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演説論点集

棋譜研24

2008-12-19 14:22:37 | 将棋
竜王戦第7局

1日目
 いよいよ最終局ここまでくるとは、出だしを考えると夢のようなことである。羽生名人は永世七冠がかかり、これまでになく世の中の注目を集めているが、渡辺竜王は勝って永世竜王としてクリスマス、正月を迎えたい。
 振駒で羽生名人先手、7六歩、8四歩、6八銀、矢倉へ、第2、6局と同じ、どこで変化するかが注目。4一王、6九王、7四歩、6八金、ここで5三銀で急戦に行くかどうか、ここは考えどころというより決めているはず。5三銀でやったという感じ、他の手では気合負け第6局の否定になる。
 羽生名人がどこかで変化させるはず、その手が渡辺竜王の読みを上回っているかが本局のポイント。5五歩、同歩、同角、ここで2五歩と手を変えた、後手勝率が高い、次は5四銀で悪いはずがない。
 ところが3三銀、新手で研究会で有力とのこと、7九角、7三角、7五、7四歩、5一角、4六角が予想。しかし6五歩、これを研究してきたなら長考しているのがわからない、そのまま昼食休憩。7三角、6六銀、8四角、先手の駒が盛り上がっていくのが気になる。
 7九角、3一王、4六角、9ニ飛、7五歩、同歩、8六歩、次に8ニからと金を作られると後手は苦しい。かなり考えていたが同歩、8ニ歩、7三桂、8一歩成、検討では6二飛で後手いいらしい。香を取ってもと金が端に行って歩切れが不満、それでも2四歩から2七香がある。
 5ニ飛はいいところだが、このまま封じ手になった。9一との1手だと思うが5四銀、5九香が厳しい。形勢は先手がわずかによさそうだが、9一とで勝つと将棋としてまずい感じ。後手は25分多く消費しているが、2時間ぐらい開くと思ったのでまずまず。


2日目
 封じ手は9一と、本来なら5七、5六銀としたいが、やむ終えないところ、と金の価値がなさ過ぎる。香を取るのに3手かけ、7三桂と跳ばれ5ニ飛、5四銀と駒の動きに差が出ている。
 6四歩に同歩なら5九香から6三銀の打ち込みが生じるが6二金、ここまで後手優勢とはいえないが勝つ可能性が高い。5九香、5五歩、2四歩、同歩、9ニと、間に合わないけど他にない。
 長考して6五銀、積極的な手、6四歩ではつまらない、5五銀で大変だが渡辺竜王らしい。7六銀は当然、6三歩成、同金、6四銀、香が飛を直撃、6二にかわすのが検討で指摘されていた。
 5ニ香成、ここで長考、同飛、8七歩成とも先手優勢らしい。同飛、6三銀不成、5一飛、ここで羽生名人勝ちを確信、手番で席を外している。後手から先手王に迫るのは難しい、私もあきらめて反省モードに入った。
 2三歩、4ニ金、ここで6四角が王手になるが6二金、飛を取ってしまえばほとんど終わり。6五香と歩を使わせ5三飛、6五歩で次は5四香があり後手に手があるか。
 6七銀成、同金、5八金、急に先手王が危なくなってきた、6五桂が6二の金を狙っている。5四香、6二角、5三香成、同角、ここで2ニ銀の寄せがあったが6一飛、4一香。5四銀成、6五桂を取って王を逃がすつもり、3五角、6五飛成、4六角、同歩。
 8七角から竜を取って、6九飛、5六王、6四歩、先手は逃げ切れるか。6六角が際どい受け、5九飛成、5七桂、5五歩、同王、6五歩、同王、7三金では終わりかと思ったが詰みがない。6四歩から4四銀打、同成銀、同馬、6五金で後手の勝ち、先手も粘るが最後は飛を抜かれて投了。
  

