報われない赤ペン先生

やっと、やっと宿題終わったぁ～
先ほど、提出分のWordデータをメールに添付して、
教授宛てにポチっとなした。
もう、評価なんてどうでもよいよい。
書き上げて、期限内に提出した、それだけではもう感無量。

…資格申請までに余裕ないから、単位修得のピッチをあげなければならないので、
次からは教授を変更しようとは画策している。
必要最低限とらなきゃいけない分だけサクサク取らせてくれる教授にして、
時間に余裕が出来たら、この教授目当てで授業をとろうかなと思っている。

ナデシコ大学のシカ教授。
授業の初日、小柄でなんかナポリな雰囲気のある、
サングラスとマフラーと帽子を被った、チョイワルな出で立ちで登場。
はなんかこういうオサレな人に憧れる
長い目で見たらめっちゃいい教授なんだとは思う。
他の教授は２～３行で済まされてしまう添削も、
シカ教授は、そんなことまで突っ込みますかぁてな勢いで、
レポートに直接赤のフリクションでぎっしり書き込んでくれる。
昔やってた進研△ミのアレ。
なんか、自分のことをちゃんと見てくれている、
という優しい気持ちが伝わってきて、はこういうのすっごく好き。

でも授業の進め方が他の教授とは違って、ほんとに必死にならないとついていけない。
ノートも書きなぐりに近い感じで、まったりと板書もできないし、
あまり待ってくれない。
でも、授業の本筋と外れる話の中に、シカ教授が生徒に伝えたい考え、
想いがぎっしり込められているのが分かる。

通常、スクーリングに要する日数は1科目2日間。
殆どが2日間連続であり、さらっと終了する。
ちゃんと出席して、最終日に簡単な感想文に近いレポートを提出すれば、単位認定確定。
でもそれではまともなレポート指導が出来ないと、
シカ教授は2週間後に1日を設けて2日間としている。

それを気に入らないという女子生徒がいた。
休憩中、20代半ばくらいの少女かな、割と大きな声で、
“こんなの授業の意味ない”と不満を漏らしていた。
指定していた教科書が高い（医療系は高いけれど、指定教科書は安い方）、
買って持ってきたのに全然使わない
（実際は書かれているページは言わなかったが、口頭でふんだんに盛り込まれていた）、
授業が2週間空くことの意味が分からない。
2日連続でさっさと終わらせくれるのがこの大学なのに、と。

教授が、レポート提出に関し、
“まずは提出してね。基本それだけで合格（単位認定）にはします”と言っていたことに対し、
“白紙でも名前さえ書いてたら合格って言ってました”と事務員に言っていた。
なんか、寂しいなぁと、は思った。

2週空けてこのたった2日間の授業で提出した課題レポートは全部で3本。
それが約20人分。
ぷち論文な構成を要求されたので、枚数もそこそこ多い。
ひとりひとりの分に目を通し、考えて、コメントを入れて、修正して…。
そんな手間隙掛けてくれる教授なんて、この人くらいだと思う。
それを“意味がない、センセイの言い訳”とまで言っていた。
はもう聞きたくなくってずっと耳を塞いでいた。
おまけに授業の進め方に問題ありと、どうも事務員に告げ口をしたのか、
事務員が様子を見に来たり、暫く授業が中断されて、
シカ教授が事務員と別室で“オハナシ”するようなアクシデントも起きた。
心理学の実験授業の進行上、理由がちゃんとあるのに、
にも事務員にも理解されずだった。

そんな生徒や事務員もいる中、更にの提出した稚拙で無学なレポート見て、
シカ教授、頭抱えながらフリクションを走らせるのだろう。
そう思ったら、少々、モウシワケないべ～

自分の住所を書いた返信用封筒をナデシコ大学のシカ先生宛てに郵送すれば、
シカ教授は添削して返信してくれるそうだ。
やっぱいないよ、こんなせんせい。
は、赤ペン先生お願いします、という言葉を添えて郵送した。