写真説明=このカメラ位置付近に木製ガードレールが設置される。左の建物は議会棟。右奥が県庁。
木製ガードレールが県庁正面入り口に設置される。サンプルとして10メートルのものと12メートルほどのものが入り口道路の両側に設置される。
県内には軽井沢や長野自動車道・豊科インター付近など数カ所に設置されているが、その付近の人しか実物を見られないため、PR効果を狙って多くの人が訪れる県庁の敷地内に設置される。小学生などの県庁の社会見学のコースの一つとしても組み入れたい考えで、9月からの遠足シーズンに間に合わせたいとしている。
18日、業者が下見をした。総費用は明らかになっていないが、単価は1メートルあたり2万3千円と言われている。
木製ガードレールは田中知事が勧めている事業だが「通常のガードレールより3倍も高い」などと議会で批判され、事業費が半額に削除されている。積雪地帯では雪かきに支障が出る。木材の割れ目に水が入ると凍結により破損するーなどの問題点が指摘されている。
また、議会の中には「木製ガードレールの乾燥工程で、知事後援会幹部の木材業者が所有している高価で特殊な乾燥機を使うために無理やり作られた事業だ」という声もある。
この乾燥機は、元々は県の稲荷山養護学校を木で作ろうとした際購入されたものだが、その後の設計変更で使い道がなくなり、この乾燥機を使うために考え出されたのが「木製ガードレール」だという県議が何人もいる。
こういった中で県庁の入り口に「木製ガードレール」を設置するのは「騒ぎを起こそうというもの」と受け止める議員が多い。管財課が設置することになっているが、知事も承知していて「いいんじゃない」と言っているという。
県の担当職員は「純粋に技術的な意味合いから、多くの人に見てもらいたいので設置しただけ」と言っているが、田中知事は「県庁目線でなく、世間の風向きも見ろー」と県職員にしばしば訓示していたはずだったが、ここにはそれはない。