棋譜研23

2008-12-15 12:52:21 | 将棋
女流名人位戦プレーオフ


千葉女流三段ー里見倉敷藤花

 後手里見倉敷藤花ゴキゲン中飛車美濃囲い、先手千葉女流三段角交換2四歩、2三角から馬を作り6七へ引く。後手5四、2四飛、4ニ、5三、5四銀、4五歩、4三、5三、4四、4三金、先手4五桂で交換、4五、3四銀とぶつけ同金。先手同歩からと金を作り、後手8四桂、7四銀から9五歩の端攻め。
 後手6四飛に5五金を切って9六歩、先手と金を作り6五銀で馬を、6五金で飛を切る。6四桂に5五角、6一飛に7七銀成、同桂、7六桂、5九飛、4六角と終盤になってきた。6八銀、8八銀、同金、同桂成、同王にまた7六桂からの詰み。


清水女流王将ー里見倉敷藤花

 後手里見倉敷藤花ゴキゲン中飛車、角交換し美濃囲い、5三、5四銀、先手清水女流王将、飛車先を切って8八王、6七、5七銀、7八、5八金。後手銀冠から6三銀、9ニ香、9一飛から9五、9四歩の端攻め。7八王に9五銀、端は受からないので早逃げ、9五歩を同飛なら4一角がある。
 9八角、9五金、8七角成、7八角で後手困っているが、9八角、8七銀がいやだったが受けより攻め。8五、8四歩、8六香、8四歩成、6二、6三金、8ニ銀捨て8四銀と押さえ、桂を取って5四桂、後手5三銀と捨て7ニ王。8四銀、7一銀、7五歩、先手の厳しい寄せが続き後手かろうじてしのいでいるが、桂と金で追い込まれ時間の問題。2七香から2三香成、3三成香、2一飛で桂を取って6三桂まで。
 

棋譜研22

2008-12-15 10:31:29 | 将棋
朝日杯本戦トーナメント



畠山(鎮)七段ー渡辺竜王
 
 先手畠山(鎮)七段7六歩、後手渡辺竜王3四歩、5四歩でゴキゲン中飛車、竜王戦を意識して手の内を見せないつもり。4八銀で丸山ワクチンを変化、後手5五歩、5ニ飛、6二、7ニ、8ニ王から美濃囲い、先手6八、7七銀の急戦。3六、4五銀、3五歩に3六歩、3八飛、5一、6二角と攻防に利かし、端歩は受けずに3三、4四金。金銀交換で3三歩に3八飛、4九銀はあるが2八飛から2筋を破られる。
 畠山(鎮)七段ここで1分将棋、居飛車党の渡辺竜王が予想外に健闘している。6五銀から5六歩、7七、6八銀と引くのは辛い、5七歩、5五銀と中飛車のいいところばかり出ている。4三とに5六飛、先手は飛が成れない、4八成銀でほとんど終わっている。同飛に5八金、4八の飛を取って5八歩成、6八と、2八飛、まるで藤井九段のように強かった。



渡辺竜王ー羽生名人

 竜王戦を前に注目の一戦、先手渡辺竜王居飛車、後手羽生名人角道を止め3三角、4三金、2ニ銀、5三銀、3一王。先手6八角から2四歩を狙い、6九王、7七銀、5八金、6六歩と指し手が早い。5一角に2四歩から角交換、2三銀、2八飛、2四歩、先手6七金、7九、8八王、後手端を詰め4ニ、3三銀、2ニ王。
 先手負けっぽいが大丈夫なのか、2六銀、3七桂、2五、1五、1三歩の攻め、後手9三、8五桂、2七歩から馬を作る。1五、2四銀、2九、4九飛、桂を取られそうだが時間がないので苦しい。3三歩から1二歩成、1三歩でと金、5一角から馬を作り、1三香成、2三歩と攻勢。
 後手も9ニ飛で端を狙い、3五歩で脱出口を作り、3七桂不成が飛に当り入玉模様。3四、2五、1六、1七、1八王と入玉が確定したが、馬を取られ点数が足りない。
 4六銀に馬を逃げ、4五、5六、8三角成、6二、6三銀で飛を取り、9六歩から入玉を目指す。7四金と頑張るが8八飛、9五王、8五歩、同歩、7七成銀、同桂まで183手の熱戦。
 渡辺竜王の思い切った攻めが決まったが、すばらしい内容でこれが竜王戦の予告になるだろう。この結果は羽生名人の戦略に少なからず影響を与え、練習台にされたショックを引きずったまま臨むことになる。
 
