Trips with my RV.

RVでの小旅行。

円高が止まらない

2010-09-13 01:13:18 | 独り言
本来はキャンプに行ったら書くブログだった筈だが、キャンプに行けていないのだから・・・、このトコロの拙ブログでは円高関連の記事が多かった。日銀の対応の不備は否めないが、現民主党政権のコントロール下にある筈の日銀総裁の口からでる戯れ言を当の民主党議員が憤慨してみせる様な茶番を演じている。現在の円高圧力は、日銀が動かせるレベルの為替介入では留めようもない・・・と思う。政府の仕事は、効果的な円高介入とは、ハッタリを交えた壮大な口先介入しか無いと書いた。それでは、「王様の耳はロバの耳」と叫ぶだけなので、浅はかな素人の主張も展開した。

(1)円高メリットを活かして海外の企業買収(エネルギー関連企業や、輸入原材料企業や、我が国の輸出企業の競争相手企業等)を進める。

(2)貿易決済をドル建て・ユーロ建てから円建てに切り替える。

(3)G7各国は円高ドル安・円高ユーロ安を歓迎しているが、政府は口先介入への連携を取りつける。

(4)政府は、強行介入へのハッタリをかます。

等々であった。だが、管政権を単に無能と言い切る勇気もないので「流動性の罠」が発動中で、金融政策でのコントロールが利きにくい環境下であるとも書いた。私信で頂戴した内容を掻い摘むと『「流動性の罠」の中では、政府には何も対応策は無いのか?」と云う事だろうか?

円高の原因を考え直そう。政府は明確に表現しないがFX市場に流れ込む大量の金の・・・かなりの部分は日本国民の金融資産では無いかと、私は疑っている。円高で日本経済はダメージを受けている中で、1人1人では僅かな影響しか与えないだろうから、私だけでも利益を頂戴しようと思っている日本国民も少なからず居る・・・のでは無いか?と思っている。俄FX投資家の方は、自らの裁量ではなく似而非投資会社の甘言に乗じているダケかも知れない。だが、現時点での日銀に出来得るレベルの為替介入を凌駕する金が円を売ってドルを買っているのだ。その中で、日銀の為替介入を期待するのは、撒き餌を求めているに過ぎない。この8月からFXに於けるレバレッジ規制(50倍以上のレバレッジ)が開始された。来年8月以降は更に25倍以上のレバレッジも規制される。

この円高はマスコミに依ると純投機的な流れだと云う。確かに、日本の国家財政は破綻寸前である。なのに何故、円高なのか?

このまま円高が推移すれば、輸出を主体とする企業は競争力を削られ生産拠点の海外移転を加速するしかない。「失われた20年」から「終末への10年」にスイッチする恐れがある。

直前の円高関連の記事を書いたキッカケは“資源のない日本が外貨を得る手段として輸出しかないので円安が有利であることは常識です。その常識をくつがえす方法なんかありません”と、私信で御教授を受けた事だが、その時に明言しておけば良かったのだが、我が国はGDPに於ける輸出産業の割合は諸外国に比べても高くはない。「失われた20年」の間に社会構造が変わっている。日本経済を好転させる鍵は内需拡大こそ効果的だ・・・と思う。



内需拡大策は政府の政策として考えやすい項目である筈だ。それよりも、何故、円高なのか?円買い圧力の原動力とは何なのか?

実体経済での金の流れは時間が掛かる。決済が瞬時に終了してしまう証券投資こそが為替相場に大きな影響を与える。その証券投資に最も大きな影響を及ぼすのが金利であり、その金利を決定するのが日銀なのである。「流動性の罠」にも書いた筈だが、公定歩合が高ければカネの価値は上がり、金利が下がればカネの価値は下がるのだ。日本はゼロ金利政策を続けていて、更なる利下げは難しい状況下にある。更なる利下げは不可能では無いだろうが、更なる利下げをしても・・・効果が期待できないのだ。これこそが「流動性の罠」の正体が。

