ大衆運動を起こすリーダーであった。

など物語る写真を探し、1枚ずつコピーしながら貼っていく作業を、わくわくしながらしていたのを、思い出します。
 講演後も、同大学のサークル室で、西岡氏との話がはずみました。私の出身地である登別市のアイヌ民族の状況も話していただきました。
 77歳を迎えられました。ご自身の半生を綴られた本です。

 著者は、同和対策事業をめぐる不正への対策案を、81年、京都府委員長の駒井氏と共に、中央執行委員会に提出しました。しかし受け入れられず、辞任せざるをえませんでした。

 自身の進める運動の方向を、中国革命から学びとっていました。
 解放同盟の活動家の多数がソビエト派で、都市下層民の労働運動にそって問題を立てていたのに対し、著者を代表とする中国派は、の資本家と労働者の統一を基本として、拠点づくり・共同体づくりを志向していました。
 私は、本書の中でも紹介されている、師岡佑行著「戦後解放論争史」(全5巻)を、京都大学の図書館を借りて、92年までに読み終えていました。そしてその本を土台にして、著者の見解の意義も理解していた者です。

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