 


棋譜研21

2008-12-14 20:26:31 | 将棋
第58期王将戦7回戦

深浦王位ー丸山九段
 丸山九段4手目に7四歩、7ニ飛から7五歩、先手深浦王位角交換、8八銀、後手7ニ金で昼食休憩。再開後7七、6六銀、後手5ニ王、7三桂、9五歩からの端攻めに8六角の受け。8五歩、6八角、6四歩、5八金、6三銀、7九王と駒組みが続き、5七角、7五銀で飛取り。7三飛、6六角、6八金、8八王と固め、後手5五歩から3三角、5五銀で角と交換。先手2四飛、5五銀、2五飛、後手8六、7六歩、7六、7一飛。後手8筋から攻めるが8八王、5三歩成、5五角に7九王と逃げられる。飛を取って9九飛、9八銀も8八銀、7九金で殺され、5四から馬を作られ2一飛で投了。佐藤棋王が負けたため深浦王位が羽生王将の挑戦者に決まった。途中渡辺竜王のコメントも入っていたので、豊島戦に勝って竜王戦のいい練習相手になったろう。


郷田九段ー佐藤棋王
 後手佐藤棋王3二銀、3三角から銀冠、先手郷田九段3六桂、4七銀、4八飛で昼食休憩。この局面で渡辺竜王のコメントがあり、王位戦豊島戦は余裕なのだろう。5六銀、8四、8五、8六歩から8ニ飛、4一、3一王、先手6七銀、7八金、4五、4四歩、3八金。4九飛から5六銀が角に当たり、2五歩、同歩、同桂、2四銀。3三桂成からまた2五桂、2三、4四、4五歩の攻めに3二金、4四角、6二銀、2四歩から5三角成、4六角、5五、5四銀から飛を取られた。2四角から5七角成も、5一飛から5四飛成と手順に引かれ、2五馬には6八王とかわす。2六から2七歩成、3七とも4四桂、2六香で馬を取られ、飛を取るが3二、2三、2ニ歩、3一角から寄せられた。


高橋九段ー久保八段
 後手久保八段、2手目3二飛、3四、3五、3六歩、3三、4四銀、2四歩で昼食休憩、先手高橋九段8八飛、2八銀、6五歩、8六歩。後手美濃囲いから6四歩、先手8筋の歩を切って8六飛、3八、5八金、4八王の形はあまりよくない。何で相振りにしたのか疑問、5五銀、6六歩、6四飛のさばき、2四角、7八銀から5六、6八桂成で潰れた感じ。5六金、5八銀、6六飛にはびっくり、同角、同金、6七歩、7七角から7六金、角を切り8六角成で飛と交換、7五、6五飛で角を取る。後手勝勢、7八飛成、6九銀から3八金を取り、7九角から再び6九角、4八竜と切って5八金、7四桂、8六、8四銀の詰み。