但し、投資家の皆さんは、公定歩合だけを見ている訳ではない。それが「実質金利」なのである。日本の公定歩合は「0.3%」とする。では、日本国債の金利も「0.3%」なのかと思えば、そうではない。国債の金利は、国債市場で決まるのだ。だが、その国債の金利は・・・基準とする目安も無しに取引されている訳ではない。それが・・・実質金利と云う考え方だ。

銀行に100万円を年利5%で預金すると、1年後には105万円受け取れる。だが、もし・・・物価が上昇して預け入れ当時は100万円で買えていたモノが4%のインフレで104万円になっていたら、名目金利5%からインフレ率4%を引いた・・・1%が実質金利となるのだ。結果論なら判り易いが、これから募集する国債の場合の実質金利は、名目金利+期待インフレ率で算定される。又、国債の名目金利は、通常現金預金の名目金利より高く設定される。何故なら、現金預金は元利金保証されるけど、国債はデフォルト・リスクを孕むからだ。だから、「国債の実質金利 = 設定金利 + 期待インフレ率 + デフォルト・リスク・プレミアム」となるのだろう。

その名目金利=実質金利の、貨幣毎の損得こそが、為替取引の原動力になる。その実質金利を踏まえて(予想して)国債市場で金利が決まっていく訳だ。我々がカネを借りても、「期限の利益」云々という文言が契約書に書かれているが、カネを商う証券市場では、当に「期限の利益」こそが商材なのである。例え日本の国債と米国債の名目金利が同じだったとしても、日本とアメリカの期待インフレ率が違えば、導かれる実質金利には差が生じるのだ。

個人のカネなら、当人がカネを使おうと思わなければ、名目金利と実質金利を体感する事は無いが、証券市場にあるカネは、実体経済の経常収支として即座に流動化するので日常的に毎日証券からカネに変わっている。

日本はデフレ下にあり、期待インフレ率はマイナスでは無いモノの非常に低いので、名目上は米国債の方が利回りが良いが、実質金利では日本国債の方が利回りが良いと思う投資家のドル売り円買いに依って円高が進むのである。これが2008年のリーマンショック後に発生した。FRBは金融緩和を進めカネの供給量を増やしたのだ。前述した通りカネの値段とは金利である。カネの供給量が増えると、カネの値段である金利が下がる訳だ。そして、ドル売り円買いが加速した。そして、更に米国経済の失速が報じられ、FRBは更に利下げとカネの供給を増やすと表明した。これに依って、更に・・・国債の名目金利は米国の方が高いが、実質金利では日本円の方が有利と判断する投資家の圧力が円高圧力となっている。長期金利では日本1%に対して、米国2.5%で、ドルの方が1.5%有利だが、それを実質金利として考えると、日本はデフレ下にありインフレ率はマイナス1%で米国はインフレ率はプラス1%なのだから・・・実質金利では日本は1-(-1)=2%で米国は2.5-1=1.5%・・・つまり日本の実質金利2%に対して米国の実質金利1.5%だから、日本円を所有した方が0.5%有利だから円が買われる事になる。

対ユーロに対してはトルコ国債の取引が常識的な想定範囲で軟着陸した事から、ユーロへのデフォルト不安は減少したので、ユーロ安円高の構図は縮小に向かうだろうが、米国の景気動向への不安感が更に押し寄せる円高リスクとなっている。

この背景下で、日銀白川総裁の会見を見直すと現状で日銀に出来る事とは、屁の突っ張りにもならない数兆円規模の為替介入と、現実的には困難な公定歩合の更なる引き下げしかないので、もはや手詰まり・・・と云うアホな会見にも納得がいく事になる。白川総裁が能弁な人なら、米国景気の拡大の外に・・・日本政府として行えるデフレからの脱却を重要性に言明しただろう。

今のままでFRBが更に利下げすると、円買い圧力は更に強まる。もう70円台突入も覚悟する最悪の事態に成り兼ねない。日本政府として米国経済を上向かせる施策は打てないので、日本政府はデフレからの脱却を力強く進める必然があるのだ。プラス1%程度の緩やかなインフレへ舵を切れれば、円高圧力は大幅に減じるだろう。