棋譜研20

2008-12-14 13:27:40 | 将棋
NHK杯12月14日

広瀬五段ー阿久津六段    解説 渡辺竜王

 若手の実力者、戦形は振り飛車、相振りもある。7六歩、3四歩、6六歩で普通の振り飛車、ゴキゲン中飛車だと単調で質が落ちる。7七角、6八飛、4八、3八、2八王、後手4ニ、3二王、飛車先を突かない。1四歩、後手が少し得、阿久津六段は定跡形を指さない。
 1六歩は受けない、穴熊予想、後手は7四歩から袖飛車狙いで攻めが早い。先手迷うところ、対戦は1局だけ、広瀬五段はキャリア3年の大学生、振り穴だけで勝っている。阿久津六段は渡辺竜王と同期で、奨励会に入ったのも四段になったのもほぼ同じ、趣味も競馬。広瀬五段は半分が穴熊、終盤が鋭い、2番目が渡辺竜王で3割ぐらい。穴熊でしか勝てないと思われているが、それが作戦で相手に隙があるために可能になる。
 4四歩で持久戦、1九王、4五歩、阿久津流の閃き、2八銀、4三金、先手の堅さと後手の厚み。6七銀、3三角、4四角は無理、3九金、2ニ王、3六歩、3二銀、5八金、1五歩。5六銀、4四銀、3七桂に注目、5五歩、4五銀、同銀、同桂、2四角、桂が取られればおしまい。
 6五歩、5四金、先手6回目の考慮、苦しいが2五銀、4ニ角、3四銀、4四金、3五歩。3六銀は手堅いようだが、4六歩、後手4回目の考慮、3五金は3七歩と打たれる。1六歩、同歩に何か見返りは、3五金、5五角は出ないと思ったが、3三歩、3七歩、歩切れで先手持ち。
 後手残り3分、1六歩は誤算、3六銀が変調、広瀬五段が息を吹き返す。阿久津六段8回目の考慮、3四金、3六歩が普通、5ニ飛、7七角、3歩得で先手優勢。5四飛、4七金、8四飛、3五歩、4五金、同歩、8七飛成、3四歩、3五桂。先手残り1分、3三歩成、同銀、3四歩、同銀、3五歩、1七歩で取り合って3五角に5五角、2六銀でしっかり受ける。
 1六香、1七歩、同香成、同銀、1六歩、3五銀で角を取り1七歩成、同王、1六歩、同王、1五歩、2六王、3七銀に同角は2五銀で危ない。3六王とかわし4六金、同銀、同銀成、同角、同銀成、同王、5五銀、同王、5ニ香、5四銀、3七角、4六銀としっかり受け、1四桂からの詰み。



竜王戦

 羽生名人体調が気になりますが、引退を考えてるかもしれません。2手目3二金で勝てるのではと思いますが、そこまで追い込まれていないでしょう。
 渡辺竜王に対して挑戦者という気持ちになれば、苦しい状況を打開する道を発見することは出来ます。しかし永世七冠がかかり、名人としてのプライドを捨てるのは難しく、まさに平家滅亡、壇ノ浦を見る思いです。