なので、改訂版として、今の日本政府が執り行う円高対策として

(1)円高メリットを活かして海外の企業買収(エネルギー関連企業や、輸入原材料企業や、我が国の輸出企業の競争相手企業等)を政府として後押しする。

(2)貿易決済をドル建て・ユーロ建てから円建てに切り替える後押しを政府として行う。

(3)デフレスパイラルからの脱却を政策として速やかに取り組む。短期的なカンフルを打ちながら、中期的なデフレ脱却を強力に推し進める。

と、すれば如何だろうか?何でもかんでも日銀の性にして、政権与党である民主党内部からも日銀の責任だとする声が挙がっているが・・・、2009年マニフェストより先ずはデフレ解消だろう?だが、「みんなの党」代表が声高に叫んで居られる程度の「デフレ解消法案」ではカンフル的な効果しか無いだろう。この規模の政策を実行すれば、恐らくインフレ誘導は可能だろうが、私も所属する中小企業は正直カネを求めているが、カネよりも需要を求めているのだ。需要を創造する為には、国民の財布にカネが入らないと話が先に進まない。バブル期と同じように、中小企業も大企業も、手にしたアブク銭を安易に増やそうとマネーゲームに明け暮れた。大部分の中小企業が持ち慣れない資金を手にしたとして、本業の競争力を上げ本業の需要を創造する事には届かないだろうから、需要が見込めない投資は、近い将来の不良債権を生むだけだ。バブル後の不良債権処理を政策失敗だとして自らの責任を置き去りにした銀行は、今度は不良債権化を恐れて中小企業にカネを垂れ流したりはしないだろう。(だが、何もしないで動かないよりはマシだとは思うが・・・、少なくとも金融機関の与信に耐えうる中小企業にはカネが回るだろうから・・・)

1に雇用、2に雇用、3に雇用・・・が、管総理の景気対策内需拡大策なのだが、企業側に仕事が無ければ雇用は有り得ない。企業が求めているのは需要なのである。日本国は、伝統的に事業創造が苦手な国である。国家が関与すべき外需に依存する事業・・・新幹線や原子力発電所等になるのだろうか?コンシューマー向け外需産業は・・・日本的な考え方が諸外国で受け入れられていない事が頓挫の理由かも知れない。液晶テレビや携帯電話で韓国企業に大きく水を空けられている理由は、日本的な先端技術の博覧会の様な家電製品は需要側からオーバークオリティ(=高価格)だと三行半を突き付けられている証だと思う。日本の家電メーカーは各社競争して自社の先端技術を付加価値として盛り込んでいるのだが、世界の顧客が求めているモノは5年先にも先端性を誇れるモノではなく・・・例えば液晶テレビなら液晶テレビで在りさえすれば良いのだ。国内に於いても、先端性を誇るフラッグシップ的な付加価値天こ盛りの高価格商品はシェアは低い。高価格でなければ国内生産体制を維持できないと云うジレンマからの脱却も急務かも知れない。日本がインフレに突入する事で、(+法人税の減税で?)最低限の国際競争力を確保出来た暁には、高級路線と普及版との間に、中間価格帯の他国製品に無い付加価値商品を投入すべきか?

素人の私とすれば、

(1)日銀が無制限に国債を買い入れる事で発生する強力なインフレ化を実施。

(2)求職者支援を徹底すると共に、休職者に国家自治体の仕事を分配する。

(3)終身雇用と迄は行かなくても永年雇用のメリットを企業に与える。

(4)過去に存在した正規雇用を増大させる助成金・補助金を総動員する。

等の同時進行プランを推しておく。諸外国の例を見れば、1~2%の緩やかなインフレにコントロール出来た先進国は無い。悲しいかな・・・ハイパーインフレに突入してしまうだろう。但し、その環境下では中小企業にも自助努力無しに需要が発生するのは事実だ。この財政基盤でハイパーインフレを起こすと、日銀でのインフレ縮小のオペレーションは利かない。短期的なミニバブルと日常生活でも大きな影響が出るインフレが発生し、放置すれば大変な事になる。そこで、デノミとしての新円切換だ。インフレ下で借金の圧縮が進んだ上で、デノミで更に圧縮を掛ける。

明日には民主党代表選の趨勢が決する。どんな舵取りをして行くのだろうか?

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