棋譜研19

2008-12-12 01:44:16 | 将棋
竜王戦第6局

1日目
 3連敗の後2連勝、竜王が優勢であるが、100%の勝ちは見えない。第4、5局に関しては絶対勝つと思っていたが、第6局になって若干不安が残る。しかしこれに勝たないと話にならない、将棋ファンとしては理屈抜きで応援する。対局が始まり差し手が進むにつれて、どこで勝敗がはっりするか注目である。
 迷った挙句対局開始8時間前、渡辺竜王勝ちで考えがまとまった。羽生名人の流れが悪く、第7局にもつれれば危ないので事実上の決勝戦。永世七冠にしてもどうせなら最終局で、このファンの期待を裏切ることになる。根拠としては不十分だが、渡辺竜王にとって真価の問われる重要な対局。
 初手7六歩、8四歩で矢倉になったが何か秘策、それよりも終盤に時間を残して置くのだろう。駒組みが進み15手目6九王、16手目7四歩で急戦含み、18手目5三銀で驚きの声。普通にやっていれば羽生名人の思うつぼ、どうせ攻めるなら早い方がいい。
 この局面羽生名人の8戦8勝、渡辺竜王が勝つのはわかっているがすごい。8五歩に7七銀、5五歩の阿久津流、同歩、同角、7九角、角交換は先手有利。7三角、4六角、6四銀で昼食休憩、羽生名人矢倉が完成し形はいいが、現在1時間9分の差、これを封じ手までに広げたい。
 再開後7五歩、8四歩、7四歩、同飛、5六歩、三浦八段ー及川四段戦と同じ。とにかくどこまで研究して臨んでいるか、渡辺竜王の作戦通りに違いない。しかし3一王に6五歩でどうするのか、同銀で角交換、8三角で参ってる。羽生名人長考しているが誘いに乗らないのか、この局面を研究してきたなら尊敬に値する。
 1時間19分考えて2五歩、これにも驚くがなぜ6五歩がダメなのか。2四歩、同歩、同角でこのまま封じる可能性がある。現在17時、後1時間考えてもまだ残り時間は余裕だ。と思ったら6二角、これでまた羽生名人が時間を使うと明日は厳しい戦いを強いられる。
 1時間13分考えて封じ手、何を指すのかわからないが難しい。封じることは出来ても、後の読みで失敗に気づいて落胆する可能性が高い。消費時間は羽生名人5時間1分、渡辺竜王2時間48分、これでは勝負は既に終わっている。
 形勢は4六角、6八角で後手難しい、鈴木八段は振り飛車党らしい見解。私としてはまあまあ悪くないしこれで充分、1日目でもう勝った気分。羽生名人もあきらめて何でこうなったのか、第7局に気持ちを切り替えているだろう。

2日目
 封じ手3六歩、2七歩、同飛、2六歩、2八飛、予想通りの進行、渡辺竜王もかなり考えて自信はあるはず。飛を切って2七銀、2ニ歩を同王で切れ模様のはずだが緊張する。1時間以上考えていたが何か問題でも、読みから外れているとは思えない。
 ここで消費時間が並んだ、追いつかれるとまずい感じだが、慎重になっているのかも。2三歩に同王の局面、2五飛、3三桂の後の変化が難しい。後手王も危ないが先手が勝ちきれるとは思えない、このまま昼食休憩になった。
 再開後2五飛、3三桂、同角成、同王、6五歩、検討通りに進んでいるが、羽生名人昼食をほとんど手をつけなかったらしい。5五銀もあったが4五桂が厄介、4四歩、6四歩、2八銀成、6三歩成、8四角は読み通り。
 と金を作られていやだが、ここの形勢判断は銀に当たっているので先手。2四銀に2ニ王、1五桂には1四角で大丈夫、先手は4九飛が受からない。7九王、4九飛、8八王、7六歩で投了。
 こんなに大差になるとは思わなかったが、後手も際どく受け読みの深さに驚く。これで3勝3敗、第7局は勢いで渡辺竜王の勝ちはゆるぎない。竜王戦は終わったといえるが、まだ後1局せっかくだから楽しむのは自由だ。

棋譜研18

2008-12-07 13:09:07 | 将棋
NHK杯

11月16日
谷川九段ー橋本七段
 後手橋本七段、4手目3三角、交換して2ニ飛、角を打ち合って2五桂、先手谷川九段同飛、4五から切って角を取る。後手は2四、2五、2六と歩を伸ばしと金を作る。先手4六角と攻防に打ち、1一から4四馬と引きつけ優勢、後手7四飛が辛い。先手7五歩、7七香と美濃囲いの弱点を攻め、4三香に4五桂が上手い。7三歩成、同桂、7四歩、4八竜で金を取り王手も6八銀、57手の短手数で投了。

11月23日
深浦王位ー堀口七段
 先手深浦王位6六歩で矢倉、後手堀口七段9五歩、7三銀、7五歩、同歩、同角、4六角に9ニ飛。先手6六銀、3七桂、4六歩、4八飛、後手6四歩、同歩、同銀、7三、7四銀。先手4五歩、4六角、7六歩に6八銀、後手9六、9七歩、7五銀。先手2四、2三歩から4四歩の攻めと7四歩からのと金、角を切って2五歩2四銀で優勢に見えた。しかし後手6九銀、9五飛、9七角と大駒を切って7五角、9五香で寄せた。

12月7日
 鈴木八段ー北浜七段
 先手鈴木八段初手5六歩、ゴキゲン中飛車かと思ったが角道を止め美濃囲いから銀冠、後手北浜七段5四歩、5三銀、3三角、左美濃から銀冠米長玉。後手7ニ飛、4ニ角、5四、6五、7六銀、先手4五、5五、6五、4四、5六、5五、5四歩。7七飛成から4六角で金を取ったが、1四歩と端を詰められ4一飛に5五角を同飛で切り1三銀が厳しい。1一飛成に1二金を2五桂、2四銀で抜かれ5一角から3二竜、3三飛の受けも2五歩、1五金、1六銀と見事な寄せ。

棋譜研17

2008-12-04 02:20:38 | 将棋
竜王戦第5局

1日目 
 第5局はどんな戦形になるのか、1手損角換りは使い難い、振り飛車ならありがたい。まさか矢倉ということはないだろうが、次第に使える戦形が狭められている。7六歩、8四歩、羽生名人観念して渡辺竜王の得意な矢倉に、これが本来1局目になるはずだったもの。飛車先不突きの新矢倉の24手組、ここで3七銀、6八角もあったが6四角を先に受けた。40手目まで手順前後はあっても第2局と同じ、3八飛だと思うが考えていた。羽生名人30分以上考えて昼休憩、ここで迷うのはおかしいが1時間の差がついた。先手矢倉に対して効果的な対策があるとしても、ここで負けてしまうと第六局に影響する。
 8五歩、1八香、4ニ銀、王座戦第2局、幻の角打ちがあった将棋、2五桂とはねると激しくなる。3三桂に1時間25分の長考、先手の勝率が高くよく見る形、6五歩、6六銀は悪くない。逆に後手だったら参る第2局と同じぐらい苦しい、2一王から固めるぐらいだ。4五歩に同桂、同桂、ここで封じ手、1五、6四、7四歩が候補。後手は桂得で気分よく1日目を終わることが出来たが、ここから先手の猛攻が続けば予定通り勝てる。消費時間は渡辺竜王が1時間ぐらい多く使っているが、第4局と同じで羽生名人は受け一辺倒で結果は見えている。

2日目
 封じ手は1五歩、ここを突ければ一番いい、4五銀で桂を取り4四歩なら2五歩から端を攻める。2一王は悪手なのではないか、先手は位を確保したが後手は逃げ出すのに苦労する。このまま受け切れるはずはなく、上から圧迫された状態で終わるような気がする。昨夜12時ごろには勝ちを確信した、王を下段に落とすのに角や銀を使うのにその必要がない。第2局の封じ手9八歩、同王から攻撃したがそれよりさらに下にある。
 2五歩、1三銀、1二歩、同王、3四銀、同金、1四歩、同銀、2六桂、2五金、1四桂、これで銀を取り返した。2六桂は予想されたが飛を取らせるのは辛い、6四、6三歩成で昼食休憩。
 3七角成、2三銀、2一王、1二歩、同香、2ニ歩、3一王、1二銀不成、ここで8六歩、同銀がダメなら1三角成。残り2時間を切って先手優勢だが決めるのは難しい、8七歩成、同金、6五飛が厄介。2一歩成から8六角、4六から交換がなくなったが、後手王が脱出できなければいい。
 6二歩に2ニ桂成、6三のと金がなくなったが7四銀で角道を通す、読みきっているのか手が早い。8五歩に9六角、9五歩、残り時間が同じになった、形勢は先手優勢、6三銀成、8六銀が気になるが同角か。9六歩、3二成桂、同王、4ニ角成、同飛、ここで4三銀、9ニ飛なら9三歩が利く。3四香に3三銀ならと考えていたが9七銀、これを取らないと受け駒に困るので同桂、同歩成。7九王、4九飛、6九歩、2四角で結構危ないが4六銀で勝ちか。4一飛から2一のと金を取られるとまずい、3五銀かと思ったが3五歩が決め手、同角に4六銀。
 この将棋楽勝かと思ったが終盤羽生名人強くて、3五歩がなかったら危なかった。結果は予想通りになったが途中経過は全然わからなくて、序盤の4五同桂、飛、と金を捨てたところ、8六角が難しかった。これでようやくタイトル戦らしくなって、報道ステーションでこの対局が取り上げられていたが、3勝3敗にして最終局で決着というのを願っている。
 

棋譜研16

2008-12-02 13:12:44 | 将棋
NHK将棋の日

 清水ペアー矢内ペア  解説木村八段
 1手30秒で先手清水ペア矢倉、後手矢内ペア雁木、6二飛、6五歩、7三桂、6五桂、6六歩、7七桂成。先手3五歩、3六、3五銀、2四、2三歩と攻め、3八、3五、3四、2四飛。7六歩に8五桂、8四銀が敗因、2ニ歩成、4三歩、2三銀から6四飛が銀を取って詰めろ。外国人と女流棋士がペアを組み、交互に指しているがなかなか強かった。

 次の1手名人戦 佐藤NHK杯ー羽生名人
 先手佐藤NHK杯、後手羽生名人のゴキゲン中飛車、5ニ飛で1回目の封じ手4七銀、7ニ王で2回目3八桂、6八銀で3回目4三銀、4回目3八金、5回目3二飛、6回目4ニ角。ここで会場の12人が残って壇上に、最後の封じ手7七角、これで17歳の高校生が1人正解し次の1手名人になった。
 解説付きの公開対局でも内容は激しく、馬を作り飛を殺した佐藤NHK杯が優勢だったが、羽生名人はと金を作り5七、4七と、2六、3八、2九銀成と攻め、7一銀、9ニ王で寄らず勝ちになった。


第21期竜王戦

 第4局は難しくいまだに検討され、どっちがよかったのか結論はでない。時間の使い方がよく秒読みに救われ、1、2時間残っていたら完全にやられてた。この1勝は名人のファンサービスか竜王の実力なのか、第5局に勝てばはっきりする。

棋譜研15

2008-11-29 20:38:35 | 将棋
第67期順位戦B1組 行方八段ー渡辺竜王

 先手行方八段の矢倉定跡形、4六銀、3七桂、3八飛、6五歩で後手8五歩なら2五桂から一方的な攻めになる。後手渡辺竜王9三桂と跳ね、竜王戦の第2局と同じ、これを修正し多少はよくなったが、羽生名人に勝つのは無理か。6六、7五銀、7四歩、5七角で押さえ込まれ不利、9三から9四飛が辛い辛抱。しかし6六角では6四歩、7六王では9八歩、6一香で結構難しいようだ。
 ここで1二香、穴熊が完成すれば堅いが、手待ちなら米長玉ではダメか。先手の方は攻撃態勢が出来てるので3五、1五、2四、1三歩、2五桂の攻めは厳しい。9五香、9七香成、9六歩と攻めるが、7六王と逃げられると捕まえ難い。先手は5三桂成、3三香、4三成桂、3二香成と駒得しながら確実な攻め、8七とに5九角が決め手になった。


第21期竜王戦

 新聞で第3局の観戦記が掲載され3八との局面、この1手だけに紙面を費やされたことを考えればその重要性がわかる。なぜ取ったのか第4局に負けていれば一生悔いが残るが、同金にしてもなぜ封じなかったのか。この1手で勝敗が決してしまう局面、もし粘っていれば5三歩成を決断していた。